VHSのビデオテープ
妻は宝塚やディズニー映画が好きで、昔集めたVHSのビデオテープとビデオデッキで、それらを見るときがある。
私は、新し物好きで、音楽はカセットテープよりもiPodやiPhone、PCで聴くもの
映像は、ビデオテープよりDVD、ダウンロードやストリーミングで見る物だと
そういう時代になったのだと思っていた。
ビデオテープ、カセットテープは、古くさく不便なもので、何一つよいものがない、いずれなくなると、バカにして見下していた。
その証拠として、自分の周りには、ビデオやカセットテープはない。
ほとんど捨ててしまったのだ。
妻と結婚し、一緒に生活するようになってから、妻がビデオデッキとビデオテープで、古い映像を見ている時、はじめは呆れかえっていた。
何、時代遅れのことやってんだと
しかし、デジタルの一つ一つ細かく美しく描写される映像や、一つ一つの音が鮮明な音楽を聴くことに慣れた今
こうしたアナログのビデオテープのぼんやりと見える映像や、ぼんやりとした音が、妙にレトロで懐かしく、心に優しくゆっくり響き心地よい。
昔、住んでいた、古いけれど居心地の良かった実家に帰ってきたような気もちになる。
それは、なんだか不思議なことだ。
しかし、そう感じるのは、私たち人間そのものが、不確かで不透明で歪なアナログからできているからでは、ないだろうか?
人間は進化の過程で、より無駄なものを削ぎ落とし、洗練していくデジタル的スタイルになっていった。
より便利になり、はやくなり、快適になった。
けれど、何か物足りない。
そう感じている人は多いと思う。
その足りないものは何かに目を向け、大切にしていくことが、幸せに生きるためのヒントになるのではないだろうか。
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