性を売らざるを得ないということ

昔、どうしても困って市役所に行った時「ここに来ないように #note https://note.com/pug_32/n/n6084005e2072

昔、どうしても生活に困り市役所に行ったことを思い出した。

生活福祉課はそれなりに来訪者がいて、それまでのイメージと異なり慣れない活気があった。

他人がいる中で申請や相談をするのかと思う簡易な作りで長テーブルに丸椅子が並んだ中、テーブルを隔てて来訪者と職員で結構混んでいた。

立ったまま用件を聞かれ、申請に来たと答えると「初めから申請?何で?」と言われた。それなりに調べられることは調べ、医者にも相談した上でのことだったが、その時の窓口の男性は相談でなくいきなり申請というのが気に入らないらしかった。

この福祉課にも問い合わせた上なのだけど。。どこで何をどれだけ調べたのかと次々聞かれるので答えるが、彼の言いたいことは「最初から受給目的で働く気もなく楽したくて根回ししたつもりだろう」という意味合いだった。

「あなた若いじゃないですか。中には夜のお仕事とか、ちょっとアレだけど風俗とか、稼いでここに来ない人もいる訳ですよ、そういう仕事も探しましたか?」
「やれとは言ってないですけれども、探す気は無い訳ですか」
会話のやり取りで答えても繰り返される風俗や夜のお仕事。

「それをどうしても選ばないと駄目ですか?」当時私は30歳を過ぎていた。
「そこまでして困らないと申請出来ないのですか?」などが私の主な言葉だった。

「そうですね」「いや絶対やれとは言いませんけど」「そこまでしてる人もいる訳ですよ」「夜とかね、体をというのもなんだけど…給料高いじゃない」

医者に生活保護しかないとアドバイスされる心身の人間にこれを言うのだ。今は違うと食い下がる人もいるかもしれないが、当時の私は言われたし、この日は申請出来ず帰されている。

ちなみにこの時の市町村では条例で風俗は経営自体が違法で、アダルトグッズや成人指定の自動販売機も設置自体が違法。よって(←?)夜の仕事が今で言うキャバクラやホステスならまだしも風俗を遠回しにでもほのめかしやれというのも法的にどうなのだろう。

今も市町村どころか県の条例で風俗店や成人指定の本やグッズのお店は経営出来ない。どうしてもそんなお店に行きたい人は隣県に行かねばならない。

「そうは言っても、やってる人はいる訳ですよ」何故お前は女なのにやらないの?と何度も聞かれた。

女性なら体を売るまで申請出来ないのか?職種として接客業というけれども、適職として合わない人間もいれば心身の不調で出来ない人もいるでしょう。

こんな押し問答をしなければならなかった。

「いやね、うちも多いんですよ母子世帯。」←だから何だよ。
「隠れてやられるのが困る訳ですよ、こっちも働ける時間帯決まってるから夜は調べられないし」←それはあなた達の事情であって、受理もされない市民に関係なくね?
何故か愚痴混じりの「申請するな」メッセージを聞かされた。

平日朝8時~夕方17時まで‘しか’働けないから土日祝日は目を光らせられないとか、逆に市民から言えば職探しして育児もして通院もして土日祝日が利用出来ない不便極まりない中行ったんだけど。

とにかく女性は夜の仕事や性を売っても困らなければ申請に行ってはいけないらしかった。そんな訳ないでしょ!

今はコロナの影響でどう変わったか知らない。

子供もいて、心身ぼろぼろで、医者にアドバイスを受けて、所持金が幾らで、と問い合わせもして、その間職探しもして、それでもこういうことがあった。

そういう過去を時々思い出す。

その時の窓口にいた男性は今も市役所にいるのを見掛ける。見掛けるたびに思い出す。

世間では20代でも後半になるとオバサンだ劣化だ売れない誰も買わないと散々言ってるのにね。窓口ではまだ若いことにされるのね。

私はまだ言い返せるから良かった。言えないまま「それまで税金を納めていたにも関わらず」「他人様の税金で食わせてもらうことになるから」「自分のケースワーカーの手を煩わせてしまうから」「申し訳なく思え」など刷り込まれて押し戻された女性なら今も生きているだろうか。健康を取り戻して文化的に。

夜の仕事も、風俗も心身とも健康なやりたい人がやるならまだ良い。医者に生活保護しかないよと言われた人が行った窓口で職員が言うのは良くない。

「誰でも受けられる」「雇用保険からの生活後、仕事が見つからない健康な人も受けられる」と謳っているのに「健康でしょ?」「若いでしょ?」からおかしくね?とみんな言える人ばかりでもない。私は言えたけれど、申請しに行ったのに出来なかった。

ちなみに私は母子世帯でも病気や怪我が理由だったので傷病世帯に入ると後で知った。

言えない人、言えずに帰るしか無かった人が老若男女問わず漏れなく生きててほしいと私は願う。

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