見出し画像

ミルクティーの時間

こころの幸せレシピ⑥


ぬくもりを感じていますか


シェフ 梯真由美(鍼灸マッサージ師)

【材料】
 ・冷えたこころとからだ カップ1
 ・温かい心配り  無限大

【調理法】
 ・陽だまりで、こころとからだを包みます。

紅茶を飲むとき、ふだんの私はストレートでいただきます。
お店で、
「レモンとミルクのどちらにしますか?」
とたずねられると、ほとんどの場合
「レモン」と答えます。

でも冬になると時々、
無性にお砂糖入りの甘いミルクティーが飲みたくなります。
そんなとき私は、体だけではなく、
こころにぬくもりを感じたいのかも知れません。 

       ・・・・・・・

『冷えていませんか。』

東洋医学では、人は大自然の一部だと考えます。
自然界に、寒風が吹くように、
人の体や心の中も、
同じように冷たい風が吹き荒れることがある。
と考えるのです。

体が冷えると、手足が氷のように冷たくなったり、
胃腸の具合が悪くなったり、腰が痛くなったり、
足がむくんだりしてきます。

からだとこころは、密接につながっているので、
からだに不調を感じると、表情が硬くなったり、
声色が沈んでいたり、気分が不安定になってイライラするなど
こころにも影響を及ぼします。

こころが冷え込むと、
どうしようもなく体が重くて、憂鬱感が増してゆきます。
何か行動を起こそうとするエネルギーが
出てこなくなります。

「気」=「エネルギー」自体が、ぬくもりそのものだから。

私は、12年前に愛犬のラブラドール・レトリバーの
“カンちゃん”を亡くしました。
かけがえのない家族を看とるのは、はじめてでした。

夫婦で、息が絶え絶えになって行く様も、
命の火が消える瞬間も、見守っていました。
だんだん体が冷たく硬くなってゆくのも、
しっかりと見届けました。

その時、
「生きているって、あったかいことなんだなぁ。」
と、つくづく感じました。
 
寒い冬にカンちゃんを抱っこしていると、ポカポカ温かいのは
「体温だけではなく、ぬくもりエネルギーの交換をしていたんだな。」
と、思いました。

今、こころとからだが冷えている、と感じているなら、
まずは、あたたかいものを飲んだり食べたりしてみませんか。

東洋医学では、医食同源を重視します。
食べ物は、深刻な状態になる前の、からだやこころに働きかけます。

手の込んだものを準備するのは、
作るこころのゆとりと、味わうこころのゆとりがなければ
難しいかも知れません。 
でも、何も考えずにお決まりのパターンで食事するのと
あたたかいものを選ぶだけでも、
自分への思いやりがずいぶん違うと思うのです。
 
「今日は、生野菜サラダより、温野菜のスープの方がいいかな。」
「アイスコーヒーより、あったかいカモミールティーを飲もうかな。」
「昔、風邪をひいた時、おかあさんが作ってくれた
 葛湯を作ってみようかな。」

そう思えてきたら、未病は健康へと向きを変えてゆくでしょう。

ひとりぼっちで寂しいと感じていても、
居場所がどこにもないと悲しんでいても、
失敗ばかりする自分に怒っていても、
誰かを羨む自分に、嫌気がさしていても、

大丈夫! 
からだをあたためるとエネルギーが増して、
こころも幾分ホッとしてきます。 
 
自分への心配りのエッセンスをふりかけること。
それは、「今の私」が、「明日の私」にできる
一番のあたたかい贈り物のような気がします。

今の私が、ちょっとだけ笑顔になれたとしたら、
そのしあわせエネルギーは、目に見えなくても
ふわふわと伝播して、明日の私につながり
誰かのもとへも広がってゆくと思います。

自分のしあわせが、誰かのしあわせにつながれば、
とても嬉しいですね。

自分の播いたしあわせの種が、
誰かのもとに届くと素敵ですね。

【調理のコツ】
・もっと自分を大切にしよう。

サポートいただきまして、本当にありがとうございます。 どなたかご縁のある方のこころの奥に、私の言葉が届くとうれしいな~。と思って 書いています。とっても励みになります。こころから感謝をこめて。                              板橋真由美