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「久米島の子なら大丈夫!」そう言われる学習支援を~沖縄県久米島町~

沖縄県久米島町で高校生向けの町営塾「久米島学習センター」で働く加藤さんと、高校魅力化コーディネーターとして働く小楠(おぐす)さんにお話を伺いました。
また、後半では久米島町での教育にまつわる地域おこし協力隊事業を統括する小楠さんから、プロジェクト全体についてのお話も伺っています。

—これまでのご経歴を教えてください。

加藤さん:高専を卒業後、国家公務員として就職。静岡県や沖縄県など、いろんな土地を転勤しながら働きました。そこでご縁のなかった沖縄で働いた時、地域で働くことにとてもやりがいを感じまして。

それで、沖縄に住む方々の力になりたいと思い、2023年4月から地域おこし協力隊として久米島で働くことになりました。

—現在のお仕事について教えてください。

加藤さん:私は久米島高校魅力化プロジェクトの1つとして設立された「久米島学習センター」という町営の高校生向けの塾で、スタッフとして働いています。生徒が町営塾に来るのは、学校が終わった夕方4時過ぎごろ。日中は、それぞれの進路や学習進度に関する情報をスタッフ間で共有したり、事務作業の時間に充てています。

町営塾では、一般的な塾の一斉授業形式ではなく、主に一対一での個別指導を行っています。自主学習に来る生徒さんもいますよ。

学習センターでは、大きくわけて3つの分野の仕事があります。

1つめが、学習指導です。国語や数学などの一般科目を生徒さんと一緒に勉強しています。明日は模試があるので、今日は模試に向けた学習をサポートする予定です。

2つめが、進路指導。主に大学や専門学校を受験する子どもたちに対してサポートをしています。

3つめは、「ちゅらゼミ」という課外活動です。小人数のグループを作り、島を舞台に大学のゼミのような探究活動に取り組んでいます。

ーどの業務がメインなのですか?

3つの仕事にすべて携わっているのですが、最も特徴的な業務は課外活動である「ちゅらゼミ」だと思っています。

「ちゅらゼミ」では、年間を通して1つの研究テーマを探究しています。こういった活動は、学校の総合的な学習の時間で取り組めないこともないのですが、学外での課外活動は先生方の引率など負担も大きいものです。

ですから、学校ではできないことをより自由度の高い町営塾で経験してもらって、子どもたちの可能性を広げてもらえたらと思って取り組んでいます。

—これまでのプロジェクトで取り組んできたことを教えてください。

加藤さん:今は「ちゅらゼミ」で、スタジオジブリと久米島の関係を紹介する「久米島×ジブリ」展示会の開催に向けての活動をサポートしているところです。実は、久米島にはジブリと関わりのある施設があるのですが、あまり知られていません。

「知名度を上げるために、まずは島内に周知していくことから始めたらどうだろう?」という生徒の発案から、この取り組みが始まりました。

久米島町は決して大きくはない島であるものの、住民の数は少なくありませんし、「高校魅力化プロジェクト」の活動に関してみなさんはとても協力的です。ですから、観光産業のホテルの方にお話を聞きに行ったり、サンゴの保全活動をしている方に環境問題についてお話を聞いたりなど、島の資源を活用した学びをサポートしています。

基本的には生徒さんが自主的に進めているので、我々スタッフは自転車に乗る練習をしている子どもを後ろからそっと支えてあげるというイメージ。子どもの視野をもっと広げてあげるのが自分たちの役割だと思っています。

学びの先にどういった形で子どもが社会に貢献できるのかを考えて動くというのがスタッフ内の共通認識です。試行錯誤しながらやっています。

—仕事のやりがいを教えてください。

加藤さん:生徒さんの成長に触れられた時にはやりがいを感じますね。学力が伸びたり、ゼミ活動を通して新たな発見をしているのを見るのが嬉しいですね。

夏休み期間中は普段よりも時間が取れるので、島の方にお話を伺ったりと、通常の放課後ではできない取り組みを行いました。生徒さんたちが新たな発見をしているのを間近に見ることができたので、とてもよかったです。

—これからどんな方と一緒に働いていきたいですか?

加藤さん:高校生向けの塾ですから、教科の学習指導ができる方だとスムーズに仕事を始められるのではないでしょうか。社会人経験のある方は、課外活動の「ちゅらゼミ」などでも、これまでの経験が活かせると思いますよ。

ーそれでは、小楠さんには同プロジェクト全体についてもお聞かせいただけますか?

小楠さん:久米島町地域おこし協力隊は「高校魅力化プロジェクト」の名のもと、及部さんご夫妻が務める学習支援スタッフ、加藤さんが務める町営塾スタッフ、離島留学生(久米島島外の中学校から久米島高校へ入学した生徒)の寮のハウスマスターという3つのセクションに分けられています。


私は昨年度ハウスマスターとして参画し、2023年度の夏よりプロジェクト全体を統括する「高校魅力化コーディネーター」も兼務しています。

ーそれぞれのセクションの関係性はどういったものなのですか?


小楠さん:和気あいあいと、楽しく働いています!ただ、普通に働いていると各セクションのメンバーが顔を合わせる時間はないため、意図的にメンバー間でコミュニケーションの場を増やすように心がけています。

「どういう想いで参画しているのか」「魅力化という名のもと、どんなことができるのか」「与えられているタスク以外にできることはないか」など、忘れがちな初心の中に大切なことが含まれていると思っているので、思いを話す時間は大切にしています。

ー今後はどういった方を求めているのですか?


小楠さん:「離島暮らしをしたい」「沖縄の海に魅せられた」という沖縄の圧倒的な魅力である環境面の理由に加えて、子どもたちのために思い描いているものがある方に来ていただきたいと思います。

塾や学習支援の業務と聞くと教員免許が必要だと思われるかもしれませんが、及部さんの記事(※公開後、リンクを入れる予定です)でもある通りおっしゃる通りそこにはこだわりません。私も楽器奏者、プロフェッショナルライフコーチといった経歴から今の仕事をしており、他にも薬剤師、スポーツインストラクターなど世代もバックグラウンドも多様な方々が協力隊として活躍されています。いろいろな世界を見てきた親や先生以外の大人に囲まれて暮らすというのは、子どもたちにとって大きなメリットとなるのではないでしょうか。

「高校魅力化プロジェクト」は今年で10年目。当然ながら発足当初とはビジョンもミッションも変化しています。良いところは大切に守りながら、新しいことにもチャレンジしていきたいですし、私たち大人がチャレンジする姿を子どもたちにも見てほしいと思っています。

「失敗はない」ということをプロジェクトメンバーと共に子どもたちにも伝えていきたい。そこに共感していただける方と一緒に働きたいと思っています。

ーありがとうございました。

この記事は2023年10月30日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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