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カタールW杯日本代表メンバー発表!

11月1日(火)14時に、カタールW杯に向けて日本代表のメンバーが発表されました。

メンバーは以下の26名。

GK:川島、権田、シュミット・ダニエル
DF:長友、吉田、酒井宏樹、谷口、山根、板倉、中山、冨安、伊藤
MF/FW:柴崎、遠藤、伊東、浅野、南野、守田、鎌田、相馬、三笘、前田、堂安、上田、田中、久保

概ね事前の予想通りというのが第一印象ですね。
強いて言えばFWで大迫を選ばなかったのが逆にらしくないというか、ある意味サプライズだったという気もします。

ネット界隈では賛否両論、というよりは否が大半を占めていますね。

以下は個人的な雑感になります。

GK選考~第3GKの位置づけ~

 GKは大方の予想通り川島、権田、シュミット・ダニエルの3人でした。これまでの予選や親善試合からすると権田が1stチョイスでしょうが、エクアドル戦でPKストップを含む活躍を見せたシュミット・ダニエルも遜色ないどころか序列が入れ替わっていてもおかしくないというのが現在の立ち位置でしょうか。
 川島はおそらくは第3GKという形になると思われますが、第3ともなると第1,第2GKが本戦中に故障したり出場停止になったりしないと出番はないので、それならばメンタル的なサポートも含みでベテラン選手を配置するというのは1つの考え方としてあるかもしれません。
 ただし、こうした選考だったとすると上位の2人を脅かす存在ではないというふうにも取れてしまいます。谷や大迫のような若手のGKを第3GKにしておくことで彼らの経験としてプラスになるだけでなく上位を脅かす存在として相乗効果的なものを期待できそうな気もしますが、そういう意図はなさそうですね。

DF選考~4バックが唯一の選択肢~

 DFはセンターバックに4人、左サイド、右サイドに2人ずつ、あとは現在故障中で様子見の板倉という各ポジションきれいに選んだという印象です。これは同時に中盤より前はともかく、最終ラインは4バックの1択であることを印象づけます。もちろんこれまでの予選や親善試合では4-2-3-1と4-3-3の併用でそれ以外のオプションがなかったことでも明らかではあるのですが、これで本戦を乗り切れるのかは不安です。
 ポジション別に言うと、左サイドは長友か中山が選ばれると思いますが、長友の場合はこれまでほとんど全ての試合で途中交代をしているので、本戦でも同様になる可能性が高いです。交代枠が5人に増えたのでオプションとして可能ではありますが、確定的にここで1枚切るというのが得策とは思えません。かと言って中山スタメンでフル出場も不安が残ります。伊藤を使うのが個人的には一番良いと思うのですが、森保監督の想定にあるでしょうか?
 右サイドは山根と酒井宏樹が候補でこちらは左サイドと比べるとどちらかの選手のフル出場も想定しやすいでしょう。右ウィングとの相性を考えると伊東のときは酒井、堂安だったら山根という印象です。
センターバックは吉田と冨安が1stチョイスと思われますが、吉田が現在所属しているシャルケでチーム共々不振が続いているのが心配です。冨安もチームではサイドバックを務めることも多くドイツ、スペインの攻撃を止められるかが問題となりそうです。

MF選考~寵愛を受ける柴崎・浅野~

 一番議論を呼びそうなのがMF選考でしょうか。
 まずはボランチですが2ボランチの場合は、遠藤と守田、3ボランチだったらそこに田中が加わった3人が1stチョイスでしょうか。攻撃的に行くのであれば鎌田をここに加えることもあるかもしれませんが、ドイツ、スペインを相手としたときにそういった局面は想定しづらいですね。あとはこれまでの起用方法で考えると柴崎が入ってくるのですが、ここのところの不調ぶりが気になります。守備的に行くのであれば柴崎よりも板倉や谷口を持ってきたほうが良さそうですし、攻撃的に行くなら鎌田でしょう。ユーティリティー性もあり経験もある原口よりも柴崎を選んだのはやはり不可解です。
 4-2-3-1の2列目では、左ウィングが三笘、南野、中央が鎌田、久保、右ウィングが伊東、堂安あたりを想定しているのでしょうが、他にも前田、浅野、相馬と他のポジションと比較して多めにメンバー入りしている印象です。とりわけ前田と浅野はどちらもスピードタイプでFWもウィングもということでポジション的にも起用方法としてもかぶりそうなのに両方選ばれているのには違和感を感じます。と同時に、森保監督の中では4-3-3すら奇策の部類で、4-2-3-1の1択になっている印象すら受けます。

