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【読書日記】10/29(約1050字)
今日はカルディに行って、ココナッツオイルやナチュラルチーズ、オーストラリアのビスケット、イタリアのチョコレートなどを買いました。糖質制限をしていると偉そうに言っていますが、洋菓子は食べます。あまり厳密になると、生きる楽しみが無くなってしまいます。ヘーゼルナッツ入りのイタリアのチョコレートが特に美味しそうです。
『しろうさぎとりんごの木』は、酒井駒子さんの絵に惹かれて図書館で借りました。酒井さんの絵は繊細で美しく、温かみがあるので眺めていると幸せな気持ちになります。
この絵本でも、毛布の中でうつぶせになって眠ろうとしているしろうさぎなど、本当に愛らしく描かれています。彼女はりんごを食べてみたいと思ったのですが、大失敗してしまいます。かなり痛そうな失敗です。でも可愛いです。失敗のことを知って大笑いするお母さんうさぎの姿が、ほのぼのとして楽しかったです。お母さんは優しいので、しろうさぎをちゃんと慰めます。
『ポケット詩集』は大好きな詩のアンソロジーで、これまで何回も読み返しています。私にとって良い詩は心の薬のようなものです。気が滅入っているときでも、好きな詩をいくつか音読すれば、ぱっと気持ちが明るくなることが多いです。
音読というのがみそで、黙読ではあまり効果がありません。音読すれば、言葉が本来持っている力を実感できるのかもしれません。今回読み返したら、大木実の「前へ」が心に響きました。
大木実 「前へ」
少年の日読んだ「家なき子」の物語の結びは、こういう言葉で終わっている。
―-前へ。
僕はこの言葉が好きだ。
物語が終わっても、僕らの人生は終わらない。
僕らの人生の不幸は終わりがない。
希望を失わず、つねに前へ進んでいく、物語のなかの少年ルミよ。
僕はあの健気なルミが好きだ。
辛いこと、厭なこと、哀しいことに、出会うたび、
僕は弱い自分を励ます。
――前へ。 。
自己啓発本などに書かれているポジティブという言葉には馴染めません。世の中には、どうしようもない悲しみがあるからです。この詩は「僕らの人生の不幸には終わりがない」と、この世の悲しみをきちんと見据えています。ただそうであっても、希望を捨てないで、前向きに生きていこうと読み手に呼びかけます。
繰り返される「前へ」という言葉には、作者の人間に対するいたわりと、優しさが込められていると思います。この詩からは生きるために本当に必要な勇気をもらうことができます。
優しい言葉で書かれた読みやすい詩ばかりが収録されているので、詩が苦手な方にもお勧めのアンソロジーです。
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