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「自分の困った」に助けを求める〜発達障害支援から見えた社会のこと
本日、1年間通った大人の発達障害のカウンセリングが最終日でいったん卒業となりました。
とりえず言っておきたいのはこれ↓
1. 東京都発達障害者支援センター(通称:TOSCA)
臨床心理士によるおとなのADHDの相談を無償で受けられます。
http://www.tosca-net.com/
こちらは都の施設で、わたしはここから区の施設を紹介されて同じ世田谷区にある「発達障害相談・療育センターげんき」で月に1回(後半は2ヶ月に1度)カウンセリングを受けました。
1年通ってみて、だいぶ落ち着いて考えられるようになりました。すごい助かった!
2.発達障害・・でどうする?!
2017年にADD (Attention Deficit Disorder:注意欠陥障害)と診断されています。詳細はこのあたりに↓
とくに起業してみると、知らないこと、わからないことが多すぎるし、組織的にカヴァーされてきたものが全部外れるので課題が多すぎてボーゼンで、当然そんなところで「うまくいく」わけでなく、
昨年抑うつ状態がひどくなりました。それまでも、知人の産業カウンセラーの方にカウンセリングは定期的に受けていたのですが、発達障害をふまえた専門的な臨床心理士による相談が必要と別の知人にアドバイスをいただいて見つけたのがTOSCAでした。
3.ADHDのカウンセリングはなかなか受けられない
心療内科で診断は受けられますが、カウンセリングは保険点数が低いと聞いています。他の通院されている方にも話を聞くと十分な時間は取られず、投薬が中心みたい。
このような専門の施設では1時間しっかり時間をとってもらえます。私の場合は投薬よりもSSK(Social Skill Training)が必要と言われ、人との距離の取りかた(考え方)を中心にすすめていただきました。
月に1回1時間、時間を決めて話すのは生活のリズムをとるのにもよいきっかけになりました。利用は無料です。
4.発達障害は特徴か?
わたしはどっぷり昭和の人間で「周囲と価値観を合わせる・フリをする」ことが常態化していました。そんな中で診断を受けたことは「障害とはなにか?」を考えるきっかけになりました。
実際なにかあると「発狂しそう」なんて思うことはままあるのに「あってはならないこと」と黙殺してしまっていました。診断されて課題の存在を顕在化させ、それがカウンセリングを受けることをきっかけにつながったのがよかったです。
「発達障害は個性・特徴」と仰る声もよく聞くのですが、、言いたいことはわかるのですが、当事者からしたらそこに課題が存在しているので、言い換えだけしても解決にならない。特徴があるから「だからどうしたらいいの?」ということは、考えられるからね。
5. 困ったに向かい合う、助けを求める
ADDなわたしはずっと世の中は単純で「困ってる人」と「困っていない人」の2つに別れてて、自分は「困ってない人」でいたいと思ってました(笑)
そこにこだわると自分の違和感に鈍感になってしまうんですね。
今はこれ以外にも行政に相談・支援してもらっていることがいくつもあるのですがまずは「困ったら相談してみよう」ということです。
求めよさらば開かれんです。
「困ってる人=自分で自分の面倒が見られない」とずっと思い込んでいたし、人の困ったに他者は無関心と感じていました。
ただ、今においては本当にその困ったを助けてくれる仕組みがたくさんあり、その現場現場で真摯に対応してくださる方々がいらっしゃって社会ってすごいと感動するばかりです。
6. 社会保障とわたしたち
そんな中で興味深い記事と出会いました。今の社会保障って「マイノリティを排除すること」よりも、マイノリティを作らないことにお金がかけられているんですね。障害=マイノリティではない。
現代の福祉国家における社会保障の機能とは、かつての救貧院や施療院のような「救貧」を目的としているものではありません(生活保護は日本の社会保障給付の3%を占めるにすぎません)。その機能の中心は、社会の中間層の貧困化を未然に防ぐ「防貧機能」にあります。
「分厚い中間層」こそ、安定的な消費=需要を生み出すコア層であり、社会=民主主義社会の中核を担い、政治の安定を支える層でもあります。民主主義と社会保障の親和性は、まさにここにあります。
(東洋経済Online:香取 照幸「経済学を学ぶ人が絶対に知っておくべきこと」より)
ほんとうに困ったことがあればまずは行政に相談に行くことをおすすめです。それがすぐに結果にたどり着かなくても、求め続ければたどり着くと信じて。
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