見出し画像

翔陽はなぜ負けたのか?パート2

スラムダンクの名勝負の一つ湘北VS翔陽戦を翔陽側から見ていきます。

前回はパート1として長谷川君の立場から書きました。

今日は藤真君はじめメンバー全体のセリフや描写から、敗因を探っていきます。


翔陽高校と海南・陵南高校との違い

翔陽は湘北の三井君の3Pシュートと流川君のダンクにより同点に追いつかれます。

とはいえまだ同点です。

それに思わぬアクシデントにより三井君は交代することになりました。

三井君の代役は木暮君です。

翔陽はこれまでの湘北の予選を見てきているはずです。

プレーヤーとしてなら三井君より木暮君の方が劣っていることは、調査済みだったでしょう。

それでも流れは変わらず、流川君の勝ち越しゴールを許します。

そのままこれといった策は打てぬまま、翔陽は破れてしまいました。


田岡:(藤真が初めからプレーヤーに専念することができていたら・・・

    もし ちゃんとした監督が翔陽に いたら・・・

    同じ結果にはならなかったかもしれんな・・・)

【SLUM DANK新装再編版7巻P346】

陵南の田岡監督は藤真君をかばうようなことを心の中でつぶやきます。


やはり選手として試合の中に入ってしまったら、次々と変わる試合状況を読み正確な判断を下すことが難しいのでしょう。


確かに人の悪い所や改善点ならすぐにわかるのに、自分のことになるとわからないということはよくあります。

あとでビデオで客観的に見直したら「ああすればよかった」「何でこんなことしたんだろ」と色々見えてくるものがありますが、それはあくまで終わった後に、冷静に見えているからと言えるでしょう。


どれだけ客観的に外から俯瞰して見れるか?

これが翔陽高校と、監督がしっかりしている海南高校や陵南高校との違いなのです。


今度同じ状況に陥ったら・・・

苦しい時こそ、第三者の目線に立つように心がけることが必要。俯瞰して状況を見ることができれば、打開策も見つかる。苦しいのは自分だけではない。相手も苦しいのだ。(中略)

相手の心理がわかれば、それを利用することができる。土壇場でそれができるように、普段からの準備、意識が必要なのだ。

【〈なぜ「あと1アウト」から逆転されるのか〉より】


試合においてやることがうまくいかなくなって不安になる。

夫婦間や会社内などの人間関係においても同じと私は捉えています。


自分のことだけで精一杯で、相手の様子がわからなくなっているのです。

逆に言うと相手の心理が少しでもわかれば、対策の仕様があります。

湘北の試合に出ているメンバーの心理を想像していましょう。


赤木、流川、宮城:(4ファールで後が無い桜木花道のところを攻めてくるはず。それを取ってカンターする。逆転した後も攻め続ける。高さはあるが、翔陽は体力的にバテてきている。リードしていたのを追いつかれたことで精神的に追い詰められている。)

木暮:(出てきたばかりだから、オレが一番動ける。誰よりも走って、パスで相手をかき乱して、チャンスがきたらシュートする。高さは無いからその分藤真をマークする。)

花道:(オレは天才だから大丈夫!ルカワなんかにやられるか!スラムダンクを決めてルカワも翔陽も黙らせてやる!!


どのようにして得点するか、相手はどう攻めてくるか、さらに最後まで攻め続ける意志があったと思われます。

それに対して翔陽は作戦がまとまっていなかったはずです。

なぜ作戦がまとまらないのか?


それが章の最初でお伝えした準備なのです。

翔陽は海南に次ぐ県2位の実力校。

湘北との試合前、翔陽はこのように考えていたでしょう。

「試合の後半くらいまで競り合うことはあっても、要注意人物は赤木のみ。流川はまだ1年生で高野と長野なら抑えられる。宮城は伊藤でほぼ互角、最悪藤真が出れば大丈夫。三井は中学MVPだがブランクがあるから、後半は失速するはず。赤い髪(桜木花道)は運動能力はあるが、これまでの試合はずっと退場続きで大したことはない。ここで勢いをつけて決勝リーグだ。今年こそ海南を倒してウチが一位だ」


後半にリードしているならそのまま逃げ切れる。

まさか追い上げられて、同点さらに逆転されることは想像していなかったでしょう。


神:あのルーキーコンビ、藤真さんの想像以上だったかな

確かアニメ版では、海南の神君がこのように言ってました。



想像以上のことが起きると、人間はパニックになって対応できないものです。

その結果翔陽は敗れてしまいます。


しかしこれで、翔陽は大切なことを学びました。

「追い上げられた時にどうするか?」

大事なことは、準備意識です。


そして藤真君は頭の良い選手です。

試合中でも選手目線と監督目線の両方から、客観的に試合を分析できるようになったら?

最後の冬の選抜でどのようにチームを立て直してくるか、

ニュー翔陽を見て見たいものです。


今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

☆【クリリンに学ぶメンタル術】絶賛発売中!!

ドラゴンボールの描写や登場人物の描写から、メンタルのことを解説した教科書になっています。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?