FW選考~大迫落選が一番のサプライズ~

 日本代表のメンバー発表はここのところMFとFWを区別していないのですが、純粋にFWのみをポジションとして想定されているのが今回のメンバーでは上田しかいません。1トップを想定した場合には他にこのポジションに来るのが浅野、前田と、0トップ気味にするとした場合に鎌田や南野が候補に入ってくるかというところです。
 森保監督の戦術(?)というかこれまでの戦い方を見ていると、三笘や伊東のスピードを生かした突破からのクロスに合わせるというのが攻撃の糸口になっている印象ですが、それならば合わせられるFWが必要になります。これまでは大迫がその役を担っていて、三笘や伊東が台頭してくるまでは戦術・大迫と言っても過言ではないぐらいの戦い方をしていた印象でした。ところがアジア予選でも大迫は万全の状態ではなく予選突破に黄信号が灯りつつあったところで三笘、伊東の活躍でなんとか突破したという状況でした。その頃でも大迫は怪我しているときを除いて代表に招集されていたのに対して、ここにきて、大迫自身は明らかにその当時よりもコンディションを上げてきているのにも関わらず、落選というのは大きなサプライズでした。
上田もポストプレーやヘディングの強さはありますが、これまでの代表での試合や鹿島、現所属チームでの試合を見る限りあまり1トップ向きという印象はありません。大迫ありきの戦術を維持したまま、肝心の大迫を代表から外しているので、ここには違和感しか感じませんでした。

ぶれない男のブレブレの選考基準

 森保監督の戦術や選手選考についてはこれまでもかなり批判が多かったと思います。しかし、そういった雑音に流されることなく自分の信念を貫いているというのが正直な印象でした。9月27日のエクアドル戦以降、最終メンバーの選出の際に、森保監督は「まずは所属チームでチームを勝たせる存在として存在感を放ってもらいたい。所属チームでの活躍が自然と、代表の強化につながる」と言っていたのですが、その発言通りの選手選考がなされたかははっきり言って疑問です。
 先述の大迫は自身のゴールは9月のガンバ大阪戦が最後ですがその後もコンスタントに出場しJ1残留を確定させるのに貢献しています。今回大迫とならんでよもやの落選となった原口も所属チームのウニオン・ベルリンは目下のところブンデスリーガで首位で、原口もフル出場こそないものの貴重なクローザーとして途中出場でチームに貢献しています。
 それに対して今回は当落線上にいたと思われる柴崎は自チームで出場はしているもののチーム自体はスペイン2部で下位に低迷してますし、南野も新天地のモナコで十分に活躍しているとは言い難い状況です。もっともチームやリーグ、カテゴリーが違っているので単純な比較ができないのも事実ですが、同じチームで言えば、たとえば今回メンバー入りを前田の所属するセルティックでは有力視されていた古橋、旗手は落選しています。チームでの活躍、貢献度とした場合に古橋、旗手が軽視されるのは不可解な印象です。
 そして浅野が選ばれていることにも疑問が多いです。現在故障中で試合に出場はおろかトレーニングもできていない状態で、メディカルチェックではW杯本戦には間に合うとのことですが、間に合うと本調子で臨むというのはまるで意味合いが異なります。そのような状態にもかかわらず古橋よりも序列を上にしている理由としては、やはり過去に招集したときの活躍度ということになるのでしょうか。
 確かに古橋は森保ジャパンではそれほど活躍できていませんでしたし、浅野はゴールという結果も残しています。柴崎もここのところ代表では全く奮いませんがやはりかつての実績を考慮してという意味合いが強い気がします。旗手は代表では古橋以上にチャンスすらもらえずに失格とみなされてしまっている印象があり、ここもしっかりと判断材料が揃っていたのかは疑問です。戦術か、過去の実績か、現在の活躍度か、どれにウェイトを置くかが森保監督の中でもブレブレになってしまっている印象です。

怪我人続出で真価の問われる追加招集枠は希望となるのか?

 初戦のドイツ戦(23日)の24時間前までメンバーの入れ替えが可能ということで故障者が出た場合には入れ替えでの招集が可能ということになっています。現時点で選ばれているメンバーのうち、以下のメンバーが怪我を抱えています。

中山 アキレス腱負傷
浅野 右膝内側側副靭帯損傷 12日の所属チームの試合でベンチ入りを示唆
板倉 左膝内側側副靭帯の部分断裂 練習開始、W杯前のチームでの出場の予定なし
冨安 ハムストリングの負傷
久保 肩脱臼 所属チームの次の試合でのベンチ入りを示唆

 現時点で中山は手術が必要なほどの大怪我でもあり出場は絶望的です。浅野、板倉はギリギリまで様子見かもしれませんが、ここも本戦に間に合わない可能性があることも考慮に入れなければならないでしょう。

