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食物繊維が腸内を移動する際に不要物をかすめ取る効果の是非!?

腸内細菌のエサになる食物繊維ですが、今日はもう少し掘り下げて見て行きたいと思います。

栄養学の本を見ていると、食物繊維を摂取する効果として、腸内を移動しながら不要物をからめとり、腸内をきれいにするという物質的なものとして捉えた効果が書かれています。

その結果、便秘の予防や、大腸がんの予防効果も期待できると。この大腸がん予防については、腸内に便が長時間とどまることを防ぎ、腐敗するまえに排便するということだと思いますが、これも物質的なものの効果ですね。

合わせて、乳酸菌のエサになり腸内環境を整えるとあります。

詳しい解説文を転記しますが、ビフィズス菌などの乳酸菌には、腸内に善玉菌を増やす作用や、大腸菌など悪玉菌の増殖を抑える作用がある、とあります。

そして、食物繊維は乳酸菌を活性化させるため、腸内環境がもっとよくなり、消化吸収の促進、便秘の予防や改善、さらには大腸がんの予防につながる、とあります。

この記述のなかで、まず大腸菌が悪者にされているのは、少々誤解が生じるのかと思います(大腸菌でも悪い菌は一部で多くは日和見菌)。

そして、食物繊維が乳酸菌を活性化させ腸内環境が良くなると言う、抽象的な書き方が成されている点も少しひっかかります。

確かにそうなのですが、食物繊維が腸内細菌(必ずしも乳酸菌とは限らない)のエサになり、その代謝物が免疫機能を高めたり、ビタミンを産生したりというのが、正解なのかなと思います。

あと、万人すべてに食物繊維が効果的だとは言えないことには触れるべきだと思います。食物繊維を消化してくれる腸内細菌を持つ持たないは、各個人ごとに違います。要するにプレボテラ菌やルミノコッカス菌などを持っているかどうかによります。

もしこれらの菌がない場合は、食物繊維の代謝は行われず、そのまま排出されるか、詰まって便秘の原因にもなりえます。

前述の物理的に排出する際に食物繊維が不要物をかすみ取ってくれるのは、排便習慣のいい人で、中にはその食物繊維が原因で便秘になる方もいるとおっしゃる、肛門科の先生もいます。

ただ、多くの方に有効に働く食物繊維ですので、明日以降もう少し、食物繊維を掘り下げようかと思います。

*画像は食物繊維が豊富に含まれるキクラゲの天日干しです