見出し画像

感情がどのように生まれるかについての議論

感情がどのようにして生まれるかの議論は昔から心理学者の中で長く行われている。

現在、有力な説は3つあるが、どれが正しいかという決着はついていない。

僕は普段から、人は感情に勝てないと言っている。

例えば、スケジュールを立ててもそのとおりに出来ないのは、その時の感情に流されてしまうからである。

思考で感情を抑えつける事は出来ない。

また、感情は意思決定にも影響を与えている。

これを「ソマティック·マーカー仮説」といい、我々が意志決定をする際には、合理的で思考ベースでなければならないにも関わらず、ある程度感情によって変化していると述べている。

そんな大きな影響を持つ感情がどのように生まれ、どのようなメカニズムを持つのかを理解しておくことは大切だと思っている。

まず最初に提唱されたのは、ジェームズ=ランゲ理論という「抹消説」である。

これは外部の刺激を受けたときに、感情より先に身体的反応が現れるという理論である。

すごく簡単に言うと、「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しい」という理論である。

これは五感や四肢などに繫がる末梢神経から先に反応するということから「抹消説」と言われている。

この理論を証明する有名な実験は、ペンを咥えてコメディアニメを見るという実験である。

唇で挟むように咥えると真顔に近いような表情になる。一方で、歯で噛むようにして唇に触れないように咥えると笑うときのような表情になる。

この2つの状況で同じ物を見ると、歯で噛むように咥えているときのほうが感じる面白さが増強された。

まさに「笑っているから面白い」である。

この理論に反対して提唱されたのがキャノン = バード理論である。

伝え忘れていたが、ジェームズやランゲ、キャノン、バードというのは提唱した人物の名前である。

キャノン=バード理論は、抹消説と比較して、中枢説と言われている。

この理論では、外部刺激を脳の視床という部位が受容したときに、それがその付近の部位に伝わり、その結果として身体的反応と感情が同時に生まれるという理論である。

脳という中枢神経から身体に伝わるため中枢説と呼ばれている。

この理論はまさに「楽しいから笑う」の理論である。

全く真逆の理論なために議論が続いていたが、そこに折り合いをつけるために新しい理論が提唱された。

それがシャクター=シンガー理論である。

この理論では「認知」を重要視している。

が、これまで説明すると長くなるので次回にしようと思う。

感情がどのように生まれるかについての議論。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?