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エンジニアのベストな評価制度とは?#4

このNoteでは、エンジニアとして10年に渡り正社員・フリーランスで働いている森と、エンジニア採用支援の経験を活かしフリーランスで働く高木が、エンジニア採用や組織に関する課題を解決するための解決策を議論しながら考え、提案していきます。

この記事はエンジニアのベストな評価制度とは?というテーマで議論した内容をまとめたNoteです。

エンジニアの採用がますます難しいこの時代、少しでも長く働いてもらいたいとエンジニアの評価制度に頭を悩ませる人事・経営陣の方々も多いのではないでしょうか。
今回はエンジニアのベストな評価制度とは?というテーマでエンジニアの目線と人事の目線からディスカッションしました。

この記事は概要版ですので、大枠を掴んで頂けたらと思っています。
もし詳しい内容が気になる場合は、さらに詳細な内容の記事もありますので、ぜひチェックしてみて下さい。

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エンジニアの評価制度は企業によって様々

まずこれまでエンジニアの森さんが働いていた会社のエンジニア評価制度がどのようなものだったかお聞きしました。

大きい会社でも評価制度がないこともある

一つ目の会社は1000人弱のWeb制作会社でしたが、評価制度の説明はほとんど受けず、上司が自分を気に入っているかどうかと、案件を受ける能力が評価の軸だったそうです。土日も働いて頑張っていたにも関わらず、評価面談で評価できないと言われ、それが退職のきっかけでした。

メガベンチャーの評価制度?

二社目は上場しているメガベンチャーでした。比較的シンプルな評価制度で、360度評価と、特に周りに悪影響を与えないかということ、将来の収益に対するインパクトのある行動が重視されていました。
ただ、上司や担当業務(特に新規事業等)によって評価が大きく変わることについて疑問を感じていました。
炎上案件等も含め、頑張る必要があるにも関わらず成果が目に見えづらく、評価につながらないこともあるのではないでしょうか。

アーリーのスタートアップはまだ評価制度がなかった

当時数人のスタートアップで、評価制度はありませんでした。
元々リファラルで仲のいい人同士が入ってきていたので、モチベーションが高く、不満はあまり聞かなかったです。
アーリーステージのスタートアップでは、そもそも評価制度がないケースもあるようです。

エンジニア評価の難しさとは?

なぜエンジニアの評価は難しいのでしょうか?その理由を紐解いてみました。

数字が出しづらいエンジニアは評価が難しい

エンジニアという職種は、自分の創意工夫による売り上げなどの成果と評価との連動が難しいのではないかと感じます。
エンジニアは助け合うことで結果としてアピールできるような数字を達成することはあっても、それを誰か個人の成果として評価することは難しいと考えます。
他にも数字の出しづらい職種はあると思いますが、エンジニアの評価が注目される理由はソフトウェアエンジニアだからこそではないでしょうか。
エンジニアの採用が非常に難しく、エンジニアの市場価値は上がってきています。その中で他社との人材の獲得競争が起きていると思います。
そうなったときに評価や給与は競争の中で非常に重要なポイントになってくると考えます。

激しい変化に対応した評価制度を作ることが困難

エンジニアとして、1年前と全く同じ仕事の仕方をすることはほぼありません。毎年新しいツールがどんどん生まれ、自分たちの生産性を高めていかないといけないです。
また急にLLMが流行ったり、プロンプトエンジニアやSREエンジニアという新しい職種が出てきたりもします。
このようなことから、適切な評価制度を作りそれを運用し続けることは、非常に難易度が高く、工数がかかるのではないでしょうか。

評価制度は納得感を追求すべき

エンジニアの評価はとても難しそうです。では何を軸にどのように考えていけばいいのでしょうか。

評価は社員のモチベーションを下げないことに重きを置く

評価がなぜあるか、どうして必要かという原点に立ち返ると、本人が納得感を感じられるかどうかが一番重要ではないかと思います。
その理由は、評価制度はモチベーションを上げるものではないからです。
逆に納得感を持てない人にとって、評価制度はモチベーションを下げるものにしかなっていないのかもしれません。組織として報酬と評価を切り離せない固定観念があるように感じますが、報酬が適切な状態であれば良いのではないでしょうか。
つまり、同業他社と比べて適切で、転職しても年収が上がらないと思える状態であれば、モチベーションが下がることはないのではないかと考えています。

給与で納得感を得てもらうには?

