見出し画像

恐れ不知を見透かす窓-呪詛/咒/Incantation

チャート作成時のルール

  1. その映画の製作国

  2. 製作国での公開日で作成

  3. 時間は9時で統一

これらを取り入れて、その映画の持つ性質を読んでいきます。
そして私の感想と。

また、ネタバレも含まれます。

恐れ不知を見透かす窓 ふたつ

私、NetflixよりU-NEXT派なんです。
Netflixは自社のものが多いのと、検索が非常にしにくい。偏りが激しいと思うんですけどね。
U-NEXTは最新映画が多いので、映画好きだけど出不精の私にはぴったり。月額料金は高いけど、そのポイントで最新作が見られるのでそんなに高いとは思わないかな。最近ポイント高いものが増えてきてるんで、それはちょっとと思うのと同時に、もうすぐ潰れるんじゃないかという一抹の不安も。

そんなわけで、今回これを見るためにだけ入りました。
この映画(以下、呪詛表記にします)が公開された頃に少し話題が入ってきてて、予告を見た時にもう絶対見る!!と思ってました。
そのまま忘れてましたが、Netflixでの公開と同時に各SNSでも非常に高評価ですね。

今回、こういう「SNSで高評価」というものについてもいろいろと考えるところがありました。
結局私たち、日本人て世間の評価に流されるんだよなー…。
なんなんだろかこれ。
お金貰って宣伝でもしてるんか?って疑うくらい、普段怖いのに慣れてそうなアカウントも「すごくすごく怖かった!」って書いてたんです。

私的には怖さは結構低いよ。5段階だと2くらい。
普段ホラーを全く見てない人には怖いかもしれない。それは画面の暗さとか、虫とかぐちょぐちょ、そのせいもあると思うけど。

ただ、怖さ的にはそうだけど全体評価は4。
それは、呪いというものが現代にもありそうだと思わずにはいられない土着信仰の雰囲気がとてもよかった。日本のホラーに近い、空気のジメジメ感だけでもう恐怖心は作り出されます。

人間の言葉はすべて呪いに成りうる。
自分につけられた名前が最初の呪いでしょう。
それは親からの祈りであり、そうなろうと枷になる呪い。
よく耳にする引き寄せの法則なんかも呪いの一種で、欲しいと思ったものに対しては持っていないという意思が働き、より得にくくなるというルールがある。なので、私は持っていますという呪いで意識を縛るわけだ。
日本には言霊という概念もあるわけだし。
昔は呪いも祝いも全部まじないだった。良いも悪いも、言葉を使う動物だからこそ人間は、言葉によって色んな感情を生み出す。

そして、今日本でも悲しいかな、話題に上がっているカルト宗教。
日本人は無宗教と言いつつ、実は色んな宗教をかいつまんで生きている人が多い。
かくいう私も、神社巡りは好きだ。だけど、神様の存在はあんまり信じていない。占いなんかもギリシャ神話の神様が出てくるんだけど、神様が生々しく書かれたそれらの神話は、人間が作り出し人間が書いたからだと思えば合点がいくと思っている。だからこそ面白く、とても興味深いんだけど。

先日、この神様の存在を感じた出来事をTwitterで目にした。
ある屋台カフェを経営していた方のTwitter。
その方はそのコーヒーをある神様の名前で呼んでいた。(猿田彦珈琲があるけど、そんな感じの名前)
で、その神様を祀ってある神社でお店を出させて貰っていて、インスタなどで話題になりお客様が増えた。すると、その神社は場所代として契約料を吊り上げてきたわけだ。

まあ、神主さんだって人間なわけで欲に塗れてる奴なんて掃いて捨てるほどいるとは思う。生臭坊主とか言う言葉もある。
そんな人に神様的罰はどう当たったのか。

カフェが閉店となった。

欲を出さなければ、一緒に盛り上げて行けたのにね。
って、お話かと思うでしょ。でも、罰が当たったのは神主だけじゃなかったんよね。

カフェの経営者は、ちゃんとした許可を取っていなかった。
屋台でやるには平日の週何日みたいなのが決まってたらしいのに、儲けのために土日も開けていたわけです。
※少し前のことなので、ここら辺の流れとか細かいとことかは虚覚えです※
ご本人は、もっとこの神様の名前を世の人に伝えたいから、と仰っていましたが、清廉潔白にとはいかなかったのは何故なのか。

