女性とピアノ~いつでも全力をだしきれる社会のために
みなさん、こんにちは。ピティナで「Enjoy!Piano」「Keep on Music」などの取材記事の執筆をしています、二子千草です。
この度、ユニ・チャームのマーケティングをされている長井千香子さんにお話を聞く機会を得ました。
ご本人のピアノとの歴史、そして今のお仕事のお話を伺ううちに、ハッとする、を通り越して、ある種ゾッとする気持ちにも襲われました。
生理とピアノ。
ピアノを何年も弾いてきた女性のほとんどが、この問題に直面しているはずなのに、なんて自分は、この問題を問題として認識してこなかったんだろう、と。
ーいや、正直、本当は自分も困っていたはず。思い返せば、そんなことはいくらでも思い出せる…。けれど、「何とかしなきゃいけない問題」だとは思っていなかったのだと思います。
そんな風に、半ば諦めていたから、「問題」にはならないと思いこんでいたのだと思います。
その癖は、ほかの人に弾いてもらうお仕事を始めてからも抜けていなくて、そうした視点で準備や配慮をしたことが、ほとんどなかったことに気づきました。
参加者の約8割が女性というこの業界にいながら、その大部分が遅かれ早かれこの問題に直面するというのに、まるで、これまで誰も困ったことがなかったかのように過ごしてきたことに、愕然としました。
「声が上がらない」から問題がないわけではなく、「声を上げられない」ことにこそ問題があり、そうしたことにこそ、アクションが必要なのじゃないかと思いました。
どうしても人にオープンに相談しにくい内容であり、個人差も大きいけれど比べにくく、人に相談できずに抱え込んで、我慢するしかないと思い込んでいる人が多いと思います。生理や商品、薬に関する知識も、最初の頃のままストップしている人たちも多いのではないでしょうか。
どうしたらよい、という解決策がクリアに見つかる問題ではないけれど、まずは、今までスルーされていた話題に対して、「困ってるって言っていいんだよ」という雰囲気を作り、色々な方のお話に耳を傾けることから始めてみよう、と思いました。
あなたが困っていることは、ほかの人も困っているかもしれない。
あなたが困っていることは、あなたが言わないとほかの人には分からないことなのかもしれない。
こうした視点を指導者や運営側、保護者が持つことで、悩める思春期の子どもたちを救えるかもしれない。
少しでも多くの声をいただけたら嬉しいです。
◆アンケート「ピアノ指導・演奏と女性特有の悩みについて」
(文・二子千草)
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