エンジニアにおいて問題だったのは、これまでの数年間にITエンジニアバブルが起き、転職をすれば年収が大きく上がる、という状況が作られたことにあるのかもしれません。これがエンジニアの給与への期待を大きくしているのではないでしょうか。
業界全体で市場の状況を反映した適切な給与設定が必要ではないかと感じます。そして自社のエンジニアに対する給与が適切かどうか定期的に確認することも大事だと思います。

上司による評価?

上司ガチャというのが存在していると思います。本来は自分で上司を選べる状況を作ることができるべきではないでしょうか?
自分をいかに活かすか、そして自分一人だけではなく、周囲の支援を得て、パフォームできる環境を作ることが非常に重要であるということです。
したがって、上司を選べるなど、評価をどう受けるかを自分でコントロールできる環境が必要だと感じています。

グレードとキャリアパスはどう設定する?

評価の話になると、グレードとキャリアパスについてもセットで検討することが多いのではないでしょうか。
そこでこの2点についても議論をしました。

グレードはどう設定すべきか?

評価をしてグレードが上がると、業務内容も変わり、その業務内容をどう設定していけばいいのかと悩まれるケースもあるかと思います。
もちろん各社によって運用の仕方が異なると思うものの、業務内容がグレードに依存してるわけではなく、どちらかというとその人の置かれてるシチュエーション、事業の状況に応じてのより望ましい行動が業務内容になっているのではないでしょうか。
また評価やグレードは企業側が制度を運用しやすくするためのものであり、公平感を出したり、納得感をメンバーの人に持ってもらうためのものだと考えます。

一方、制度を作ればそれをハックできる人が評価されてしまうことも起きかねません。本当に必要な最低限の制度以外はあえて言語化しないようにして、メンバーの特性に応じて柔軟に運用していく方が納得感があるのではないでしょうか?
少なくとも、目の行き届くぐらいの人数であれば柔軟に運用していくのも、一つの方法なのかもしれません。

エンジニアの望むキャリアパスを提示することは相当難しい

キャリアパスを提示できる会社とは、企業の中で専門性の高い人が複数おり育成方法が適切にわかり、社内で運用できていて、かつ終身雇用を保障できるような大手企業のごく一部なのではないかと考えます。
ほとんどの企業では、望むキャリアパスを提示するのは難しいのかもしれません。

とはいえ、今いるエンジニアの方々にどう向き合えばいいのでしょうか?
向き合える上司であればしっかりと向き合っていくべきですし、向き合えない上司であればまずはそれを認めることがスタートなのではないでしょうか。本人の将来のキャリアパスを見つける支援をすることが、現在上司に求められているスキルではないかと考えています。

ただ、コーチングスキルや専門性を兼ね備えた上司は多くはないと思うので、まずはマネージャーがそのスキルが求められている状況を理解し、学んでいくことが必要だと考えています。
一昔前に比べて上司やマネージャーに求められているものの難易度が上がっており、コーチングやマネージャーの教育に、会社として投資をすることも必要なのではないでしょうか。

エンジニアにとってベストな評価とは?

最後にここまでの内容をまとめ、一番伝えたかったポイントについて整理しました。

エンジニアに納得感を持ってもらうことが重要

エンジニアの評価制度を作ったり運用することが目的になり、工数がかかりすぎていないでしょうか。
それよりも、ダイレクトに「エンジニアに納得感を持って仕事をしてもらうためにはどうすればいいか」にフォーカスした方が良いのではないかと思います。
市場価値に沿った適切な年収を提示しつつ、本人と上司が協力をして、全体でその人のパフォーマンスを発揮できるように協力して取り組んでいくことが、納得感を持って仕事をする上で非常に大事だと考えています。

納得感を持ってもらうにはエンジニアの市場価値をきちんと理解する必要がある

エンジニアに納得感を持ってもらうためには、適切な年収を常に提示することが重要です。
エンジニアという特殊なポジションにおいて、需要と供給のバランスをきちんと理解する努力をすることが必要なのではないかと思います。
エンジニアの適切な市場価値、適切な年収の情報を得ることが重要です。
以下のように人材系の企業がレポートを出したり情報を提供されているので、気になる方はぜひ見てみてください。

お読み頂きありがとうございました!
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