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言葉に頼りすぎない (Don’t be overdependent to a word)


人は沈黙が怖く、つい喋りすぎてしまう事がある。

心を許している相手であれば、沈黙も苦ではないだろうが、そうでなければ沈黙は少し耐え難いものかも知れない。

それはまさにカウンセリングの現場でも起こりうる。

相談に来られたクライエントの多くは考えがまとまっておらず、どこからどう話せばいいか分からなくなっている。

絡まった糸のように、どこから手をつければいいか分からなくなっているのだ。

なので、彼らは時間をかけて話を伝えていきながら、時々言葉が出てこない事がある。

心の奥にある思いや感情を言葉にする事ができないのだ。

なので、カウンセリング中、沈黙になる事が多い。

その沈黙に耐えきれなくなってしまうのは、実はカウンセラーの方である。

どうにかして言葉で間を持たせたり、早く喋れというプレッシャーを無意識のうちにかけてしまっている。

しかし、カウンセリングにおいての沈黙はものすごく大事なものである。

クライエントが黙り、沈黙の間、クライエントの中では葛藤が起きている。

どうにか、思いを言葉にしようと、必死に言葉を探している。

そして、頑張って引っ張り出した言葉で発せられた言葉によって、クライエントの方はまた新しい気づきを得る。

自分自身で新たな気づきを得て、絡まった糸を解いていく事がカウンセリングにおいてはなによりも重要である。

なので、それを邪魔してはいけない。

沈黙も大事なフェーズである事を忘れてはいけない。

ただ、それでも慣れるまでは沈黙は居心地が悪い。

僕もカウンセリングを始めたての頃は沈黙が嫌で、なんとか質問をして埋めようとしていた。

向こうが黙ってしまうと話を変えてしまうこともあった。

今思えばそれが一番よくなかったんだろうなぁ、、、

しかし、常々言っているように、クライエントの悩みはクライエントの物だし、その答えはクライエントの中にしかない。

クライエントはカウンセリングの中でそれを見つけ出そうとする。

僕たちはそれを取り上げて、こっちの力で解こうとするのは間違っている。

僕たちがするべき事は、そうやって闘っているクライエントを見守り、寄り添う事である。

そこに決して言葉はいらない。

僕もそうだったが、相談を受けた時になんて声を掛ければいいか分からずに困る事があるだろう。

そんな時は声をかけなくていいと思う。

言葉なんてなくていいと思う。

ただ、言葉はないけど、そばにはいるよっていう雰囲気が一番安心できるんじゃないかなと思う。

そんな沈黙であれば、僕は良いと思う。

言葉に頼りすぎない。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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