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ボールってすごくね?

昔からスポーツは不得意で、特に球技というものに関してはとんと才能がなく、ボールは友達だとか言っている大空翼くんとはどうも友達にはなれなさそうだし、おそらく多くの方がボールの大親友であろうプロスポーツの試合はあまり観ません。

が、ここ数年、プロ野球だけはたまに視るようになりました。主にサウナおよび銭湯の脱衣場のテレビで、なのですが。

別に贔屓のチームがあるわけでもなく、選手にも詳しくない。とりあえず大谷翔平さんはすごいというくらいの知識しかなく、未だにボールとストライクの判定の違いがわからず、「え?あれストライクじゃね?」「え?そこで走っちゃって大丈夫なの?」と意表を突かれる始末。

実際にそれを決める審判の仕事というのは大変らしく、最近は直前に録画したものをスローモーションで再生して判定を決めるということもあるそうですが、「え?いつバッター替わったの?」と言っている注意力が散漫な自分なんかがもし引き受けたら大変なことになるだろうな……、と勝手に妄想してどぎまぎしています。

とはいえ、投げたボールをバットに当てて走り、ホームランを飛ばせればバッターが場内を駆け周り、無事に一周してベースに戻ってくれば大盛況、というのは観ていて心地好い。

ここのところはどのスタジアムも声を出すのは禁止のようで、メガホンでの歓声というのはありませんが、その時に活躍している選手の名前を大きく書いた横断幕が客席から掲げられた時には、○○選手マジ良かったよブラボーという気分になる。

ブラボーというのは野球で使わなさそうだし、サッカーでも長友選手しか使わないかもしれませんが、なにぶんスポーツに疎いもので、他に適切な表現が思いつかない。

まあつまり、野球とは面白いものだなあ、ということに最近になって気づいたのです。

そんなもん正岡子規先生は100年以上前に気づいていたわけですが、ぷらーなはぼんやりと生きているので、令和になってから知ったのです。

さらに新たに気づいたことがあるのですが、ボールって凄くないですか?

何が凄いって、ただの球形の物体でありながら、あんなにもバリエーションが豊富であることが凄い。

硬球、軟球、サッカーボール、バスケットボール、テニスボール、ゴルフボール、ラグビーボール、バレーボール、ボウリングボール、ピンボール。

スポーツの経験に乏しくても、ググることなくこれだけの数がすらすらと出てくる。

好き嫌いや所有の有無は別として、これはもはや、米や茶、布団や炬燵、スマホや定期券のごとく、生活に根ざした存在であるといえる。

好き嫌いは別として、とさっき書いたように、翼くんや長友選手や正岡先生のように大好きになる必然性はないが、ある程度の知識は備えておくべきなのではなかろうか。

ボールの歴史はかなり長く、古代ローマ時代にはすでに存在していたという。

日本、アメリカ、ヨーロッパでその起源はそれぞれ異なるが、初期のボールは動物の毛や羽を布や革の袋に詰めたものが主流で、射止めた動物を食うついでに遊ぶか、というノリだった模様。

狩った動物の毛や羽で武装するというモンハン的な発想ではなく、みんなで遊ぼうぜという発想だったのが興味深い。

どの時代にも、ボールに夢中になっている間は誰もが戦のことを忘れ童心に立ち返っていたのではなかろうか。

スポーツで一致団結みたいな考え方は個人的にはあんまり好きではないが、スポーツがあることによって平和が生まれるという事象は実際にそれなりにはあったのかもしれない。

偉大なる存在、ボール。

生まれてから今まで、いくつのボールを見てきただろう。自分の中でいちばん古いボールの思い出はなんだろう。

と思い返してみると、おばあちゃんちの庭が脳裏に浮かびました。

うちのおばあちゃんちは中学校のグラウンドの真裏にあり、野球部のボールがよく庭の中に飛び込んで来たのです。

そのたび、おばあちゃんは、またかいな、みたいなことをよく言って、おまえも将来、あんなふうに部活に入るんだよ、よう見とき、的なことも言いました。

その言いつけを守って、というよりも、庭から見える景色がグラウンドだけなので、その後もしょっちゅう野球部を観察していたのですが、その野球部はどうもかなりスパルタらしく、毎日のように誰かがこっぴどくしばかれており、将来あんな部活には絶対に入りたくないな、と思いました。

自分のスポーツへの嫌悪感が生まれた原因は、不得意だからというのもあるけど、元はといえば、あれだろうなあ……。

ただ、グラウンドの高いネットを越えるホームランがあんなに日常的に出ていたということは、実は強豪校だったのかもしれない。

なんにせよ、スポーツはやる方も観る方も楽しくありたいですね。もうすぐプロ野球も開幕します。どなたか自分にボールとストライクの見分け方を教えてください。

サウナはたのしい。