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バーバパパの教育方針について考えてみた

バーバパパという絵本

バーバパパは、我が子の好きな絵本のシリーズの一つです。

図書館へ行くたびに目についたバーバパパの絵本を手に取り、借りて来たので全ての作品に対してどれほど読んだのかは判りませんが、かなりの冊数を読んできたと思います。

はじめのうちは、バーバパパが1人だけ登場しますが、次第に

→ バーバママと出逢う → 子供が生まれる

と時系列に従い、読む流れに配慮もしていましたが、

バーバパパの子供が生まれた後は刊行順などは知らず、とにかく子供本人が手に取った順に読み聞かせてきた、
というのが実情です。


バーバモジャに対して

今回、「バーバパパのしまづくり」という絵本を読みました。

バーバパパのシリーズを読んできた順番に依存するのかもしれませんが、今回読んだ作品で意外といいますか、驚いたことがありましたので記したいと思います。

それは、
バーバパパのバーバモジャに対する理解について
です。

バーバモジャとは、7人いるバーバ夫妻の子供の1人です。子供たちのなかでは末っ子で、「絵を描くのが好きな芸術家タイプ」と公式プロフィールでも紹介されています。

この「バーバパパのしまづくり」では、
バーバパパとバーバママとバーバの子供たちは、倒れそうになった木の生えた島を島ごと陸地へ移動させる計画をたてます。

なぜなら、その木にフクロウが巣をつくっており、そのフクロウを助けるためだったのです。

その際、池の中の生き物を避難させて、水を抜く。つまりは「池の水ぜんぶ抜く大作戦」をそっくりそのままおこなうわけです。

そうして、移動させた元々は島だった樹々の中に木苺の樹があり、その木苺からジャムなど作り、木苺パーティを催し盛り上がり平和的に終わる。

と思っていました。


衝撃の一言…

そんななか、これまで読んだ作品の流れからすると意外であり、かなり個人的に衝撃的な一言がバーバパパよりバーバモジャに発せられるんです。

他のみんなが働いているのになぜ働かないのだ

という主旨でバーバモジャを叱るのです。

バーバモジャは絵を描き続けていたのです。

それに対して、バーバモジャは「皆の足跡を歴史に残すために絵を描いていたんだ」というような説明をします。

私はてっきり、パパは、バーバモジャのアーティスティックな面や性格を十分に理解していると思い込んでいたので、今回、協力的行動をしなかったと咎めたことが意外に感ぜられました。

他の兄弟達がモジャの行動に不満を感じているとも思えませんでしたし、勝手にそう思い込んでいました。

しかし結果は異なり、パパは手放しでモジャの行動を容認していたわけではなかったことがわかりました。


考えてみました。

もちろん親として全体をみて、非協力的に映ったモジャを叱る対応は当然とも思えます。

本作品を初めのうちに読んでいれば、個人的にもパパの教育姿勢を受け止めて他作品にも向き合ったと思います。

ただこれまで多数の作品を読んできた限り、叱る際にも、だれかを個人攻撃するのではなくて、基本的に全体責任として子供みんなに向けて指導してきている印象でした。

そう感じていたがゆえ、かなり寛容で放任主義、そして皆が超個性的な兄弟ですが、各人への充分なる理解が出来ていての方針だとばかり思っていました。

だから、今回の対応はもっともであり、パパはまとも、意外に真面目で常識的だったんだ、といえると思うのです。

一方で、型にはめる感じで、没個性的になっていくような。

モジャの個性、才能を潰す方向にむかっていやしないか?と思えば急に窮屈に感じたことも本音です。


一晩明けてまた考えてみる

バーバモジャは、これまで読んだ作品では、絵を描くなど創作活動をしながらも他の兄弟と同じ行動も協力的に行っていたかもしれない。
それが今回はいつもより非協力に見えて、バーバパパは叱ったのかもしれない。

あるいは、

叱ってしまったが、バーバモジャの歴史に残すという趣旨を知って、本編には描かれてはいないが、パパの方が気づきとなり、責めたことを悔やんだかもしれない。

と、より多面的に考えることができました。

どうやら「個性を認めない父親像」を勝手に作り上げて論じたい一心の私がいたらしい。

読み聞かせのときにも一面的な捉え方でなく、互いの気持ちになりながら説明出来るように心掛けています。

今回、パパもモジャも悪者にしなくてすみそうです。


おしまい

シリーズものは、キャラクターに感情移入して、自らで各キャラクター像を作り上げているきらいがあります。

そこから僅かにズレを感じたり、意外性を感じると「あれ?」と感じたりすることもあります、今回のように。

でもそれも、マンネリ化を避けるためや、各作品を特徴づけるアクセントになることもあると思います。

細かく読み込む必要があるかといわれればわかりませんが、子供の「なぜ」「どうして」という問いかけに答えられるように、一緒に考えられるようにシミュレーションとして問題提起し、自問自答していく活動の一環でした。


おしまい




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