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短編小説1000字2つ目

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1000字くらいの短編小説です
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2024年11月の記事一覧

短編小説 ロンサム・イマジネーション

 痒かった。風呂上がりは血流が良くなるので特に痒かった。義雄は首筋を掻きながらスマホの画面に見入っていた。
 LINEのトーク画面を開き、眺めた。別れは会ってしたい、と善男は言い、七海はもう別れたの一点張りである。大方七海に好きな人が出来たとか、そんなものなのだろうが義雄の怒りは収まらない。別れを文字で済ますなど人として間違っていると思う。しかし七海の家まで会いに行って、家族に警察でも呼ばれたらと

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