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創作文

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フィクションの形をした架空のなにか
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永遠の下書き/意識のデバッグ

永遠の下書き/意識のデバッグ

永遠の下書き

永遠であるところの下書き

永遠の下書き

いつか永遠として公開されるための覚え書き

永遠の下書き

青年の上履き?

サーモンの照り焼き?

母子ともに剣豪です

親しき仲にもレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン

退屈なパーティーを抜け出して僕と耳鼻咽喉科へ行かない?

耳鼻咽喉科、顔のパーツの約半分は俺に任せろみたいな感じがしてかっこいい

体調が悪いって言うけどアイツにもい

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無い青春

無い青春

夢で、

高校時代に仲のよかった友人と高校時代を送っており、昼休みに中古ゲームショップ(当時通っていた平成8年のファミコンランドではなく令和6年のゲオだった)で「ワルキューレの冒険」を買う。
見つけたのは友人だったがお金を出したのは自分で、だから当然所有権も自分にあると思っていたら友人が「ひととおり遊んだら返せよ」などと言ってきて軽い口論になる。

教室にある自分の机は真ん前に壁があってエアコンの

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ソーシャル八景亡者戯

ソーシャル八景亡者戯

ほらみろ。とか、絶対言いたくないんだけどな。
なんですか、マスクの着用が必須じゃなくなったかと思えば今度はイーロンの実装がどうのこうのって話ですか。

やあやあ皆様お元気ですか。僕がTwitterを辞めてから約1年半強が経過しましたが、いかがお過ごしでしょうか。あのときは単純に精神の衛生を守ることだけが目的の逃避だったし、それ以外になんの理由もなく荷物をまとめてあの場を立ち去ったにすぎないんですけ

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支離滅裂のレッスン

支離滅裂のレッスン

うるせえ。フェアプレーを期すためにまずはAI自身の口からAIについて語ってもらいましたが、まあ言うだけだったらどうとでも言えるのよ。文法的に正しい日本語で綴られ、文章中にロジックこそ存在するものの、そのロジックがどこかに帰着するわけでもなし。明言を避け、結論を引き伸ばし、「その先を考えるのは君たち(人類)の仕事ですよ」とばかりにボールを投げ返す。こう言っちゃあ何ですが、責任逃れのおじょうずな教頭先

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うたた寝と労働

うたた寝と労働

昼寝と呼ぶにはやや遅い、17時から20時の間にウトウトとして眠ってしまった中で見た夢。支離滅裂な部分もできるだけそのまま、覚えているとおりに書き起こしてみようと思う。何らかの深層意識に気づけるかもしれない。

* * *

知人のFさんから楽なバイトがある、と唆されて参加することにしたのだった。時給1200円。現場仕事なので早く終われば早く解散になるけれど定時までの時間分は保障される。やることは主

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いない人がいなくなった話

いない人がいなくなった話

夢を見て、それが夢だったと識別できる方法は「実際には起こり得ないことが起きたかどうか」だけなのかもしれない、結局は。
そんな夢を見た。

現実との落差があるとすれば、強いて言うなら「在宅勤務をしていなかった」ことくらいだろうか。
昼休みの外食をどこか近場でとる必要があり、職場の周辺の、もう何十回何百回と通い慣れた往来を歩きながら、それでも一軒、これまでに入ったことのない店を見つけたので行ってみるこ

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mentamaponkan

mentamaponkan

「目ん玉ポンカンのまんまやないかい!」

という台詞を発する機会が、果たしてあなたにはあったか。

私はあった。夢の中での話だけれど。しかも未遂に終わったけれど。

* *

東京へ来てからずっと、発音も語彙もほぼ標準語で通している。関西弁の、しかもこんなに強いニュアンスを伴った台詞は、よほど気を許した昔からの知人相手にしか使わない。

つまり、その相手はよほど気を許した昔からの知人ということにな

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漫才のやめ時がわからない──ネンブツポニーが語る創作の秘密と苦悩

