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トイ・ストーリー2(1999)

笑って泣けるドラマを演じるのはオモチャたち
最先端なのにアナログ的なフルCGアニメ

オモチャたちが演じる “実写”映画――。

1995年、画期的なテクノロジーを用いて映画史に新たな1ページを開いた『トイ・ストーリー』について語るなら、世界初のフルCGアニメーションという、いかにもデジタル的な言葉よりも、どこかアナログ的な温かみのある言葉であえて呼びたいです。

それほどオモチャたちの豊かな個性とスムーズなパフォーマンスが際立つ、最高の“ヒューマンドラマ”でした。

そんな彼ら(?)が『トイ・ストーリー2』で、映画の世界に戻ってきたのは当然のことでしょう。陽気でリーダー的な存在だが、お調子もののカウボーイ人形ウッディや、クールだがまじめっぷりが妙におかしい宇宙戦士アクション人形のバズを始めとする、アンディ少年の部屋に住むオモチャたちがさらに体当たりの演技(!)を見せています。

【ストーリー】
ウッディ(声/トム・ハンクス)は大好きなアンディ少年がカウボーイ・キャンプに連れて行ってくれるのを楽しみにしていましたが、肩の糸がほつれてしまったために家に残されてしまいます。落ち込んだウッディはアンディに捨てられる悪夢を見る始末でした。
そんな中、長らく棚に置かれていたペンギン人形のウイージーがガレージセールに出されてしまいます。ウッディはウイージーを助けに行きますが、その時、オモチャマニアで量販店経営者のアルがウッディを見つけ、こっそり持ち帰ってしまいます。
ウッディが連れていかれた先には、かつてテレビ番組で活躍していたころの仲間たちが待っていました。さらに、子どもの人気者だった頃のウッディを証明する数々のポスターやレコード、ビデオが部屋一面を埋め尽くしていました。これに気をよくしたウッディは、まさに命がけで救出にやってきたバズ(声/ティム・アレン)たちが引き止めるのもきかず、オモチャ博物館に展示され、子どもたちの永遠のヒーローとして生きる道を選ぶのですが……。

1作目では、オモチャをいじめる隣の悪ガキをとっちめて、華麗なるバズ救出作戦を成功させたウッディらオモチャ同士の友情が中心に描かれていましたが、今度はオモチャと人間の関係について突き詰めています。

レトロなカウボーイ人形のウッディが、実は'50年代のテレビ番組のヒーローだったことからコレクターに誘拐されてしまうという、当時ヒートアップしていたフィギュアブームや、プレミアという商業的なオモチャを取り巻く現状を絡めた展開に、我が身を振り返る大人も多いのではないでしょうか?

小さなオモチャたちから見た人間社会が完全にパロディにされていて、苦笑と爆笑の連続であると同時に、オモチャだからこそ表現できるノスタルジックな世界観はほろ苦い涙を誘います。

前作に引き続きジョン・ラセターが監督し、ピクサー社が全テクノロジーを手掛けたオモチャたちのアドベンチャーは、見事第57回ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル/コメディ部門)の栄冠に輝くという快挙を成し遂げました。

2022年1月現在、第4作までシリーズ化されており、2022年には、バズを主人公にしたスピンオフ作品『バズ・ライトイヤー』が公開されることになっています。

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