見出し画像

「双極性障害」からの回復⑤ カウンセリング

「楽に生きるために実行した事柄」というと少し堅いのですが、私を救うものを常に探している日々だったので、ピンときたものは時間がかかっても試していきました。私に有効だったことを試した順に記録していきます。(定期的な通院・服薬は前提です)

カウンセリングは、最初から通っていたわけではなく、治療中断を経て再開後に初めて行きました。カウンセリングに行きたいなと思ったのは、元々色んな方の意見を聞きたいと思う性格なのと、自分一人でもがいていてもラチがあかないというか前に進んでいかない実感があったんだと思います。

初めてのカウンセリング

1ヶ所目は2012年春から7カ月通いました。最初の主治医の紹介で、40〜50代位の女性カウンセラーさんの個人ルームで受けていました。

内容はいままでの経緯やいまの様子を支持的に傾聴したり、自律訓練法を施術?したり、家でもできるように教えてくださったり。
このカウンセリングでは、体調のモニタリングを教わったことが一番大きかったです。これはいまでも続けているので、詳細は次の記事で書きます。

行かなくなった理由は、良い方向に変化する実感があまりなかったことと、私の心の深い部分を掘っていくには物足りないと感じたというのが率直な思いです。ただ、その思いを直接カウンセラーさんに伝えなかったので、率直に色々相談できていたらまた違っていたのかなと、いま振り返ると感じました。

本格的なカウンセリング

2ヶ所目は2015年秋から始めました。当時の職場の同僚にアルコール依存症を克服された方がいて(断酒を継続)、その方の紹介でした。アメリカの資格を持った50代の男性カウンセラーの方で、外来カウンセリングの他にアルコール依存症や摂食障害の方のための回復施設を運営されていました。

毎回最後に課題を出され、それができたら次の予約を取れるというシステムだったので、中々課題が進まない私にはストレスになり、結局3回目の課題が終わらないまま半年後にフェードアウトしました。課題の中身は、幼少期からいままで両親としたやりとりを細かく振り返っていくものが主でした。

ただ、このカウンセリングをきっかけにセカンドオピニオンをやってみようと行動を起こし、結果的に「双極性障害(II型)」という認識が私の中ではっきりできたので、一つの転機になったかなと思います。
また、課題をやることで「いつも正解を探す、正解があると思っている」「人を変えられると思っている」「自分と他人との境界線が曖昧」という考え方・物事の捉え方のクセの指摘を受けて、そういうものが自分にあるんだ、と自分で気づく最初の体験になったのではと感じます。

いまはこの考え方・捉え方のクセに対して、「自分を縛り、他人を縛り、考えなくてよいことを考えストレスを増やす」、私を苦しめる思考だと気づくので、そういう整理ができる土台を作ってもらったのかなと思います。

主体的なカウンセリング

3ヶ所目は、2017年秋にネットで調べ、主治医とは別のメンタルクリニック併設のカウンセリングルームに行きました。中断もしながら結局1年半通いました。
ネット上の日本うつ病学会のガイドラインに、双極性障害の治療は薬物療法だけではなく心理療法(精神療法)もやると効果的、というようなことが書かれていたので、やはりカウンセリングで専門家の力を借りながら進んだ方がよいだろうという判断でした。

20〜30代の女性カウンセラーの方(臨床心理士)で、私が疑問や質問を伝えると、必ず「伝えてくださりありがとうございます」と言われるのが印象的でした。「私も意見を言っていいんだ」と安心したし、主体性を後押ししてもらえるように感じました。そういう雰囲気があったので、今回は以前の失敗を活かして、どうカウンセリングを進めるか何度も確認・相談しました。

内容は、認知行動療法を軸に、体調のモニタリングや症状について改めて心理教育をしてもらったり、アサーションやスキーマ療法などやってみたいことを色々試していきました。その中で特に私の力になったのは、コーピング(ストレスに対する対処法)と思考記録表でした。

コーピングは、症状が出たときにどう行動したらよいかを自分自身であらかじめ用意しておくこと。写真にあるように、私の場合は単語帳に一枚一枚書いて、出先でも持ち歩きどこにいても症状が出たときにすぐ見るようにしました。

画像1

画像2

うつ状態と軽躁状態の2パターン。まず症状が出始めるサイン(前駆症状)を洗い出し、それぞれのサインに対して自分がどんな対処行動を取れるか、具体的に何個も上げていくと、私だけに有効なコーピングリストができます。「この単語帳がある。ここに対処法がある。」とわかるだけで安心につながりました。

「思考記録表」もとても役に立ちました。私が教えてもらったのは7コラム法。ネガティブなぐるぐる思考に飲み込まれるといままではただ流されていたのが、辛い時にこそ、その思考がどんなものなのか記録し客観的に見つめる作業をする。モヤモヤしたり考え込んだらまず書き出してみる、という習慣がつきました。

ワークブックなどで1人でもできますが、私はそもそも1人だと中々違う見方ができなくてドツボにはまるので、カウンセラーさんに見せてフィードバックをもらえたことが力になりました。「反証」が一番難しかったのですが、「もし悩んでいる親友に言葉をかけるとしたら?」というアドバイスをもらってからは、視点を変えて考えることができ、思いつけるようになりました。

画像3


卒業のタイミング

3ヶ所目のカウンセリングの最後の方は、カウンセラーさんに話したいことや相談したいことが無くなりました。カウンセリングの時間がいまの自分には必要なくなったんだな、というすっきりした気持ちでした。色々教えてもらったことや共有した時間を経て、その時間がなくてもなんとかやっていける自信がついていました。
また必要になればまた通えばいい、いまはそんな気持ちです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?