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ジュリー&ジュリア(2009)

人生、何が起こるか分からない! 
生きる張り合いを求めた2人の女性の奮闘と成長

2004年、29歳の女性ジュリー・パウエルは、夢には程遠い冴えない自分の生活を変えるために、ある目標を立てます。

憧れの料理家ジュリア・チャイルドの料理本「フランス料理の王道」にある524のレシピを1年間365日ですべて作り、その記録をブログで綴ることに決めたのです。ジュリーのブログ「Julie/Julia Project」は評判を呼び、書籍化され、公共機関の臨時職員だったジュリーは小説家になる夢を実現しました。

本作は、ジュリーの原作を基に、微笑ましくも過酷な目標に挑んだジュリーの泣き笑いの1年と、ジュリア・チャイルドが1961年にアメリカ初の家庭向けフランス料理本「フランス料理の王道」を出版するまでの悪戦苦闘の道のりをオーバーラップさせながら、生きる張り合いを求めた2人の女性の奮闘と成長を描いています。

【ストーリー】
ニューヨークのOL、ジュリー・パウエル(エイミー・アダムズ)は女流料理研究家の先駆けジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)のフランス料理のレシピを毎日作り、ブログにアップすることにします。
始めは、ブログへの書き込みやメディアからの問い合わせなど、数々の変化に浮き立つジュリーでしたが、次第に毎日作り続ける義務感や結果が得られない焦燥感に苦しむようになります。
生活に余裕がなくなり、無謀な挑戦にくじけそうになるジュリーの心を支えたのはジュリアの真っ直ぐな生き方でした。
40歳近くで初めて恋に落ち、電撃結婚したジュリアは、外交官の夫エリック( スタンリー・トゥッチ)の転勤に伴い、パリへ渡ります。それまで政府機関に勤務し仕事一筋だったジュリアは、駐在員妻の退屈な生活から抜け出すために名門フランス料理学校のプロ養成クラスに入学します。
やがてジュリアは2人の女性料理家と協力し、フランス料理本の出版を目指すことになります。

ジュリアの料理家への道が日常への焦りから始まり、しかも40歳を超えてからだったのにはジュリーならずとも励まされます。

執筆に苦労したり、出版社に断られ続けたり、私生活では子供が出来なかったり、ポールの転勤で世界各国を転々としたりと、決して順風ではないジュリアの生活。それでも、明るく前向きに生きるジュリアが実に魅力的です。
テレビの料理番組の本番中に失敗しても気にしない大らかなキャラクターで人気を集めたジュリアをメリル・ストリープがはつらつと演じています。

料理を通して、夢を実現させたジュリーとジュリアは肩肘張っていないところがいいです。特に人生に迷い、すがる思いでブログを始めたジュリーには共感できる人も多いのでは。

まったくのゼロから歩き出した2人にあったのは熱意と根気、そして努力する妻をそっと支える夫の愛の力。ジュリーの女性らしい細やかな感性が光る原作を、『めぐり逢えたら』('93年)、『ユー・ガット・メール』('98年)の女流監督ノーラ・エフロンがロマンティックなヒューマンドラマに仕上げました。

2人の運命を変える第3の主役、フランス料理の数々も見応え満点です。

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