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2、バランスのとれた芸術

こんにちは。オリジナルミュージカル制作にゼロから挑むユッキーナです。前回の記事で、実はミュージカルはとてもバランスの良い芸術だとお伝えしました。今回は「バランスのとれた芸術ってどういうこと?」をテーマにお伝えしていきたいと思います。

まず、なんのバランスかというと「知性」と「感性」のバランスです。以下の画像をご覧ください。

ちょっと難しい図ですが、これは日立製作所役員待遇フェロー小泉英明先生の「脳科学と音楽教育」という講演で紹介されている図です。先生は脳科学の芸術分野の権威ともいえる先生です。先生によると脳科学的に考えると芸術は大きく二つの分野に分けられます。


ひとつは、知性派芸術。もうひとつは感性派芸術です。

知性派芸術

知性派芸術は、頭で考えられた芸術です。現代アートの中には、知識や論理だけで作り上げられた芸術がありますね。知的要素がマックスになるとそういう芸術になります。脳でいうと、進化して発達した外側を覆っている大脳新皮質というところが知性派芸術に反応します。

感性派芸術

感性派芸術は、感覚で作り上げられた芸術です。何も考えずに身体感覚だけで構成したりする芸術は、感性要素がマックスといえるかもしれません。脳でいうと、人になるずっと昔から持ち合わせている、内側に隠れた大脳辺縁系にかさなる古い皮質が感性派芸術に反応します。

両方が作用しあって、昇華し芸術となる

ひとつの作品の中でも知性派の部分もあれば、感性派の部分もあったりするらしいのですが、先生の著書「脳科学と芸術」では、

重要なのは感性と知性の相互作用である。対立的かつ並立的に両社は作用しあって昇華し芸術の姿に結晶する。

と記載されています。また、同書に以下の引用があります。

文豪トルストイは真摯な思索の果てに、「芸術は、人間が造りだした作品を通して素晴らしい感動を追体験させるもの」という趣旨の結論を出したといいます。

そう、真の芸術は人に感動をもたらすのです。

もうわたしのいいたいことはだいぶご理解いただけたと思うのですが(笑)ミュージカルは知性と感性の相互作用で、人に感動をもたらす芸術だと思うのです。

感性の部分は簡単ですね。ミュージカルは感情的なエンターテイメントです。感情が歌などの表現に繋がって心に響きます。

知性は主にストーリー構成の部分です。これは少し作品によるところがあるかもしれませんが、知的なストーリーは人に新しい気づきや可能性を教えてくれます。

このふたつを持ち合わせていて、しかもリアルライブ!というのが味噌でもあります。
直接、知覚神経としての脳と、身体物質としての脳の両方を刺激し、最高の感動をもたらすはずです。人は感動すると、意欲が湧きます。わたしは現代人にこそミュージカルが必要だなぁと感じています。

まとめ:バランスのとれた芸術

・知性派芸術と感性派芸術の両方をバランスよく持ち合わせた芸術のこと

・知性と感性が相互作用し昇華すると芸術となり、芸術は人に感動をもたらす

・ミュージカルは知的なストーリー構成と感性的な感情表現の相互作用で、(昇華させることができれば)人々に感動をもたらす芸術であるはず!

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ご興味ある方はyoutubeに小泉先生の講演動画が掲載されているのでぜひご覧ください。今回ご紹介した内容は37:26あたりからです。

いつか小泉先生にお会いして、たくさんお話し聞きたいな〜と思う今日このごろ。

次回は、ミュージカル市場に迫っていこうと思います!

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