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ロード・トゥ・パーディション(2002)

マフィアの世界で生きる父子の
辛く切ない復讐の道程を重厚な映像で魅せる

純粋に父に愛されたいと願う息子と、素直な形で息子への愛を示せない父。

1930年代のアメリカ、仁義なきマフィアの世界で生きる道を選んだ父と息子の葛藤と絆を『アメリカン・ビューティー』(’99年)のサム・メンデス監督が重厚な映像で浮かび上がらせました。

【ストーリー】
サリヴァン(トム・ハンクス)はマフィアのボス、ルーニー(ポール・ニューマン)に仕える殺し屋ですが、家庭では妻と2人の息子を持つ良き夫・良き父でもありました。
父の職業を知らない12歳の長男マイケル(タイラー・ホークリン)は好奇心から父の車に忍び込み、父とルーニーの息子コナー(ダニエル・クレイグ)の殺しの現場を目撃してしまいます。
忠実なサリヴァンはルーニーに目をかけられ、無能なコナーの嫉妬をかっていました。そんな伏線が、コナーを殺しの現場を目撃したマイケルの“口封じ”と称するサリヴァン一家惨殺の凶行へ駆り立てます。
妻と次男を殺されたルーニーは、生き残ったマイケルを連れて、コナーへの復讐を誓います。

原作は、日本の漫画『子連れ狼』にインスパイアされた、アメリカの同名グラフィックノベル。子どもを連れて、マフィアへの復讐を続ける父親の姿が描かれます。

組織を敵に回すことも恐れず、家族の復讐に燃えるサリヴァン。生き残ったマイケルは自責の念と父への忠誠心から復讐に加担し、ルーニーは2人の〈息子〉の命を秤にかける苦渋の決断を迫られます。

誰かの死がゴールになる復讐の道程を突き進む〈3組〉の父子の辛く切ない胸中は察するに余りあります。

トム・ハンクス、ポール・ニューマンらの力演が見事。サリヴァンを追う殺し屋マグワイアにジュード・ロウ。そして、イギリスの舞台や映画出演を経て、ハリウッドに進出したばかりのダニエル・クレイグがコナー役に抜擢されているのも見ものです。

男の視点で捉えた家族ドラマとして、単なるギャング映画の枠を超えています。

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