続・朝鮮民族の急襲
新宿に「ル・モンド」というステーキ店がある。昨日健康診断が終わってから足を運んだ。カウンターしかない狭い店では、1,500円でこんなステーキが食べられる。ぼくが東京に来た外国人の友人をよく連れて行く店。ここでお腹を一杯にして、すっかり安全になった歌舞伎町を横断して、ヤクザの抗争で有名な喫茶店、パリジェンヌに誘導するのがよく使うルート。
さて俳優のユン・ドンソンさん一家が日本に”急襲”した時、世界の山ちゃんで食の件は解決したのだが、その次だ。
「で、どこに行きたいのです?」と聞くと答えは漠然としていた。
奥さんは大学院で勉強していて「日本の神話」を感じられる場所についてレポートを書くよう宿題を出されたという。
そんなの日本語でも無理ゲーだろう。時間は夜8時。神社か。明治神宮か。夜8時なら閉まってるな。靖国神社から朝鮮総連本部というルートも考えたが韓国人には厳しいな。政治性が強すぎる。一旦横に置く。
各員の好みを聞く。高校生の息子さんはゲームと音楽が好き。中学生のお嬢さんは…。一番わからない。学齢前の息子さんはもう全然わからない。40代の怪しい韓国語を操る日本人を前に固まっている。日本人としっかり話すのすら初めてだろう。
ぼくが選んだ街は渋谷。息子さんとお嬢さんをメガドンキに放つと、おおー!と大喜び。なぜか蒟蒻畑を大量に買い込んでいた。「なんで蒟蒻畑なの?」と聞くと「これ韓国でめっちゃ人気なのです」と息子さん。お嬢さんもコスメ商品を見ていた。よし、まずこのふたりは大丈夫。高校生の息子さんはさらにタワーレコードに連れて行った。
「90年代、日本では渋谷系という音楽ジャンルがあってね。ここはその聖地と言ってもよい」というと「おおおお!」と大喜び。全フロア制覇のため駆け出して行った。彼はゲームやアニメを通して日本語が少しわかる。「ゆーさん!サイコーですよ!」と日本語で感想を伝えてくれた。
さて、神話だ。神話なんて知らんがな。何とか思いついたのは井の頭線の渋谷駅。ここの壁面には岡本太郎の「明日の神話」がある。
これを見せて「えー、これはですね。岡本太郎という有名な画家の描いた『明日の神話』というものでして、原爆投下直後の様子を描いています。1970年の大阪万博の時の太陽の塔が有名です。。原爆反対と平和は岡本の生涯のテーマでありました。まぁ、なんですか。わが国と韓国の間には色々、ややこしい政治的問題があるのは事実です。昨日韓国から連絡が来て、今日こうして日本で出会えてこの絵を見ているってのも、まるで神話みたいな運命と感じられはしませんか」。
このことばに奥様大感動。ハグされてしまった。いやいや奥さん、旦那さんの目の前ですよ!貴国には姦通罪がありますよね!困ったけど嬉しかった。
彼らの反応を見ていて、わかったことがある。大事なのは「選択の幅を広げること」。特に韓国なら日本の情報なんて溢れている。むしろ彼らの方が詳しかったりする。それであればピンポイントでどこかウケを狙うよりも、可能性がたくさん転がっている場所に連れて行き、あとは任せてしまえばいい。
そして韓国人のピンポイントな無茶ぶりには、きざったらしい話でごまかす。韓流ドラマを思い出せ。思い出せ愛の不時着。オレはリ・ジョンヒョク!オレはヒョン・ビン!相手は東洋のラテン民族と言われたりする朝鮮民族なのだ。日本語でいえないようなことでも、韓国語ならいえる。いや、いえるようにならねばならない。
これは朝鮮人でも同じだとぼくは思っている。
■ 北のHow to その131
日本に北朝鮮の人が来たら。来るとしたらまずは平壌の人でしょうから、海産物の美味しい店が無難と思います。平壌も(ソウルも)、海には接していないのであちらで食べる海産物は少し味が落ちます。
ソウルには鷺梁津(ノリャンジン)水産市場という、いわば豊洲市場みたいな存在があり、そこで買った魚を刺身や鍋にしてくれる店もありますが、わさびの味が落ちます。本場のわさびを食べさせて、くはぁー!と北からの旅人を悶絶させるのが、ぼくの夢です。
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