漫才のやめ時がわからない──ネンブツポニーが語る創作の秘密と苦悩

昨年のM-1準々決勝で、戦績こそ振るわないながらも「パワハラ回避漫才」という技巧的なネタで一躍注目を浴びることとなったお笑いコンビ・ネンブツポニー。今年4月に開催された彼らの単独ライブ「東風酒家」は、ライブ入場者とオンライン配信視聴者の合計数が6,000人以上と、コンビとしての動員最高記録を大きく塗り替える結果を残した。

ネンブツポニーの司馬侑平(左)と弥勒(右)。

──M-1が終わってから

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熊塚次妛「栄通り商店会連続福引事件」(ネタバレあり)



折川唯・増谷愛・入名舞の仲良し三人組は、まっすぐに一等賞を狙っていた。飲みたくもない発泡酒を連日買い込み、多忙な主婦の買い物を代行し、人海戦術で集めまくった70枚以上の福引券。しかし、なぜか予告の期日より3日も早く福引コーナーは撤去されてしまい……
幻と消えたモスクワ旅行の恨みは推理で晴らせ! 日常に潜む謎と伏線を掘り起こす、珠玉の連作短篇集。

熊塚次妛という作家に欠点があるとすれば、それは

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うらがえしのダイヤモンド

うらがえしのダイヤモンド

スタジオに集められた観覧客たちが見守るなか、妖しさを演出する青紫色のサスペンション・ライトに照らされた卓上へ、一枚、また一枚とトランプカードが配られてゆく。カードが重なり合う瞬間の、紙の擦れる僅かな雑音のほかに何も聞こえないほど緊張感に満ちた静寂に囲まれて、アイマスクを着けた鵜野率子は厳重に封印された箱の中で息をひそめている。

ああ、この箱は、かつて私が毎日のように入っていた箱じゃないか。

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空想片道きっぷ

空想片道きっぷ

今年は帰省しないと決めていた。

理由はいろいろあって、おそらく同じ年を過ごした誰しもが共感してくれるであろうアレやらソレやらの影響によるものも大きいのだけど、何より単純にお金がなかったのだ。東京から実家まで新幹線を利用すれば片道約15,000円、夜行バスを使っても8,000円程度(実家の最寄駅までの経路にはなぜかハイグレードなバスしか通っていない)かかってしまう。ただでさえ仕事も激減している中、

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架空のM-1準決勝に残って欲しかったコンビ5選

架空のM-1準決勝に残って欲しかったコンビ5選

はじめに「文脈」をご存知ない方へ:書くに至った経緯はこちらをご覧ください。

<!-- ここから下はすべてフィクションです -->システムの虚を突くようなまさかの同点決勝3連戦を経て、ちりめん算用の優勝で幕を閉じた昨年のM-1。今年もプロアマ問わず5000組以上のコンビが出場し、火花を散らしている真っ最中である。最終決戦に進めるのは5000分の9、約0.18%だけという過酷な道のりだ。
それでも準

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マジックタイム

マジックタイム

【舞台】
昼の公演を終え、次のステージ(18時開演)の受付開始を間近に控えた劇場内。
客席は超満員を想定した数の椅子が並べられている。
(※実際には入場者数を収容率の50%程度にとどめ、空席が多数できている)
舞台には簡素な美術が設えられており、段差によって複数のエリアに分けられている。
劇場空間は、照明機材ではなく作業灯(蛍光灯)によって、客席も舞台も分け隔てなく均等に照らされている。

【出演

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空港にて

空港にて

空港の受付で働く夢を見た。働くのが夢だったのではなく、働いているという夢を見た。昨夜の話だ。

実体験として飛行機に乗ったのは人生で1回きりだし、そのころの記憶なんてもう薄れて無いに等しい。だからディテールはひどくいいかげんに改変されている。銀行のカウンターみたいな区画があり、そこで係員と乗客が一対一で料金のやりとりを行う。

私の元へやって来たのは共に50代前半くらいの夫婦だった。飛行機代を金券

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