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「モノタロウ」はグローバルDX企業?

当サイトは製造業の方々向けにインタビュー記事を掲載しているWebメディアです。ソリューションやサービスの提供元へのインタビューはもちろん、実際に製品やサービスを導入した側へもインタビューしています。

ものづくり関係の方々はおそらく知らない人はいないと思いますが、モノタロウさんは間接資材のB2B向けEC通販サイトを運営されています。

工場のどこかにこのロゴの入った段ボール箱が1つや2つはあるのではないでしょうか?インパクトのあるキャラクターは「モノタロウ侍」という名前なのだそうです。なんとゆるキャラグランプリにも出ています。

知名度向上のためには工夫を惜しまないモノタロウさん、テレビCMはもちろん、ラジオCMにも力を入れておられます。関西地区と関東地区でFM/AMにCMを入れています。関東地区ではTBSラジオやJ-WAVEにCMを入れておられます。どこかで耳に残るCMソングを聞いたことがある人もいると思います。曜日別特売の歌とか、研磨剤の歌とか、切削工具の歌とか・・・・

さらに、「大阪魂」「男前」といった独特のブランドを設定し、PB(プライベートブランド)製品に使っています。大阪魂を設定した当時は本社は大阪でしたが、その後兵庫県尼崎市に移転されていますので、今は「尼崎魂」じゃないかと思いますが、語呂は「大阪魂」のほうがいいかもしれませんね・・・

しかし、そんなイメージとは裏腹に、モノタロウさんはDXをフル活用するIT企業です。ホームページを検索するといろいろな事例が出てくるのですが、KARTEというCXプラットフォーム事例企業として知られており、データマーケティングを積極的に進めています。さらにIBM Campaign/Unicaというマーケティングオートメーション(MA)ツールも活用しキャンペーンメール配信を行っています。さらに商品情報管理システム、注文管理システムなどさまざまなITシステムを導入し効率化を図っています。

モノタロウさんが茨城県に設置している笠間DC(ディストリビューションセンター)では自律搬送型のロボットを新たに270台投入することで、庫内スタッフは歩く必要がなくなったというのです。労働生産性は1.5倍に向上し、出荷能力は従来の約2倍になったそうです。

それもそのはず、モノタロウさんの採用情報を見ると、AI技術者、データアナリスト、デジタルマーケティング、UX/UIスペシャリスト、ITエンジニアといった、IT企業のような求人がたくさん並んでいます。

さらに、「モノタロウ」という名前にこのサービスが日本ローカルなものだと思っている方も多いと思いますが、実はモノタロウさんは世界に名を轟かすグローバル企業です。

もともとは米国の大手店舗型ホームセンター企業グレンジャーと住友商事の合弁として設立された会社です。その後、住友商事の株式をグレンジャーが買ったため、今はグレンジャーが大株主になっています(有価証券報告書によれば2020年12月現在50.34%の所有株式数割合)。グレンジャーはその後モノタロウさんを参考にしてZoro.com(ゾロツール)という通信販売サイトを米国で立ち上げています。日本のノウハウを米国に活用したわけです。

そして、モノタロウさんは韓国でNAVIMROという名称で同様のサービスを展開しています。インドネシアでも展開しています。ASEAN各地にも日本から配送するサービスを展開されています。英語のサイトでも”MonotaRO”と記載されていますので、日本語のモノタロウのままですよね。なぜROだけ大文字なんでしょう。

いずれにしても、モノタロウさんは米国、韓国、インドネシア、ASEANとグローバルに展開する間接資材EC通販サービスの会社だったんですね。

さらに、モノタロウさんは中小企業向けだけではなく、大手企業向けには、ITの仕組みを活用し、「間接資材集中購買サービス」も展開されています。

日本のものづくり企業を支える会社の一つだと思うのですが、ITやDXを積極的に進め、グローバルのものづくりを支えようとしている会社なんですね。

モノタロウさん、ぜひものづくり新聞で取材させていただければと思っています。


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