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今年最後の桜

用事があり茗荷谷へ。
むか〜し、この駅で降り、てくてく歩いて働いていた事があった。
2週間くらい。
面接に行きその場で「女性かぁ。できるかなぁ。やってみる?」と言われ、元気に「ハイ!」と言って2週間くらいでクビになったのだ。
製本会社で、もうあまり覚えてないが、流れてくる本の中身を束ねてパレットに積み上げていったり、本になる前の大きな紙を束で、よっこいしょ、と移動させたり。
背が低いし、紙の束は猛烈に重いし、指は痛いしでヘトヘトだったけれど、働いていた人たちはみんなすごく優しかった。
タワシの指導を担当してくれた、名前は忘れたその人はカッカッカッとマンガみたいに嘘っぽく笑うのが癖だった。
教えてもらった事を復唱したり、うまい具合に作業をするといつも「そゆこっと(そういうこと)!」と独特なイントネーションで言ってからカッカッカッと笑った。
ヘトヘトで辛いがもう少し頑張ろうと思っていた矢先に「やっぱり体力的に無理だわ。申し訳ないけど」と言われて呆気なくクビになった。
クビという事実はショッキングだったが確かに体力は限界だった。
周りの人も急な展開に驚いた顔をしていたし、残念だと言ってくれて良い思い出だけを胸に去ったので、すっかりすべてを忘れていた。
播磨坂の桜並木は今日が1番見頃で人がわんさかいた。
晴天の下の薄いピンク色は風でひらひらと花びらを降らせていた。
酒に酔って騒ぐ人もなく、変な匂いもなく、いろんな人が笑いながら歩いていた。
運動会を観に来た大人たちみたいだった。
坂を降りたところで食べたトンカ豆のシュー・ア・ラ・クレームはビビる美味さだった。
え、桜の味しない?
真相はわからんがこれは絶対的にオススメしたい。
天気も良くあったかかったので散歩がてらに細い道を選んで歩きたおした。
昭和の家、作業場、坂道、親子、庭先の花。花。花。
こんなところに小さな店を出せたらいいなぁ、とニンマリする。
散歩最高だろ。

それではみなはん、また明日。
この場所で。

※このnoteはオンラインショップのブログ【DIARY - 徒然】と連動してます。
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