神様は等しく罰を下す。
お願い事は叶えてくれないのにね。
お参りしてもお願い事をするのは失礼と言われているし。

神様には厳格なルールがあるってことを感じたお話でした。

そして、ルール違反には恐ろしい罰を無慈悲に与えていくよっていうのがこの映画のお話。

咒/Incantation


Incantation (2022) Netflix

咒/Incantation 呪詛
監督:ケヴィン・コー
製作国:台湾
公開:2022年3月18日(台湾)
ジャンル:ホラー

かつてある宗教施設で禁忌を破り、呪いを受けたリー・ルオナン。そして6年後、あの時の呪いが今度は自分の娘に降りかかったと知り、必死で我が子を守ろうとするが...。

Netflix


咒「じゅ」「のろい」「まじない」など「呪」と同じ意味です。
この名前からしても、そしてまじないの時の手の形からしても、ホラー好きには最後のオチが読めていたんではないかなと思うのよ。
そんなわけで、巷で言われているほど怖くはなかったです。

この手ね、「裏拍手」そのものやん

あと怖くなかった理由は、もう一点。
今までのホラーの使い回しが非常に多かったこと。

壁を向いて立つ人。
これで激怖かったと思う(今も思い出すと怖い)のはブレア・ウィッチ・プロジェクト
隅に立ってる人ってほんと怖い。

あとは、呪怨だったり貞子だったりを思い出した次第。

COSMOchart

ASTROSEEKより

太陽

・魚座
スピリチュアルのお話。
・11ハウス
前回に引き続き、エレクトロニックを示すとすれば映画そのもの。
・海王星とコンジャンクション
海王星には、惑わすという意味がある。
この映画は時系列がバラバラで、まさしく観客は目眩しにあっているわけです。また、下でも書きますが非常に「嘘」の多いお話だった。
・5ハウスの月がオポジション
太陽をこの作品その物だと見た時に、月はこれを見る観客となる。5ハウスは娯楽。台湾で非常に人気が高く史上最高の興行収入というのはこれらが示しているように見える。

・乙女座
自分ルールがかっちり決まっているサイン。
・5ハウス
上記にも書きましたが、娯楽のハウス。
また、子供の話というのもここ。
・冥王星トライン
冥王星は死を表す。また、オカルト。
主人公の冷静な顔から始まる動画。非常に直感が優れている感情。
また月は母親を表し、冥王星はカリスマ性を帯びているので冷徹な女リーダーとも読める。
主人公のことか、急に車をのぞき込んできた怪しいおばばのことか。

この冥王星には海王星が援助の配置。
心霊現象などはこれが表している。
月はもともと霊性が宿るので、呪詛という映画は月、太陽は映画としての立ち位置として読めるのが面白い。
また全体の配置はバケット型。
月がこのチャートの中での先導となる形です。
最初から最後まで、主人公は霊性に動画を紡ぎ出して皆に見せて、同情を買っていたというところが、肝なわけです。

その他

金星火星コンジャンクション
恋愛系では非常にロマンチックになるものの、さすがに呪詛上ではそうはいかない。お相手もなくなっちゃってたし。
ここは、激しい情熱・気性と読もう。
母の想いはただ一つ。子供を救う事。
そのためなら、どんな化け物が出てこようとどんな卑怯な手を使おうと母は突き進むのです。
呪詛にさえ突き進むのです。
そして、これらに12ハウス天王星が干渉。
予想がつかない天王星の作用によって恐怖に陥れられる。
・魚座海王星水星コンジャンクション
このお話自体を如実に表しているのがこの二つの天体。
水星はお話。それを広げる木星。
そして魚座は惑わせたりぼんやりしたりする。
これらから、嘘を拡散させていくと出ている。
ホームビデオで撮ったあれこれ、呪いにかかった経緯や呪いの内容をYOUTUBEに流して「私の娘のためにみんなで一緒に祈ってほしい」という、最初からの一連の流れが嘘だった。っていう映画そのもの。
この手の形も呪いの印だったわけです。
・ASC牡牛座
牡牛座は価値感を表すサインであり、ここにはお金という意味も含む。
台湾で最も収益の高い2022年の映画となったいます。
また、ここにドラゴンテイルがコンジャンクション。
ということは、反対のDCにはドラゴンテイルが。
これは自分の弱さを知っている事から、裏で人を操ることに長けている人物とも読める。
この映画を見ている私たちは、主人公が見せたい部分だけを見せたいようになぞらされていたわけなんで、まんまと手中にはまったということですね。

終わりに

使いまわされまくった手法が多々出てきたことから、見ているといくつもデジャブを感じました。
最初にハードルを上げ過ぎたというのも理由かもしれません。

この世界観で、USJのホラーナイトとかあったら是非行ってみたいとは思いました。虫はやめて欲しいけれど。

心霊などに対する怖さの耐性がつきすぎて、今や虫の方が恐ろしい。
そういえば、夏はおばけも虫も季節もの。
電気量を抑えるように言われているこの夏に、ホラー恐怖症の方にはいい冷気代わりとなるかもしれません。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?