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グレードとキャリアパスはどう設定する?#4-4

この記事は以下の「エンジニアのベストな評価制度とは?」の詳細版です。

評価の話になると、グレードとキャリアパスについてもセットで検討することが多いのではないでしょうか。
そこでこの2点についても議論をしました。

高木 もう一点、評価をしてグレードが上がると、業務内容も変わり、その業務内容をどう設定していけばいいのかというお話もよく耳にします。
評価とともにどういったキャリアパスを会社として提示すればいいのか、エンジニアがそれぞれ強みだったり志向性も違う中で、どう1人1人に向き合えばいいのかということに関しても、お話したいです。

まずその評価とグレードに関して、森さんの中ではどう考えていらっしゃいますか。

 僕自身はグレードが明確に決められた会社の中で働いてなかったので、あくまでいろんな会社さんの資料を読む中で、何となく感じていることでしかないというのが前提としてあります。
その中で話をすると、確かにグレードの話は最近の採用デッキではよく見かけると思っています。グレードがある給与レンジに対し求められる能力を規定するために使われているのではないでしょうか。

各社さんによってそこは運用の仕方が異なるのではないでしょうか。
ただ、僕自身が見てる範囲だと、グレードに依存してるわけではなく、どちらかというとそのグレードの人が、その人の置かれてるシチュエーション、事業の状況に応じて、より望ましい行動がとれているかが重要なのではないかと思っています。
あとは評価やグレードは企業側が制度を運用しやすくするためのものであり、別の視点で言うと公平感を出したり、納得感をメンバーの人に持ってもらうためのものだと思っています。

ただ相反することを言うのですが、とある上場企業のCTOさんがおっしゃっていたのは、制度を作ればそれをハックできる人が評価されてしまうので、必ずしもその評価制度を作った人たちにとって望ましいものではないのではないかということでした。
本当に必要な最低限の制度以外はあえて言語化しないようにして、メンバーの特性に応じて柔軟に運用していく方がいいのではという話をされてて、僕もその考え方の方が納得感があるなと感じました。

高木 最後の話は非常に面白いですね。
制度を作らなければいけないと思っている人事や経営陣の方はいらっしゃると思うんですけれども、あえて本当に最低限のところだけにして柔軟に運用していくっていうことが、むしろ納得感を得やすくて良い可能性があるっていう点はとても興味深いです。

もちろん社員の数が増えたりするとどうしても柔軟に運用していくのが難しくなるとは思いますが、ただ少なくとも目の行き届くぐらいの人数であれば柔軟に運用していくのも一つの方法なのではないでしょうか。

キャリアパスについては、評価と関連してどう考えていくといいのでしょうか?

 僕の経験上では、キャリアパスの提示ができる会社とできない会社があると感じています。提示できる会社とは、企業の中で専門性の高い人が複数いて、ラダーを上っていくための育成方法が適切にわかり、社内で運用できていて、かつ終身雇用を保障できるような企業なのではないでしょうか。
正直言って、これが実現できる企業は、大手の一部ぐらいではないかと思っています。
逆に言うと、ほとんどの企業では望むキャリアパスを提示するのはちょっと難しいのではないかというのが僕の意見です。

高木 キャリアパスを提示すること自体が難しい場面は確かにあると思いますが、今いるエンジニアの方々にどう向き合えばいいのでしょうか?
強みやなりたい姿、目指すキャリアパスは皆さん違いますが、それぞれどう向き合うのがいいと考えますか?

 向き合える上司であればしっかりと向き合っていくべきですし、向き合えない上司であればまずはそれを認めることがスタートかなと思います。
部下の専門性を理解できていて、経験がある上司、またコーチングの知識がある上司ならば、適切なアドバイスやコーチングができるかもしれません。ジュニアのメンバーに対しては、ティーチング的な要素も求められるかもしれません。

コーチングが非常に大切だと思います。コーチングの基本は、傾聴や本人の自己対話の支援ですね。本人の強みや指向性を整理し、進むべき道、納得できる道を自分で見つける手助けをすることです。本人の将来のキャリアパスを見つける支援をすることが、現在上司に求められているスキルではないかと考えています。
ただ、コーチングスキルや専門性を兼ね備えた上司は正直多くはないと思うので、まずはマネージャーがそのスキルが求められている状況を理解し、学んでいくことが必要だと考えています。

高木 おっしゃる通り、一昔前に比べて上司やマネージャーに求められているものの難易度が上がってきていると感じます。
コーチングやマネージャーの教育に、会社として投資をしていくべきなのではと私も感じました。

働く側の方々も、本当にやりたいことが明確な人はごくわずかだと思います。かつ、それも状況やタイミングによって変わるものだと思います。そのときに上司の方が寄り添って一緒に考えてあげる、考える手助けをすることは非常に大事だと思います。
不確実性の高い時代に、自社で望むキャリアパスを提示できるかどうかは非常に難しいと感じます。だとすると、どれだけ寄り添うことができるかがポイントになってくるのではないでしょうか。

また最近では、転職もあまりネガティブなものではなくなってきていますね。働く側が本当にやりたいことがあって、それが今働いている会社でできないのであれば、無理に引き止める必要もないのかもしれません。
この点についてどう思いますか?

 確かに、企業にとって長期で働いてもらうこと、特に優秀な人であればあるほどメリットが大きいと思います。難易度が高いですが、長期で働くことのインセンティブを設計していくことが大事だと考えています。
例えば、株式オプション(SO)の付与などが考えられますね。それでも転職は発生するでしょうし、大事なことは、退職や働いてきたことがポジティブな状態であること、ネガティブな体験をしないようにすることだと思います。
退職した人への定期的なコミュニケーションをとることで、ポジティブな体験をしていれば退職後でも出戻りすることは実際には起きています。それをサポートしていくことが大事だと考えています。

次回に続きます↓

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