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翻訳にまつわるあれこれ

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翻訳について、翻訳者としてのあれこれなど
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#仕事について話そう

女流とかセクシュアリティとか

女流とかセクシュアリティとか

原文中に引用があった場合、すでに世に出ている(定着している)日本語訳があれば、それに倣うことにしている。

ここ数日も、図書館で同じ本の違う版を3冊借り、分厚い3冊からたったひとつの文を探していた。

その本は女性作家の日記で、当時彼女は30歳前後。恋愛のこと、承認欲求のことが多く記されている。私も昔はこんな感じだったかもな、などとも思うけれど、それだけに、同族嫌悪というか、忌避したい気持ちになる

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分泌業

分泌業

誰かが、「文筆業は分泌業」といっていた。

これはすごい名言だと思う。文章を書くということは、自分からなにかを分泌するような行為だと思っている。

これも誰かの言葉だけど、「鶴の恩返し」の鶴が羽を抜いて機を織るような気持ちで翻訳をしている、というのがあって。

それはわたしもよく感じている。身を削って紡いでいくような感じ。好きでやってるから、つらい、苦しいというわけじゃないんだけど。白紙に文字を埋

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