アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち(2010)
アルゼンチンタンゴの偉大さと素晴らしさに感動
人生のマエストロたちに光を当てたドキュメンタリー映画
情熱と哀愁に満ちたバンドネオンの調べが印象的なアルゼンチンタンゴ。その魅力に取りつかれ、人生をかけた音楽家たちの姿を通し、アルゼンチンタンゴの魅力に迫るドキュメンタリー映画です。
バンドネオン奏者やギタリスト、ピアニストや歌手など、登場するのはアルゼンチンタンゴ界の重鎮たち。年齢が70代から90代となった彼らは音楽家としてだけでなく、人生のマエストロとも言えるでしょう。
音楽家という夢を叶え、成功し、老齢にひるむことなく第一線に立ち続けるマエストロたちが、その苦楽の人生経験をとつとつと振り返るインタビューは含蓄に富んでいます。
映画のハイライトは、アルバム制作を終えたマエストロたちが一堂に介したブエノスアイレス・コロン劇場でのコンサートシーン。ソロやカルテット、ビッグバンド、歌唱、ダンスまであるバラエティに富んだマエストロたちのステージは圧倒的な迫力で胸に迫り、あまりの感動に涙がこぼれました。このステージだけでも、人々の心を魅了するアルゼンチンタンゴの偉大さと素晴らしさが分かるはずです。
アルバム「CAFÉ DE LOS MAESTROS」は2006年度ラテン・グラミー最優秀アルバム賞に輝きました。映画が製作されたのは、その名盤制作から4年後、すでに引退したり、この世を去ったマエストロもいます。
人生における多くの時間を積み重ね、アルゼンチンタンゴの発展に貢献してきたマエストロたち。彼らの時間を凝縮し、結実させたような本作は実に意義深い作品です。
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