ニッチクラフトと関係舎の辻本

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無い青春

夢で、 高校時代に仲のよかった友人と高校時代を送っており、昼休みに中古ゲームショップ(当時通っていた平成8年のファミコンランドではなく令和6年のゲオだった)で「ワルキューレの冒険」を買う。 見つけたのは友人だったがお金を出したのは自分で、だから当然所有権も自分にあると思っていたら友人が「ひととおり遊んだら返せよ」などと言ってきて軽い口論になる。 教室にある自分の机は真ん前に壁があってエアコンの操作盤がついており、気が付くと42度に設定されていた。もちろん友人の悪戯だ。何度

    • ライク・ア・グローイング・ストーン

      のちに辻本は述懐する。 「お化けでも、人間でもない。結局ぎざぎざの石が一番怖い。」 いきなりbelowな話で恐縮ですが、かれこれ1週間ほど尿管結石を患っており、タイダンもいいへんじもキャンセルせざるを得なかった。ぎりぎりまで悩んだのだけど、結局いつ来るかもわからない痛みに怯えながら劇場の椅子に1時間以上座っているのは自分にも周囲にも不安しか与えないだろうと判断した。申し訳ないし、悔しい。また次の機会に傑作を見せてほしい。 最初の違和感は3月15日の深夜、正確には3月15日

      • 持続可能な復調(やや大切なお知らせ)

        突然ですが、みなさんは小道具をつくる僕のことを「どんな発注にも応えてくれる人」だと思ってくださっているでしょうか。 もしそうだったら嬉しいです。僕も、僕のことを常々「どんな発注にも応えられる人」でありたいと思っているし、その気持ちは小劇場に携わるようになった初期からずっと不変です。しかし、当時のようなパフォーマンスを発揮できない年齢になったのだと痛感する機会が増えました。もう若くないから云々、なんてことは口が裂けても言いたくなかったのですが、この際、裂けます。ごまかしきれな

        • ニッチクラフトしてみたい vol.14

          本編 議事録(テキスト版ダイジェスト) ・オープニング曲ができました ・おや?見知らぬ名前が…… ・↑という台本でいくはずだったのに ・仕切り直しの襲名披露 ・規則に従えば次の改名は…… ・火垂るの墓を小道具で再現 ・多摩動物公園 昆虫館の蛍 ・電飾かムギ球か ・火災のリスクについて ・バブルマシンの夢 ・スチロールビーズの夢 ・蓄光石で眠りたい ・そもそも蛍について調べる ・光ファイバーを調べても出てくるのはWi-Fiばかり ・Amazonの安すぎる商品は危ない ・バズ

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        • 創作文
          23本
        • しんきろうスタジオの出来事
          16本
        • すべての感想は二次創作物である
          21本
        • 小道具レシピブック
          4本
        • 関係舎の原案
          5本
        • トーク・スクリプツ
          26本

        記事

          おまえにはいつまでもわからないまま

          こどもの頃、とくに反抗期、「おまえにもいつかわかる時が来るよ」という言葉が大嫌いだった。 主に、どうしようもなく存在する現実の理不尽さや、どうしようもなく妥協せざるを得ない社会の仕組みなどについて、若さによる知識と体験の欠如を主な理由として常套句のように用いられてきた言葉だった。世の中そんなに甘くないんだ、今お前は学生だから許されているだけだ、社会に出れば嫌でもわかる時が来る。 その予言めいた言い回しも気に食わなかったのだろう。占い師でもないくせに、何を偉そうに他人の未来

          おまえにはいつまでもわからないまま

          時そばAny%

          私の父が比較的エキセントリックな人物であった話は以前にも一度しているから、それについては以下の記事を読んでいただくとして(それなりにプライベートなことも書いたこっ恥ずかしさゆえ有料記事にしてあります)、 わかりやすく目立つ父のエピソードの影に隠れているだけで、その父亡き後、なかなかどうして母も負けず劣らずの人間性を遺憾なく発揮している(そして私がこの二人の子である)ということを帰省して早々に思い知らされている。

          有料
          300

          ノスタルジック減価償却

          2019年以来、実に4年ぶりの帰省、4年ぶりの奈良にいる。 4年もあれば色々変わる。小学2年生が卒業する。わかりにくいな。大学生がストレートに入学して卒業するまでの期間だ。こっちのほうがいいな。どうして最初に小学生の話なんか持ち出したんだろう。 まあでも、ひさしぶりに40分近くかけてバスで帰宅したからかもしれない。 小学生の頃はバスで通学していた。自宅から学校まで片道約15分。うちは最も山奥に位置する始発駅(バス停)で、朝は途中から友達がどんどん乗ってくる。帰り道はその

