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厄年を乗り越えろ 鬱を克服 東京の神社巡り

始めに書かせていただきたい。
今回のタイトルは私の神社に対する考え方やスタンスをメチャクチャに端折りまくった結果である。

そもそも神社やお寺について。
願い事があるから、助けてほしいから等、困った時にだけ行くような場所だとは思ってはいない。
それに、願い事は一切しない。
私は妻と日常的に神社やお寺へ参拝にあがらせていただく。
旅行の際はその土地の神社への参拝は欠かさない。

だが今回は。
今回だけは御神気に、御神徳にあやからせていただきたいと思い巡らせていただいた。

男性は数え年で42歳は大厄だ。
その前後も前厄後厄とし、特に忌むべき年齢と言われている。
前厄が始まる年の初めには、私の崇敬神社にて厄災祓、八方除の御祈祷もしていただいたのだが、やはり古より忌み慎む習慣として伝わるものは恐ろしい。
その年から私に様々な困難が降りかかる。

それまで順調だった仕事が全く上手くいかなくなる。
人にはバイオリズムがある為、こんな時もあるだろうと捉えていた。
だが、ことごとく進んではならない方向へ物事が進む。
万事手を尽くしたつもりでも、隙間を狙ってトラブルが起きる。
半年間これでもかというほどトラブルに見舞われた結果、心を壊してしまう。
要は鬱病と診断されてしまった。

その日の仕事を終え、会社を出た時にそれは起こった。
帰る方向がわからなくなったのだ。
タバコを一本吸って落ち着くと、いつもの習慣を身体が思い出したのか進む方向だけはわかった。
とりあえず家の方向へ歩き、通りを一本入れば自宅というところまで来ると、またわからなくなる。
何度も行き過ぎたりしながら、歩いているとようやく自宅アパートを発見。
玄関キーを出し、いざ自宅に入ろうとするがどのドアなのかがわからない。
そこで心が折れた。
妻に病院に連れていってほしいと伝えた。

それからも仕事は続けていたが、あの時の私の精神状態で接客業は不可能だった。
出勤してもバックヤードに籠る日々。
お客様が来店しても恐怖で身体が震える。
雑用すらまともにこなすことが出来なくなった。
ようやく仕事が終わっても、帰る方向がわからなくなる。
メンバーに迷惑を掛けてしまう為、私は休職を選択した。
身体を労ってくれ、一切責めることなく、即座に対応してくれた会社には感謝している。

休職し家でゆっくりしていたのだが、私生活でも何もかもが上手くいかなかった。
挙げたらキリがないのだが、一番に思い出すのは大金を一瞬にして失ったことだろう。
ざっくりと会社員の平均年収二年分ほど。
投資や紛失ではないが、理由はいつか書こうと思う。

その時のことを妻がハッキリ覚えている。
私の顔色は真っ白で、どんなに声を掛けても一切届いていない。
ひたすら笑いながら「大丈夫、大丈夫」と繰り返していたそうだ。

そこで人が縋るのは、やはり神様仏様御先祖様だ。
もう私が考えられることはそれしかなかったのだ。
参拝の動機としては、不純だと言われると思う。
当時の私にはそれしかなかった。
だが、神社、お寺巡りは再び立ち直るきっかけをくれたと私は考えている。

休職してから約一年。
ゆっくりではあったが、泊まりがけで巡るのは楽しいものであった。
巡っている間は、ただただ無心で参拝。
鉄道移動ではあるが、歩いて行ける距離ならば歩いて向かう。
一日に3万歩は歩いた。

早朝の神社の境内は素晴らしい。
東京のごみごみした空気、鳥居の外には大きな通りを車が列を成しているのを感じさせない凛とした空気。
その頃の自己肯定感の欠落した、言いようの無い負の感情を綺麗に消し去ってくれるような感覚。

御宮、御社毎に御祭神様を調べてから参拝にあがらせていただく。
もちろん御祭神様のことも調べる。
その際に御神徳も掲載されている為目にはするが、そのご利益を頂戴することが目的ではない。
これまで生きてこられたことへの感謝、こうして参拝にあがらせていただけたことへの感謝のみお伝えする。
その上で御利益にあやかることが叶うのならば幸いというものだ。

そして現在は2023年11月。
もうすぐ大厄が明ける。
残るは一年、後厄を耐えるのみ。

この一年間、実は自由になった時間を使い関東以外にも、伊勢、出雲、宮島、愛知、大阪の神社へ参拝にあがっている。

ここから参拝にあがらせていただいた神社全てを書いていこうと思い数えたのだが、東京都の東京十社、七福神巡り含め、神奈川県、千葉県、各社境内社、摂社、末社を巡りに巡り200社を優に超えている為、記載するのはやめることにした。
というか、夢中になって巡っていた為写真すら撮っていない神社もある。
実際に参拝にあがる際は、マップアプリでスターマークを付けておいて、完了したらハートマークに切り替える方法を採った。
その為巡った神社が記憶から漏れていることは無い。
ただ書いていくのが面倒なだけだ。

又、伊勢、出雲、宮島は別でまとめていきたい。

雰囲気だけでも感じていただければと思い、夢中で巡った画像だけでもご覧頂ければ喜ばしい限りである。

反省としては細かに記録しておくべきであった。
だが、記憶には確かに残っている。
先日丁度一年参りにあがってきたところだ。

こうして振り返ってみると、よくもこれだけ巡ることが出来たものだと感じている。
時間と金銭的な余裕が無ければ不可能であっただろう。
そして何よりも精神的な余裕が出来た。

多くの神社を巡る為、早朝の凍えるような寒さの時間から歩き始め、昇ってきた朝日を浴びて陽の光の暖かさに喜び、夜に気温が下がり始め再び凍えながら。
そして、早朝から汗ばむ気温の中歩き始め、日中には更に汗だくで巡り、夜の涼しさを喜びながら。

そんな中で私の心は少しずつ癒えていったのだろうか。

そして、この全ての日程、行程に同行してくれ、私の心が折れてから一切の嫌な顔も見せずに、常に私を支え続けてくれた妻には感謝してもしきれない程の恩義を感じている。
それだけではない。
彼女は出会ってからいつだってそうだ。
それに気付くことが出来た。

私は存分に御利益を頂戴しているのだ。
もう大丈夫。

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