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夏八木 秋成
2023年9月20日 18:12
前回のお話はこちら第一話とあらすじ10 薄いグレーのカーテン越しに朝の光が差し込んで、柔らかく部屋の中を包み込んでいく。 東京と違って、この辺りは5月でもまだまだ肌寒いから、私は眩しさに眉間を寄せながら毛布を顔半分のところまで掛け直す。 遮光カーテンにしてくれれば、あと2時間は眠れるはずだ。これから更に日の出の時刻は早まるのだし、すっかり夜型になってしまった私に朝日の目覚ましは強烈
2023年9月23日 14:45
前回のお話はこちら第一話とあらすじ11 母が休みの日は、なるべく一緒に昼食を取るようにしている。と言っても、私はいつも通り明け方に寝るので、昼ごろに尿意と空腹で起きるだけで特に生活リズムに変わりはない。 台所から忙しなく聞こえてくる料理の音をしばらく聞きながら、私は次第に増えていく左腕の傷を一本ずつ指でなぞった。東京にいた頃のものは大分薄れてきてはいるけれど、じっくり触ると盛り上がっ