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道草小噺⑨ミツバ

散歩するとついつい道端に生えている野草が気になってどこにも辿り着けない季節がやってきましたね。

今回は三つ葉、そう、お吸い物や茶碗蒸しなんかによく入っている、あの三つ葉です。

スーパーなどでも普通に売っているし、おそらく誰もが食べた事あるだろうし、野草とも思っていない人も多いのではないかと思われますが、三つ葉も野草です。

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いつもの野草スポットもドクダミやアザミやつくしと混ざって三つ葉がたくさん生えています。花は菫です、三つ葉じゃありません。ややこしくてすみません。前回の道草小噺で書いたように、菫もとても美味しい野草のひとつ。


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ひとつ見つけるとだいたい周辺に何株か発見できます。群生に出会う事も多々。
茎が赤みがかっているものと緑のものとあり、3月に入ると確実に出ていて、去年は5月も食べていたみたい。秋もまたちょっとだけシーズンがやってくる。


野生のものは市販のものに比べて茎が短いように感じます。

私は市販のものを買った事ないのですが、三つ葉はおそらく一般的には水耕栽培で茎が長い印象を持っています、そして値段も高い。

しかし、ミツバ、葉蘭と同じように結構な確率で古い庭で見かけます。
(おばあちゃん家の庭にもやっぱり生えています。毎年勝手に生えてくる、最高です。)

古い庭だけではありません。

山裾を歩いていると、遭遇する事も多くて、意外とかなり身近な野草なのです。

あまりにも身近すぎて取り立てて面白いエピソードはありません。

スーパーで売られているくらいなのでレシピも検索するとかなり出てくるはずです。

が、それはまぁ置いておいて、私の好きな食べ方を紹介。

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ミツバはなんとなくスモーキーな味わい(これ以外にどう表現したらいいのかわからない…)、と思っているので、一昨年の野草ディナーイベント”星屑と道草”では野草とテンペでとった出汁をつかってリゾットにしました(ヴィーガン)。スモーキーな味わい、つまり、イメージとしては鰹です。

ちなみに、上にかかっているのは粉チーズではなく、酒粕と米粉と菜種油で作った酒粕粉チーズ(ヴィーガン)と、自家製の桜の塩漬けです。


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そして、圧倒的に好きなのは、ノビルとミツバのチヂミ。
右下の四角い食べ物です。
(こちらは”星屑と道草”の時の前菜で、上段左から野草の生春巻き、野蒜のヌタ、真ん中はカラスノエンドウのお浸し、右下はテンペの南蛮漬け)

先日、一緒に野草摘みに行った友人に、ノビルとミツバのチヂミが好きだという話をしたら、市販のものは高いから贅沢使いはなかなかできないものだと言われて、ほぉとなったところ。

野草だからこその贅沢レシピのようです。

材料は、ミツバ・ノビル・米粉・塩・ごま油(他の油でもOK)・水だけ。

ミツバとノビルは3センチくらいにザクザク切って、塩ひとつまみと米粉をまぶして生クリームくらいの固さになるくらいまで水を加えて、フライパンに油敷いて生地流して両面こんがり焼いたらできあがり(お好みで醤油+酢+ごま油のつけだれを)。

ノビルだけでもチヂミ作れるし美味しいのだけど、ミツバのスモーキーな香りが入ると美味しさが急激にあがります。


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野草を食べる事は、自然の力をそのまま体に取り入れる事。

除草剤などには十分に注意しながら、この不安定な情勢だからこそ、生き抜く力のひとつとしてひっそりと野草ハントにでかけるのもいいのではないかと思っているのです。


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