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チャレンジストーリーVol3:網膜投影ユーザー西山選手、充実のフットサル留学!障害の有無を越え、サッカーでつながる仲間たち

チャレンジストーリーVol1でご紹介しました、スペインバルセロナでフットサル留学にチャレンジしているロービジョンフットサルクラブ、CA SOLUA(シーエー・ソルア)所属の西山乃彩(のあ)さんから、網膜投影カメラキット「DSC-HX99 RNV kit」で撮影をした写真とともに、お便りが届きました!(乃彩さんがスペインで感じていること生の感想を彼女の言葉で紹介できればと思い、ここからの文章は、乃彩さんがスペインからレポートをしてくれた内容をもとに作成しています)

F S Sant Cugat (エフエス サン クガット)

今回は、今シーズン私がプレーしている女子フットサルチームをご紹介します。 カタルーニャ州女子フットサルトップリーグに所属する、F S Sant Cugat (エフエス サン クガット) が、今私が所属しているフットサルチームです。 私は両眼性網膜芽細胞腫という遺伝性の病気により現在は視力が0.04、視野は9割以上が欠けている状態なのですが、私が今プレーをしているSant Cugatは、障がい者フットサルチームではなく、健常者のフットサルチームです。 見えづらさがあると、障がい者フットサルチームでしかプレーができない、と思われがちなのですが、チャレンジしたい気持ちがあればそれに応えてくれるフットサルチームもあるのです。それが今私が所属しているSant Cugatなのです。
クラブには他カテゴリーのチームもあり、男女混合のジュニア、男女別のシニア全18チームと全ての年代が同じユニフォームを着てフットサルをしています。とてもアットホームな雰囲気で、高校生以下のチームの監督は数人は選手ではありませんが、ほとんどがトップチームの現役選手で、女子選手も1人います。選手は全部で13名、その他監督とスタッフが各1名います。 年代はバラバラで、まだ10代の選手、私と同年代の選手、産休から復帰した選手、もう大きい子供がいる選手など、さまざまです。 なんと、スペインには「ノア」という名前が男女ともに多く、私と同じく今シーズンから入った選手の1人もノアでした笑 ということで、チームでは「ニノ」と呼ばれています。ちなみに、チームメイトの息子もノアでした笑

Sant Cugatでは9番を背負いプレーしています!

Sant Cugatとの出会い

このチームと出会えたのは、私が日本で所属しているロービジョンフットサルチームのCA SOLUA( シーエー ソルア)のおかげです。 キャプテンの岩田選手がロービジョンフットサル日本代表に選ばれ世界大会に出場した際、対戦相手のスペイン代表チームとして出場していたのがSant Cugatのオーナーでした。 私が「フットサル最高峰のスペインで挑戦したい!」という熱意を岩田選手に相談したところ、オーナーを紹介してくださり、色々な準備をサポートしてくださいました。そしてスペインでのフットサル留学が決まり、私の挑戦が始まりました。 紹介していただいた岩田選手と、受け入れてくださったクラブには本当に感謝をしています。

見えづらさのある私への接し方の違い

試合の後には近くのバルで一杯飲みながらみんなで楽しくおしゃべり

チームのみんなは、私が日本人であることや視覚障がいがあることを、それぞれ性格が違うのと同じように私の個性として、1人の選手として受け入れてくれています。これは日本にいた時は感じられなかったことで、過剰な配慮や差別はなく、困っている時や助けを求めた時に自然と助けてくれます。 プレー以外でも、集合場所で私を見つけたら遠くの方からでも声で呼んでくれたり、プレー中はジェスチャーではなく言葉で言ってくれたりと、些細なことですが、その一つ一つが私にとっては大きなことで、ストレスが全然違います。 全員がそれぞれのことを仲間として認め合っていて、本当にいいチームだと思います。 誕生日には、家族がいないこと、友達もまだほとんどいないことを知って、みんなで日本語を覚えてお祝いしてくれました! いつも試合の後には近くのバルで一杯飲みながらみんなで楽しくおしゃべりをすることが多いです。このチームのみんなが特別仲がいいというよりは、スペイン人はおしゃべりなので、バルでおしゃべりすることはスペインの文化だと感じています。 自然とコミュニケーションがたくさんとれるので、チーム力はすごくあります。

分け隔てなくコミュニケーションをってくれる仲間たちが、本当に好きです

素晴らしい環境

練習場所は、市営のスポーツ施設です。 体育館には空調がついていたり、更衣室にはシャワーもあります。ホーム戦のときは、この施設で試合もします。 練習は平日2回、週末はほぼ毎週試合があります。 日本と比べて圧倒的に試合の機会が多く、とても良い環境です。 また、人数も十分にいるので、練習内容も充実したものができます。 まだ出場機会は多くないですが、これから少しずつチームの力になれるよう、日々修行中です!

フットサルを行うのに十分な環境が整っています!
(網膜投影カメラキット「DSC-HX99 RNV kit」で撮影)

スペインフットサル留学で叶えたい目標

このチームでの目標は、得点できる選手になることです。 ゴール前は人が密集していてボールのスピードも速いので、目が見えにくい私にとっては状況を把握することが人一倍難しいところです。 目の見えづらさを理由にできないことをあきらめる、できることだけにチャレンジするのではなく、自分が叶えたい目標に向かって最大限チャレンジしたいと思っています。 なので私は、カタルーニャトップリーグ(全国リーグの1つ下のカテゴリー)で得点してチームの勝利に貢献できる選手を目指しています。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました! 次回は、レティッサを使って見えたバルセロナの景色を紹介したいと思います!

毎日・楽しく・サッカーです!

以上、乃彩さんのバルセロナからのレポートいかがでしたでしょうか。見えづらさがのある乃彩さんに対し、チャレンジを遮ることも、必要以上に手を貸すこともなく、一人のサッカーにチャレンジする選手として、仲間として受け入れているSant Cugatのチームメイトの様子が心を打たれます。日々練習に励みながら、網膜投影カメラキット「DSC-HX99 RNV kit」を使い、旅行やレジャーも楽しんでいるとのことですので、またバルセロナからのレポートを楽しみにお待ちしてます!

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