笑顔を呼び込める人に
「ありがとうございます」
飲食店を利用したときやお買い物をしたとき、お会計を済ませた後、そう言って目を合わせてにっこりしてくれると、こちらまで笑顔になる。
お気をつけてと言ってくれたり、お店を出るときに視線が合って目で見送ってくれていたんだなと感じたりした日には来てよかった!と思う。
そんな自然な柔らかい笑顔は、簡単にできそうで意外と難しい。
楽しさ、充実感、情熱、相手を思いやる気持ちなど、内に秘めた熱意が溢れてできるものだと思う。
その熱意は受け手にも伝わる。受け手を幸せな気持ちにする。
飲食店に入ったときに「こんにちは」と迎えてくれる、商品をテーブルに置いてテーブルから離れるときに「ごゆっくりどうぞ」と声をかけてくれる。そんな小さなことでも安心感があり、あたたかい気持ちになる。
服や化粧品を買いに行くと、会話をしながら自分に合いそうなコーディネートやメイクを教えてもらえて、その服を着たり化粧をして出かけるシーンを想像して、買いたくなるし使うのが楽しみで仕方なくなる。
直接話しているときだけでなくて、立ち居振舞いからも熱意を感じられる人は魅力的で憧れる。こちらも元気になる。
接客業の方からだけではなく、日常的にも様々な場面で元気をもらうことがある。
久しぶりに会う友人が「たしか好きだったよね」と言って好きなお菓子を持ってきてくれる。
「Twitterで◯◯って言ってたよね!?大丈夫?」と遠くに住んでいる友人が連絡をくれる。
落ち込んでいれば温泉に行こうと半ば強引に連れ出してくれる友人もいる。美味しいごはんを食べに行こうと誘ってくれる友人もいる。
喜んだり元気になったりしてほしい、そんな気持ちが伝わってくるだけで幸せな気持ちになる。
悲しいことがあれば一緒に落ち込んだり怒ったりしてくれて、少し元気になってきたら楽しい話をしてくれる、前を向けそうになったら一緒に前を向こうとしてくれる、ダメそうなら少し戻ってまた立ち上がれるようにしようとしてくれる。
心にそっと寄り添う、私の温度に合わせてくれる、そして傷つくことや不必要そうなことはしない(しない優しさ、言わない優しさというのは本当にありがたい)、そんなあたたかい優しさが、心を解きほぐしてくれる。
なんだかうまく笑えなくなったときもあったけれど、周りの人があたたかくて、心の平穏を取り戻している。
恥ずかしい話だけれど、今年は笑顔を届けるより笑顔をいただくことのほうが多かったように思う。
これからは、たくさん笑顔をいただいたぶん、笑顔を呼び込める人になりたい。
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