当たり前のことに気づくことが難しい(マインドフルネス•セルフコンパッション研修1日目)
二日間のマインドフルネス • セルフコンパッションの研修を受けてきた。講師はカリフォルニア大学サンディエゴ校Center for Mindfulnessのハースのり子先生と岡山県精神科医療センターの佐藤嘉孝先生( http://mindfultherapy.jp/2019/10/10/staff/ )。
これまでずっと「何かを無理に変えようとすること」はなんか違うんじゃないかなぁ、ということを考えていた。どんなに強く変わりたい、と願っても、変えようとした瞬間に抵抗は出てくるし、特に人の信念や価値観はすぐに変わるものではないと思う(それがその人を守ってきた側面もあるとも思う)。どんなに自分を苦しめている習慣(考え方とか行動とか)と分かっていても、無理に変えようとする/されると、悲しい気持ちに圧倒されると思う。これまでの自分の生き方の少なくとも一部が否定されるような感じがするから。
そんな中でマインドフルネスに出会って、これで私の違和感が少し緩和されるのかなぁ、と思った。マインドフルネスは「今、この瞬間に、意図的に、判断せず、気づきを向けること」(カバットジン ; 詳しくはこちらへ http://mindfultherapy.jp/2019/09/30/about-mindfulness/ )。アメリカで作られた心理療法で、科学的効果も認められている。仏教的な考え方からインスパイアされた心理療法がなぜかアメリカで作られて、欧米で絶大な支持を得ているのは不思議なことだなぁ…
ともかく、そんなわけで、大学院時代からせっせとマインドフルネスの勉強したり、ワークをしたりしてきたけど、がっつりと2日かけてマインドフルネスを体験するのは初めてだった。
1日目はボディースキャン→Film鑑賞→食べる瞑想→歩く瞑想→Movement瞑想→自分への手紙→普通の瞑想で終わり。それぞれのプラクティスの後は参加者同士で体験をじっくり共有した。
●痛み×抵抗=苦しみ
講師の先生は自分も長年実践を積み重ねてきた人たちで、安定した大木のようなとても落ち着いた人たちだった。だから安心して、焦らず、じっくり自分の体と心に向き合うことができた。とにかく、自分の体や心の状態に「気づくこと」、それから、その状態を価値判断しないで、ただそれと「共にいること」、の繰り返しだった。ただそれだけのことだったけど、普段複雑に色々と考えすぎてるので、シンプルなのが心地よかった。痛いところとか、不快感とかが出てくることもあった。そういう時は、ただそのままにすること、無理に自分のものにしようとしないこと、そこにスペースを与えてあげることが大事、と言われた。必ずしも痛みそのものが苦しみになるわけではない、と先生。痛みに、「嫌なもの」とか「取り除かなければならないもの」という価値判断が入るから、苦しみになる。ただ、その価値判断を無くす必要はなくて、それに気づくことが大事なんだ、と。
●そういえばそうだった。
1日目の半ばで講師の先生にこの動画を見せてもらって、最初に出てきた考えが、そういえばそうだった、だった。
https://m.youtube.com/watch?v=jNVPalNZD_I
どうしても私は、何かを達成しないと、何か意味があることをしないと、と躍起になることが多い。そうしないと、自分には価値がないような気がしてしまって、知らないうちに何かを達成することに一生懸命になりすぎてる時もあると思う。今、自分が持ってないものを手に入れようとし続けていると、終わり見えない。いつまで経ってもゴールの見えないマラソンを走り続けているかのような感覚になることもある。講師の先生に、この動画を見せてもらって、1日目のマインドフルネスのプラクティスを終えて、そういえば、今、もうすでに、大事な瞬間をいっぱい持っているなぁ、と心から思えたのが嬉しかった。そういえばそうだったなぁ。
#マインドフルネス #カウンセリング #セルフケア #心理学 #自己理解
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?