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読書感想文

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読んだ本について、考えたことを書きました。
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2021年2月の記事一覧

ダイエット幻想ーやせること、愛されること 磯野真穂

ダイエット幻想ーやせること、愛されること 磯野真穂

 痩せている方がかわいい、かっこいい。いつからそう感じるようになったんだろう。

 磯野真穂の「ダイエット幻想 やせること、愛されること」(ちくまプリマー新書)は、周囲からの評価に囚われて、ダイエットする人たちの話だ。

 この本では、ダイエットの前に「自分らしさ」には他人が必要という矛盾から話が始まる。「他人のことを気にせずに自分の道を進んでます」という顔をしながらも、「他人に評価される能力や特

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リベラルとは何か−17世紀の自由主義から現代日本まで− 田中拓道

リベラルとは何か−17世紀の自由主義から現代日本まで− 田中拓道

 高校生のとき、政治経済の授業を取っていたけれど、政府の経済政策も、国際問題のニュースも、いまいちよく分からない。選挙になると、どうやら投票率を上げた方がいいらしいので、投票所に行く。でも、政治と僕の距離は、遠く離れた親戚の叔父さんぐらいある。どうやって関わったらいいのか分からない。分からないことだらけで、気づけば衆議院議員の被選挙権まで得てしまった。これが、僕の政治経済の知識の限界だ。

 これ

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ありのままがあるところ 福森伸

ありのままがあるところ 福森伸

鹿児島にある福祉施設、しょうぶ学園。
知的障害者のための、大規模な入所施設。

「入所施設」と知らなければ、おしゃれな博物館か公民館、あるいはただの公園と勘違いするかもしれない。本当にいい場所だと思う。

この本「ありのままがあるところ」が出版される少し前に、偶然しょうぶ学園に見学に行き、著者である福森氏の話を聞くこともできた。

当時残した自分のメモを振り返ると、概ねこの本に書かれたことを生の声

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