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(ほぼ)オール在日の結婚式に出てきました

 昼の職場で地殻大変動が起き、新しい職場を探すことになりました。これからは最近サボりがちのnoteもしっかり執筆します。年末までは大丈夫なのですが、北朝鮮についての書く仕事、講演会、トークライブ、承りますので、ぜひお声かけください。

 しかしすごい結婚式でした。京王プラザホテルに200人。人数を聞いて芸能人か!と思ったのですが、集まっているのはぼく以外はほぼ全員在日コリアン。ひゃー。平壌で仕立てたというチマ・チョゴリを着た人もいれば司会進行も朝鮮語。えらいところに紛れ込んでしまった。

 事前に在日の悪友はいう。「あ、在日結婚式は徽章(=バッジ)必須なんで」。金日成バッジならいくつも持ってるぞ。「ん。バッジならあるし。〇〇(=地名)の李さん(=仮名)にバッジ付けてけって言われたって話せばよい?」と言ったら、悪友が「各方面から怒られるからまずい」という始末。

 そしてご祝儀。3万円を包んだのだけどそれでOK。のしに名前は朝鮮語で書いた。

 韓国ではぼくの苗字は키타오카と書くのだけど、これを北朝鮮で書いたら案内員が「それは南式!ダメッ!」とダメ出し。끼따오까にしろというので、今回はその通り書いた。なお、新郎によると他の在日の参列者はみんな漢字で書いていたらしい。見事に滑った。

 映画「月はどっちに出ている」でも在日コリアンの結婚式は、尺を取って描かれている。打ち鳴らされる民族楽器に、民団と総聯のスピーチの順番を巡っての小競り合い。だがこれもバブル時代のころ。それから30年近く経っている。服装も女性の髪形も、その時の雰囲気はない。

 緊急事態宣言下の結婚式は異例続き。アルコールが出ないので、ワイン風、シャンパン風のドリンク。あるテーブルでは、透明なペットボトルに入った透明、あるいは茶色の液体が回っていた。酒だったな、あれは。

「中華ってのは美味しいものですねぇ」としみじみと頷く人がいた。普段在日の結婚式では、酒ばっかり飲んで料理は手付かずということが多いのだとか。京王プラザホテルですぞ。ふかひれも肉厚。極上の味。

 最近日本人の結婚式はコンパクト化していることもあり、実は在日コリアンのお客さんはお得意さま。手元にある동포혼례안내(同胞ブライダルガイドブック)2021年度版を見ると、上野東天紅。椿山荘。川崎日航ホテルなどなど。首都圏の名だたるホテルの広告が並ぶ。

 東京朝鮮歌舞団の出し物が入り、朝鮮大学校政経学部の同級生が新郎を胴上げし、しかし全体的には落ち着いた印象。

 何でも、緊急事態宣言が無ければ新郎は速攻酒で潰され、新郎VS新婦父の騎馬戦が展開し、統一列車は走るをBGMに参列者全員が大人の電車ごっこで式場内を練り歩き…、というそれはそれはカオスな数時間となるという。

 集合写真がなく、スピーチも少なめ。お色直しは2回。伝統服と、タキシードとドレスというのは、在日らしいというか。北朝鮮では軍服とチマ・チョゴリのカップルを見た。「おめでとう」と声をかけたぼくに「ありがとうございます!」と野太い声で返してきた新郎。新婦は照れくさそうに俯いていた。

■ 北のHow to その117
 在日コリアンの結婚式は、日本に比べて実に豪華なものでした。会場も、雰囲気も。写真を見た妻に言わせると「昭和の雰囲気がする」とのこと。
 もし呼ばれたらそう気負わずに。スーツでOK。ご祝儀も日本と同じ。会話もほとんど日本語でした。

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