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玉ねぎ。野蒜。五葷抜き。制限のある中で生まれる新しい料理たち。

木下実験室のごはんには、スーパーで買った野菜は登場しない。

野菜はぜーんぶ、農家さんから直接ゲットしたものばかり。

直売所でごくまれに買うことがあったとしたら、
それは知っている農家さんの野菜。

これは前職・ショップマドレ時代から変わっていなくて、
正直何度もめげそうになったけれども、それでもやはり
Farm to Tableのスタンスを貫いてきている。

年中あるイメージの玉ねぎ。

だけど、玉ねぎの収穫は年に1度。

だから、農家さんにこだわると、玉ねぎがなくなる時期が来る。

玉ねぎの収穫は確か6月ごろ。

だいたい年明けくらいには玉ねぎがものすごく希少な存在になる。

いくらほぼ年中保存できるとはいえ、物自体がなくなったら、もうない。

じゃぁなくなったらどうするのか?

①ねぎの世話になる。

玉ねぎと一番似ている野菜といえばやっぱり葱。

ということで、普通は玉ねぎ使うところを全部葱に変えてつくる。シンプル。でも、葱は、やっぱり、葱の味がする。

かわいいよね、葱坊主。小林ファームさんの畑(5月くらい)。


②野蒜の世話になる。

そこで登場するのが、野蒜。

そう、野草の出番です。

2016年の春。収穫。


野草歴は気がつけば9年。

特に、野蒜は一番最初に知った野草のひとつなので、野蒜との付き合いは長い。

野蒜というのは、ほそ〜〜〜〜い葱みたいな見た目の野草で、根元には小さな玉ねぎのようなものが付いている。そのコロンとしたかわいい部分が分蘖して増えていく、それが野蒜。

味わいとしては葱とニラの間のような、そんな感じ。味的には葱よりも好き。

玉ねぎがなくなる頃はだいたいニンニクもなくなっているので、ニンニクの代わりとして、玉ねぎの代わりとして、野蒜は大活躍する。なので、もしものためにも(?)野蒜スポットは何箇所か持っていて、そしていく先々で野蒜チェックをしてしまう(これはただのクセです。)。

しかし、野草なので、当たり前なのだけど自分で採集しないといけないし、下処理が割と面倒。それでも、Farm to Tableであり、地産地消を目指している限りは、そして単純に野蒜が好きである限りは、今年も野蒜が大活躍間違いなしだね。(いつか野蒜のレシピ集とか出したいくらいだよ)


③五葷抜きレシピに変更する。

五葷抜き。英語ではOriental Vegetarianと言うらしい。

五葷というのは、玉ねぎとかニンニクとかエシャロットとかそういうユリ科っぽい匂いの強い野菜のこと。

宗教によっては、これらは不浄であるとしてとらなかったりもする。

五葷抜きのごはん。むっちゃ美味しかったんだよなぁ〜@Channon Market(シャノンマーケットは裸足の人がむっちゃ多かった。)


オーストラリア旅時代に好んで通い詰めたHare Krishnaのごはんも五葷抜き。そして、私がテンペに出会った場所も、Ananda Margaというスピリチュアルコミュニティで、五葷抜きヴィーガンの食生活をベースに毎日ヨガと瞑想とキールタンの生活を送っていた。

Hare Krishnaのごはんもとーっても美味しくて、テンペと出会った場所で過ごした6週間も毎日本当にご飯が美味しかったので(しかも、心も体も最高に快適だった)、帰国後も「五葷抜き」の食にしばらくハマっていろんなレシピを勝手に開発していた、苦しみながら(誰にも頼まれていないのに)。笑

苦しむんだったら、玉ねぎ使ったらいいやん!ていう話なのだけど、ヴィーガンにしてもグルテンフリーにしても地産地消にしても、制限のある中でいかに美味しいものを作るのか、が一つのテーマとしてあり続けているため、どうしても臨んでしまうのだ、望まれていなくても。

これはHare Krishnaのごはん。ブリスベン。All You Can Eatのスタイルなので、要は食べ放題。右上のKofta Ballにやたらハマった。デザートもある。2008年〜2009年の旅でHare Krishnaのごはんにはまり、ロードトリップの途中で見つけることがあれば必ず立ち寄って、2014年に再びオーストラリアに来た時も1番最初のご飯(写真)はHare Krishnaと決めていた。そしてその後も食べまくる。笑 だって美味しいんだもん。(ちなみに、お気に入りはByron BayにあるThe Cardamomn Podというお店。滞在中に通いつめる。)

そうすると、違う世界が開けるのだ。
”この料理には玉ねぎが必要だと思ってこれまで作ってきたけど、意外となくても十分美味しいぞ?”と。

今でも五葷抜きの需要はないけれど、いつか五葷抜きリクエストが入ることを、勝手に心待ちにしている。

ヨガとか瞑想とかの会の時にぜひ、木下実験室のお弁当を♡

うふふ。


<おまけ>

”I think I'm so educated and I'm so civilized
'Cause I'm a strict vegetarian”
て出てくるという関連性だけで、大好きなこの曲を。
(五葷抜きは関係ないね。)

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