          ニッチクラフト(ぼくら)の時代

          Nichecraft(以下、読みやすさ優先でニッチクラフトと表記)は当初、なんとなく辻本が「屋号があったほうが個人名より覚えてもらいやすいのではないか」との思いで2008年頃から勝手に名乗り始めたユニットで、今年で15周年を迎えます。15年の間にも数回のメンバーチェンジを経て現在の体制となり、西田麻梨果の加入から6年、秋林彩の加入からは3年が経過しました。 ニッチクラフトは小道具(広義)を取り扱う集団ですが、チームであってチームでないというか、個人個人の方針と責任に基づいて

          ニッチクラフト(ぼくら)の時代

          南京豆NAMENAMEの「俺(たち)が居ないと世界は平和」、頭ごなしに否定されれば一人前に傷つくくせに、開き直りたいわけじゃないからそう簡単に肯定もしてくれるなよ、みたいな心底めんどい俺(たち)の駄々っ子根性を振り抜きビンタで宇宙の果てまで吹っ飛ばしてくれる快作だった

          南京豆NAMENAMEの「俺(たち)が居ないと世界は平和」、頭ごなしに否定されれば一人前に傷つくくせに、開き直りたいわけじゃないからそう簡単に肯定もしてくれるなよ、みたいな心底めんどい俺(たち)の駄々っ子根性を振り抜きビンタで宇宙の果てまで吹っ飛ばしてくれる快作だった

          ニッチクラフトしてみたい vol.13

          本編 議事録(テキスト版ダイジェスト) ・恒例の揃わない名乗り ・かるがも団地の大変小道具を終えて ・過去問が出てきたぞ ・かつて果たせなかった約束の小道具 ・本物(?)は買えるから材料費でそれを下回りたい ・軽さと重心がワビサビを作る ・「形を真似する」だけでは美学に反する ・おれたちのデッサンを見せてやりますよ! ・片手で持てる限界は1m以内 ・赤くてデカいを探しに行こう ・羽子板に似てる?棺桶に似てる? ・巨大羽子板が巨大すぎる ・広がる向きが逆だったかも ・布団た

          ニッチクラフトしてみたい vol.13

          耐荷重1kg未満のハンガーに毎日3kgのカバンを吊るして暮らすとこうなるし、僕はこれをあくまで小道具の実験でしたと言い張ろうと思う

          耐荷重1kg未満のハンガーに毎日3kgのカバンを吊るして暮らすとこうなるし、僕はこれをあくまで小道具の実験でしたと言い張ろうと思う

          フクハン!

          流行りのドラマみたいにカタカナ四文字で表記したら多少はポップになるんじゃないかと祈る気持ちでこれを書いている。本来なら正岡子規にでも倣って「病牀六尺」とでも題したいところだが、しかし病ではないし、ただのワクチン副反応だし、だからそーゆーのって誇大広告ってゆーか、嘘じゃん。嘘はよくないよね-。と私の頭の中の元気なギャルが一度もスマホの画面から目を離さずに云うので大人しくそれに従う。それが大人というものだ。は? マ? マよ。やば。大人やば。私の頭の中のギャルは私の頭の中の消しゴム

          副反応なるままに、日暮らし、ぽかりに向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

          副反応なるままに、日暮らし、ぽかりに向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

          都道府県、東京都は東京っていうし京都府は京都っていうし奈良県も奈良って呼ばれるほうが多いのに今まで誰も「北海」と呼んでる人には会ったことないな。不思議。

          都道府県、東京都は東京っていうし京都府は京都っていうし奈良県も奈良って呼ばれるほうが多いのに今まで誰も「北海」と呼んでる人には会ったことないな。不思議。

          ニッチクラフトしてみたい vol.12

          ふと検索窓を眺めると、 しあわせの青い素材は、すぐそばに売られていたのです。 本編 議事録(テキスト版ダイジェスト) ・せーので名乗るのはまだ恥ずかしい ・海は小道具じゃないけど海を入れた壺は小道具 ・どうにかして光らせたい秋林(恒例) ・直径80cmって直径80cmですか? ・投げテープで広がる海 ・投網で広がる海 ・パラバルーンで広がる海 ・絵があると脳内イメージの整合性が取れる ・茨城県民には眼科画廊が懐かしい ・「海とは何なのか?」を問い直す ・見えるのではなく

          ニッチクラフトしてみたい vol.12

          タワーディフェンスの起源

          畳に穴があいている。爪の先ほど、いやそれよりも小さな穴だ。畳にボールペンを突き刺して抉り抜いたような穴。 私はそれをじっと見ている。感情の動きはない。是も、非もない、ただの事実として。やがて穴の底から一匹のダンゴムシが這い出てくる。 やけに大きいな、というのが第一印象だった。もちろん一般的なダンゴムシに比べて大きいだけで、特段ニュースになるほど巨大な個体ではない。それにダンゴムシはこの場に一匹しかおらず、比較対象となる「一般的なダンゴムシの大きさ」さえも私の脳内に生成され

          タワーディフェンスの起源