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移住者だからこそ感じる対馬市への溢れる思い~子育てと公務の両立に奮闘する日々~

農業改良普及センターの臨時職員、ケーブルテレビのアナウンサーなどの民間企業を経て、平成24年10月から長崎県対馬市役所に入庁された内山(うちやま)さんに、現在のお仕事内容、職場の様子などについてお話を伺いました。

—はじめに、自己紹介をお願い致します。

内山:私の出身は兵庫県で、大学卒業後は福岡県にある、旅館やホテルの食品衛生指導をする民間企業に勤めていました。その後、長崎市にある農業改良普及センターの臨時職員として採用されました。そこで、公務員の労働組合の書記の募集があり、周囲の推薦を受けたこともあり6年間ほど働きました。

労働組合は県本部だったので、色んな方と交流をもつことができる場でした。このタイミングで夫と出会い、対馬市へ移住することになりました。公務員試験は社会人枠で受験し、平成24年10月から市役所で働いています。

移住当初は対馬市のことが何も分からなかったので、情報を仕入れたいと思いケーブルテレビのアナウンサーにもなりました。働きながら対馬市の情報がどんどん入ってきて嬉しかったですね。

—配属について教えてください。

内山:はじめは企画を行う地域再生推進本部に配属されました。1年ほどの勤務で産休・育休を取得し、復帰後は農林・しいたけ課に異動し農業を担当することになりました。

その後、令和3年度以降は人事課に在籍し、会計年度任用職員の給与計算、任用や退職の手続きなど全般に携わっています。

会計年度任用職員の制度自体の歴史が浅く、毎年何かしらの制度変更が行われている状況であり、その制度変更に伴う対応に配属以来ずっと取り組んでいます。

—課の体制や仕事内容について教えてください。

内山:課長1名、所属職員4名の5人体制です。所属職員の内訳は、課長補佐が1人、係長が2人、新人が1人になります。仕事内容について、課長補佐は人事評価や職員の制度手続きを担当しています。

係長は職員と会計年度任用職員の給料計算などを担当し、新人は福利厚生関係や健康診断などを担当しています。

—働き方や残業などについて教えてください。

内山:日中は電話対応や窓口業務対応がメインとなることが多いです。そのため、予算関係の仕事や給与関係の仕事は時間外に行うこともありました。現在は周りに助けてもらったり、増員があったりと少しずつ改善しています。

残業についてですが、メリハリをつけているものの、定時に帰ることができない日はあります。残業の日は、家族の協力を得て調整しています。自宅に帰れる日は、まだ保育所の子供がいるので、19時半までには家族に夕食を食べさせてあげたいと思って動いています。

もちろん、残業がない部署もあります。

—民間企業と公務員の働き方の違いはありますか。

内山:公務員は法律など例規に従って動く部分があります。一方、ケーブルテレビのアナウンサーをしていたときは、ふわっとした雰囲気で自分任せという感じでした。

—対馬市への移住や暮らしについてお聞かせください。

内山:対馬市は結婚が決まって初めて訪れた場所でした。集落に住んでいるのですが、島民は穏やかな方が多く、私や子供のことを快く受け入れてくださり生活しやすいです。

高級料理店のようなお店はないのですが、海の幸や山の幸がとても美味しいです。私は対州そばと穴子が好きですね。

民泊関係の仕事を担当していたときに、色々な家を訪問させて頂いたのですが、温かいおもてなしを沢山受けました。お料理も素朴ですが新鮮でとても美味しいです。とにかく、島のお母さん達のもっている加工技術が素晴らしいです。

また、対馬市を経由して遣隋使や遣唐使を派遣していた歴史があったり、本島には生息していない植物や昆虫がいたり、対馬市にしかにないものが山ほどあります。

対馬海流の恩恵を受けた盛んな漁港もあるほか、渡り鳥の中継地で珍しい鳥がみられるのでバードウォッチングのために対馬市にいらっしゃる方もいます。対馬市にはまる移住者も多いですよ。

—対馬市のおすすめスポットはどこですか。

内山:烏帽子岳のリアス式海岸です。この場所は360度見渡せる展望台があり、他にはない絶景が広がっています。あとは、私自身が挑戦してみたいと思ってる霊峰白嶽トレッキングです。

対馬市に住み始めて10年くらいですが、まだまだ見きれていない見どころが沢山あります。

ちなみに、対馬市は南北に広がっていて、東京23区と同じくらいの面積です。

—対馬市に移住し、実際の生活はいかがですか。

内山:不便を感じたことはなく離島感はありません。スーパーや空港も近くにあるので困ったことはありません。ですが、船が欠航してしまうと物資が運ばれてこないため、店頭には何もない状態になります。今はネット注文ができるので普段の生活で困ることはないですね。

—子育てをする環境は整っていますか。

内山:整っていると思います。保育料が3歳児から無償化され、園児の給食費もかかりません。医療面については、子供は一回の診察費の上限が800円までと決まっています。また、二回以上受診しても、月の上限は1,600円と決まっているので、1,600円以上の自己負担はありません。

また、対馬市は6町が合併しているので週末には多くのイベントが開催されています。体験イベントでは、シーカヤックやトレッキング、自然観察やレザークラフト作りが体験できます。赤ちゃん向けには、ベビーマッサージやヨガがありますよ。

意外と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、陸海空の自衛隊が揃っています。子供が小さい公務員の方は、対馬市への異動とともに一家で転勤されてきていますね。

転勤族の方は、対馬で御近所だった方と転勤後も交流が続いている方もいます。子育てに適した環境だと思います。

—印象に残っている仕事を教えてください。

内山:過去に長崎物産展に椎茸を売りに派遣された経験がとても楽しかったです。こういう経験を積めるのも良い環境です。

—対馬市への応募を考えている人にメッセージをお願いします。

内山:民間のために行政がしっかりとした基盤を作らなければと頑張れる方であれば、やりがいもありますし、自分自身の仕事を楽しいと感じてもらえると思います。自分で企画を立てて熱い思いを伝えれば、どんどんチャレンジさせてくれる職場です。

例えば、対馬名物でもある対州そばを守っていくための企画や、民泊についての受け入れ体制を構築するなどの案です。

民泊については、受け入れ側も、外へのアピール体制も整っていませんでした。そのため、事務局を民間に移して、国の補助金を申請し、ホームページを立ち上げたり、受け入れ窓口を一本化するなど、民間と一緒になって取り組みました。

大変なこともありましたが、色んな人との出会いがありとても良い経験でした。対馬市民との繋がりを持て、公務員だからこそできる仕事だと思っています。

対馬市は離島のため課題先進地域と言われていて、他の地域よりも過疎化や高齢化が進んでいるという問題もあります。また、漂着ゴミは日本一多く、有害鳥獣も増えています。すごく困っている面があるのも事実です。

しかし、対馬市の魅力的な面を活かしながら、もっと対馬市をいい場所にしていきたいと思っています。「一緒に対馬市を楽しくしたい!」と思ってくださる方にぜひ来ていただきたいです。

子ども達に未来ある対馬市を残してあげたいという思いがあります。対馬は何か起爆剤があれば、大いに変わる可能性があります。課題解決に向けて動いている島民の方々もいらっしゃるので、活動の小さな芽は色んなところで出はじめています。行政も一緒になって盛り上げていきたいと思います。

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年4月23日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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