不機嫌には理由がある
対話をしている中で、「なんだか相手の機嫌が悪いな」と感じることがある。
私もちょっとしたことで機嫌を損ねることはあるので、「何か相手の気をとがめることをしてしまったかな」とちらり内省する。
ほんの少しのことが気に障るものだ。
不機嫌の正体
不機嫌になっている理由というのは、大きく言えば「思い通りにならなかったから」である。
予想が外れたことに拗ねているわけではないが、想定していた恩恵が享受できないとか、相手が喜ぶと思ったのに違った反応だったとか、自分がしたことに対して相応の見返りがもらえなかったと思うから不貞腐れるのだ。
反対に機嫌がいい時というのは「順風満帆」なときであり、思い通りに物事が進んでいるか、思いがけないラッキーに遭遇したときである。
ただ、人間はいちいち意識的に色々なことを考えているわけではないので、無意識的に想定していたこと、心に浮かべるまでもない自分の常識というものがある。
ここにズレが生じると、自分でも気付かないような「思い通りにならない」事態に陥り、「自分でも理由がわからないが不機嫌」な状態になる。
不機嫌を伝える必要性
自分が気づく範囲で、勝手に自分都合で不機嫌になったならその旨を伝えるのが良識ある普通の人間だ。
しかし、社会通念上「当たり前」なことであれば、わざわざ伝えてやる必要もないのかなと思っている。
例えば、何かをしてあげたにもかかわらずお礼の一言もない相手の態度を見るとムッとするだろう。
相手がまだ子どもで社会通念を知らないなら「お礼を言う」という当たり前を教えるが、相手は現代日本に生きる立派な大人。
「お礼の一言くらい言ったら?」なんて言われているようでは社会人失格である。
自分で悪い点に気づく必要がある。
「不機嫌に"なられた"側」は、自分が何かしてしまったのではないかと少しは懸念すべきであって、安易に「どうして不機嫌なの?何かしたなら謝るよ」などと言うべきではない。
(むしろその「気づいていない状況」が相手の不機嫌を助長する。)
相手がなんだか不機嫌だと思ったら、まず察することが大事だ。
本人が勝手に不機嫌になって黙っているという可能性はもちろんあるが、もしそばにいたのが君なら、原因である可能性が高いのである。
不機嫌の連鎖を断ち切る
自分の不機嫌にはなるべく気づくべきだし、それが身勝手な理由なら相手に伝えるべきだし、相手の不機嫌には自分に原因がないか考えるべきだ。
これができないでいるから、不機嫌に対して不機嫌になるという負の連鎖が起きる。
無闇矢鱈に身勝手な不機嫌を撒き散らす人というのは少なからずいるので、そういう人とはそもそも距離を取ってしまった方がいい。
そんな縁を保ち続ける理由はない。
どうしても距離を置けないなら、極力関わらず、相手の言葉を意に介さないことだ。
理不尽な目に遭って不機嫌を伝播させられる状態からは、何があっても逃げてほしい。
気分に侵されず、正しい判断ができる状態を保つことが、自分の身の回りの対人関係を良好にする。
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