 中山の代役というかこれで左サイドは長友が1stチョイスとなることがほぼ確定してしまいますが、長友に3戦フル出場を想定しているとは考えられないので、もう1枚は確実に必要になる状況です。過去の出場歴でいうと伊藤は左サイドで出場したこともありますが、他には左サイドバックを務めた選手はおらず、所属チームで言えば今季はアーセナルで左サイドバックでの出場機会の多い冨安を起用するかといったところ。こうなると代わりに選ばれそうなのが、まずはサンフレッチェ広島の佐々木でしょう。彼もまた調子の波に関わらず代表に呼ばれ続けていて、広島枠だの愛人枠だの揶揄もされていますが、そういう雑音を置いておいても本来は3バックの左サイドが主なポジションで4バックの左サイドの適性という点では先述のメンバーより劣る印象があります。とはいえセンターバックのバックアップもできるし、森保監督がよく知っているということから追加招集の有力候補でしょう。
 他の候補としてはやはり旗手でしょうか。彼もまた本職はサイドバックではないもののかつての所属チームの川崎フロンターレで左サイドバックを務めたこともあり五輪代表チームでも同ポジションを務めた経験があります。ただドイツやスペインとの試合では劣勢になる時間が多いと考えられる場合に、攻撃的なタイプの旗手をサイドバックに起用するのはギャンブルとも言えます(この両者を相手にするならギャンブルをすべきとも言えますが)。
 左サイドに伊藤、冨安をコンバートする想定で行くと、センターバックとして想定されるのが吉田、谷口、板倉となります。板倉もまた怪我で状況が不透明なことから追加招集でセンターバックを選ぶ可能性もあります。この観点からも佐々木が最有力となりそうですが、現在スイスで活躍し出した瀬古というチョイスもあります。ただ9月のエクアドル戦では旗手とともにメンバー入りしながらも出場機会を全く与えられなかったことから、森保監督の想定にはない印象も強いです。
 浅野も間に合わなかった場合には中盤以前の選手が追加招集されそうですが、サプライズ落選の一人である大迫は先日自身の口でバックアップメンバー入りを辞退していることを表明していることからここから選ばれる可能性も低いのでしょう。となると浅野と同ポジションという観点では古橋が有力でしょうか。それともこれまでの実績やユーティリティー性を考慮して原口という選択も大いに有り得そうです。

苦肉の策でも良いから試してほしい布陣

 これまで森保監督は先述やポジションに合った選手を選んできていると言っておりますが、確かにそう思える部分もある一方でその説明だと通らない人選も多々あるという印象です。ということで、今回のメンバーならば苦肉の策で良いからぜひ試してほしい布陣が以下の2つです。

1.守備強度の高い4選手を最終ラインに並べた4-3-3システム

4-3-3フォーメーション

 4バックに伊藤、谷口、板倉(吉田)、冨安とセンターバックも兼ねるDFを並べます。現状よりも守備の強度が上げられる上に、伊藤、冨安はサイドバック経験もあるので前線へのビルドアップも可能でしょう。
ボランチには遠藤、守田を置き、トップ下に鎌田、3トップは三笘、上田、伊東でとにかく守ってカウンターを狙う形のフォーメーションになるかと思います。ただ板倉が間に合わない場合は吉田になるんですが、吉田がチームで思うように結果が残せていないのが気がかりなのと、センターバック候補がフル稼働になってしまうためそのバックアップが不足してしまいそうなのが難点です。
 攻撃は早めに三笘、伊東に預けてのカウンターか、最近活躍の目覚ましい鎌田に期待する形です。戦況次第で鎌田を0トップ気味に中央に上げ、久保や南野をトップ下に置くなどのコンバートもハマれば面白そうです。

2.ウィングにスペースを与えて勝負する3-5-2システム

3-5-2フォーメーション

 3バックにして伊藤、板倉(谷口)、冨安とします。中盤を3ボランチとして遠藤、守田と鎌田、左ウィングに三笘、右ウィングに伊東とし、2トップのシャドー気味に久保(堂安)と1トップを上田にします。これだと不調な吉田はセンターバックのバックアップに回すことができますし、守備時には両ウィングを下げて5バック気味にすることも可能になります。さらに守備強化をするならばボランチに田中碧を入れて鎌田をシャドーに上げることもできます。
 三笘、伊東のポジションはやや下がり目になりますがその分スペースを確保しやすく仕掛けもしやすくなる可能性があります。三笘自身はサンジロワーズでこれぐらいの位置でプレーしたこともありますし、伊東も大丈夫でしょう。他のメンバーを見ても相馬あたりはこれぐらいのポジションのほうがより適性がありそうですし、ここでも守備的に行くならサイドバックの選手をコンバートすることも可能です。長友や酒井あたりは運動量も疑問視されていますが、4バック時よりも求められる守備の強度は下がる分うってつけかもしれません。追加招集で旗手が選ばれたらさらに言うことなしです。
 そもそも森保監督は広島時代は3バックをやっていたんですよね。それが代表に来てここまで3バックのフォーメーションを全く試していないのは不可解です。お気に入りの佐々木も追加招集で呼びやすくなると思うんですがどうでしょう?

総括~見たことのない景色へ~

とまあいろいろ好き勝手書いてきましたが、結局のところは素人考えです。何年も見てきているプロの目の判断をもう信じるしかありません。前回大会でも急きょ就任となった西野監督がグループリーグを突破して、最終的に3位になるベルギーをあわやのところまで追い詰めたということもありました。選手選考でもスポンサー枠だ人気枠だと言われていた香川や本田を起用して結果も残しています。今大会だと柴崎や浅野、南野あたりは今の状況で選ばれるのに疑問を感じる人は自分も含めて少なくないとは思いますが、ぜひともその評価の手のひらを返させてほしいと思っています。
カタールでの開催ということでこれまでとはかなり変則的になりますが、それは逆に言えばこれまでどおりにいかないということでもあり、番狂わせの余地は十分にあると思います。
 そんな2週間後を楽しみにしております。

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