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八坂神社の‟をけら参り”と生薬の白朮の関係とは!?

漢方薬の五苓散の話しが続いていましたのに、いきなり今日は神社の画像からスタートして、びっくりされた方もいらっしゃるかと思います。

この神社ですが、どこの神社かわかる方はいらっしゃいますでしょうか?

京都の方なら、もう少し引いた画像ならすぐにわかるかもですが、京都以外の方も、京都観光の際に一度は訪れたことがあるかも知れません。

前置きが長くなりましたが、祇園の八坂神社です。画像は四条通りから見た八坂神社の西楼門になります。

どうして八坂神社?ってなりますよね?そうなんです、昨日ご紹介した生薬の白朮はオケラの根茎を乾燥させたものでした。大晦日から元旦にかけて、八坂神社では‟オケラ参り”なるものが執り行われます。

オケラ参りって何ですか?と京都以外の方はおっしゃるでしょう。私も京都生まれで、大晦日にオケラ参りに行くことは毎年の恒例行事でした。オケラ参りと言えば、火縄とインスピレーションしますが、これが実は白朮(オケラ)と深いかかわりがあるのです。

八坂神社の除夜祭の後、「をけら灯篭」に灯された「をけら火」が夜を徹して焚かれますが、この「をけら火」を竹製の火縄に点し、火を消さないように縄をグルグルと回して持ち帰り、無病息災を祈願して正月の雑煮を炊く火種とする、新年の習わしが「をけら参り」と言われるものなのです。

もちろん、をけらの火で雑煮を炊く家庭は今ではほとんどないでしょうけど、昔はそんな習わしがあったのですね。

この「をけら灯篭」に火をつける際の鉋屑に生薬の白朮が混ぜられていて、煙から独特な匂い(芳香)を醸し出しているのです。また、お正月に飲むお屠蘇にも白朮が使われており、邪気を払い福寿を招くと言い伝えられているのです。

最近は大晦日に京都にいることがなく、をけら参りも随分と行ってませんが、昔はほとんどの方が火縄を持っていらっしゃいました。少し前に行ったときは、あまりいらっしゃらなかった気がするのですが、最近はどうなのでしょうか?

最近は交通機関も火縄を持っては乗れませんしね。昔はバスなど火縄を持っている方はいたように記憶していますが。

そもそもの習わしを知らない方がほとんどかも知れません。白朮のことなど誰も知らないかもですね!?(笑)

邪気を払って、良い気を体内に巡らす!白朮(オケラ)の持つパワーが宿った八坂神社の習わしなんですね!