【1日1事例】行政と学校等との地域連携を「保育所等訪問支援」から紐解く -療育における理学療法士の役割り- #保育所等訪問支援 #療育 #地域連携

参考文献:行政と学校等との地域連携を「保育所等訪問支援」から紐解く -療育における理学療法士の役割り-
筆者:亀澤 康明
発行日:2018年
掲載元:理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1  (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
検索方法:インターネット
キーワード:保育所等訪問支援, 療育, マネジメント

【はじめに】
・地域包括ケアを進める我が国において、小児理学療法の分野も地域中心の医療・療育のニーズに応える形で、携わる理学療法士の数も増えつつある。
・また平成16年に制定された発達障害者支援法により社会の認知度は高まり、身体面・情緒面に対する理解と支援の輪は広まりつつある。
・ただし、平成28年度小児リハビリテーション実態調査報告書にもあるように、小児に携わるセラピストは理学療法士が最多であるが、地域連携における理学療法士の数は依然少ないのも現状である。
・中心的な役割を求められている理学療法士が、地域において学校や保育園等で療育に対するリハビリテーションマネジメントも含めた専門性を発揮する機会は年々必要性が高まっている。
・今回、当事業所のアウトリーチ型支援の導入と現状を伝えることで療育に対する興味関心を高める契機になっていただくことを目的とした。
【方法】
・保育所等訪問支援の認知度や実績は各自治体でも様々で、小学校等に関しては支援の内容を理解されていない現状にも直面する。
・また平成24年にスタートしたこの制度は某県においては自治体で約半数が未実施という現状からも、我々が保護者の権利として存在する訪問支援を円滑に進めるために、まずは行政や小学校等へプレゼンテーションから始め、必要性の理解と自治体としての導入をマネジメントしながら分析を行った。
【結果】
・1つの市では、今まで未実施であった保育所等訪問支援の導入を進めていただき、実際に4か所の小学校、1か所の中学校で訪問支援が実現した。
・検討中で未実施が2か所の小学校であった。他市では3か所の幼稚園、6か所の小学校、2か所の中学校にて訪問前のプレゼンにて実施可能となった。
・結果的には訪問前のアセスメントや説明にてすべての依頼のあった園や学校へは訪問支援を行う、または前向きに進めていただくことができた。
・本来の目的でもある保護者と学校側の距離を縮めるべく専門的な知見にて双方に寄り添うことができ、地域連携の担い手として現在も訪問支援を継続して実施中である。
【考察】
・専門性の理解を得ることで、理学療法士としてスキルミクスの中心で療育に携わる必要性と責任性が高いことを再認識した。
・今年度より乳児院や児童養護施設でも訪問対象となり、療育においては身体障害児へのアプローチ等は目的が学校側も理解しやすいため求められる分野でもある一方で、発達障害の分野では理解に乏しい現状があり、今後ますますの理解推進及びマンパワーの確保のための行動が必要とされる。
・これから国が推進する保育所等訪問支援等のアウトリーチ型支援は包括的なケアや相談支援が可能となり、受け入れる事業所数も増加すると予想される。
・伴って質の維持に向けた理学療法士等の専門性やプレゼンテーション能力等のマネジメント確保が急務であると考える。
調べた単語:「スキルミクス」
・多くの専門職からなる医療における各専門職の役割分担を見直そうとする国際的な動きのこと
・1990年代から医師、看護師不足に悩むOECD諸国で盛んになった
・日本語では「職種混合」や「多能性」
・当初は、資格、能力、年齢などが異なる人を混合配置することであったが、最近では医療チームにおける各職種の役割の補完・代替などにまで概念が広がっている

参考URL:

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_J-67_2/_pdf/-char/ja


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