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MINTでこれから本当に創り上げたいのは、生涯にかけて原動力になる「守られ自分を解き放つ場所」【これからのMINT編】

<振り返り編>はこちらから

いま、共感力と意識を持った大人の行動が必要なとき

2020年、コロナウイルスが世界中のこれまでの常識を変えていきました。私達はみんな、これまでの生活様式を変えざるを得なくなりました。
医療とテクノロジーの発展でワクチンがスピーディーに開発され、現在欧米を中心に、New YorkやSan Franciscoではこれまでと同様な生活に向け徐々に戻り早くもオフィス勤務を再開したという企業も出てきています。

一方、インドを始めとした発展途上国では、インフラ面や公衆衛生面での課題が浮き彫りになり、いまだに死者数が増えている地域があります。

先日実施されたG7会議では、世界の経済大国7カ国のトップが集まりアフターコロナのグローバル戦略やパートナーシップについて討議しました。

そこで明らかになったのは、途上国ではいまだにアフターコロナの戦略を描いていけるそんな余裕のある状況ではなく、G7各国レベルにワクチン接種の状況を引き上げるには、*57年もかかるという見込みも出ています。

これは、世界は依然、大きな格差、分断ができてしまっていることを象徴しているでしょう。

また、世界の中では豊かなアメリカ国内でも、人種・経済格差(Systemic racism) は依然続いている状況で、労働環境の違いにより、コロナウイルスによる死亡率では黒人のアメリカ人の死亡率は白人のアメリカ人よりも40%高かったことが報告されています。日本でも、失業者は特に低所得者層から出ており深刻な打撃を受けました。

そしてコロナウイルスは経済格差だけではなく、ジェンダー格差についても浮き彫りにしました。

世界的にパンデミックによる失業のうち女性が多く占めていたこと、そして日本では、2020年における総自殺者数のうち男性は前年よりも減少傾向にあったものの、逆に女性は増加に転じました。暮らしや仕事の問題(非正規雇用の多さなど)や、ステイホームによるDV被害、育児の悩みの深刻化など複雑な問題が複合的に絡み合っての結果起きた現実です。

コロナウイルスは私たち人類に何を突きつけたのでしょうか?

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(氷山モデル。表面的に現れる出来事は、その背後にある繰り返し起こる現実、さらに構造的な問題、その奥にある人々のメンタルモデルから生じていくことを表す。)

発展途上国や先進国の低所得者層のコロナウイルス感染、女性の自殺率増加などは、コロナウイルスをきっかけとして表面に出てきていただけのことで、すでに社会の中でこれを引き起こす土台となる構造的な問題や、さらには私たち自身が持っている意識、思い込みなどのメンタルモデルはずっと存在していたということです。

そもそもコロナ前から根深くこの構造は出来上がっており(元々経済格差が起こるような社会構造になっていた、元々ジェンダー格差があり女性に対する偏見、バイアスは存在していた)、そこで不利な立場にいる人々がコロナが起きたことで、真っ先に犠牲者になっていっただけ、ということになります。

コロナが収束した後もこの根深い構造的な問題や我々が持っているメンタルモデルは残り続けるでしょう。

子供世代、またその次の世代にもこの構造が続き、今後新たな外的脅威(新しい伝染病や政治体制の変化、気候変動など)が起こったときに再びこの層の人たちが犠牲になる仕組みを持ち続けていって良いのでしょうか?

いま、私たち大人ができることはなんでしょう?
今の私たち大人の世代がこの構造が起きていることを認識し、受け止め、自分たちとは異なる立場の人たちへの理解をしようと努め(=共感すること)、何か行動を始めていくことで、徐々にこの溝が深まることを防いでいけると信じています。

年齢関係なく様々な世代の大人がお互いの異なる価値観や自分のバイアスを認識しながら、お互いの違いを受け止め歩み寄りながら行動をしていくことが大切になってくるでしょう。これは言うが易しで、実際にできる大人は果たしてどのくらいいるでしょう?


MINTのインパクトデー

Project MINTの10週間のプログラムでは、多世代の「これから自分軸で人生を切り開いていきたい」という大人たちが集まっています。

これまで組織や市場価値の期待値を意識してはきたものの、個人としてのパーパスや生涯にかけて解決したい課題についてはそこまで考えてはきていなかった、という大人たち。
参加当初は、自分のパーパスや生涯にかけて解決したい課題についてはまだ明確ではなかった大人たちが、次第に変身していきます。

プログラムを通して、自分から湧き上がるパーパス、その先に実現したい世界や広めたい価値観(= ビジョン)、そのビジョンを果たすための活動計画、誰のどんな課題を解決していきたいのか(= ミッション)を磨いていきます。

仲間と互いの自己内省を対話し、様々な複雑な社会課題について意見を交わし、各自のテーマを深掘りし、問題意識を明確にしていきいます。自分とは何者で、何を人生を通して次世代に残していきたいのか?どんな信念に忠実に生きていきたいのか?誰のどんな問題を解決するために異なる利害関係のステークホルダーの考えも理解し歩み寄っていく必要があるのか?と考えていきます。

そして、その集大成として”インパクトデー”で各自が、これからどんな課題解決をテーマにし取り組んでいきたいのか発表しその分野の有識者と対話をし繋がっていきます。

これまでの卒業生27名、それぞれが課題意識を発表していきました。重要な社会課題をテーマにするという趣旨ではなく、一人一人のこれまでの原体験から当事者として身近に抱えていたものを起点とした課題を取り上げていきます。

<インパクトデーのテーマの例>
「Well-beingと経済的利益の両立」
「女性の貧困」
「就職氷河期世代と彼らの働き方」
「地方と東京のリソース分断」
「障害者と健常者が生き生きと暮らす社会」
「環境問題への意識が低い日本の大人」
「子どもの個性を引き出す家庭、教育づくり」
「不登校児の居場所づくり」
「高齢者の孤独死のない社会づくり」

以上が実際に卒業生がインパクトデーで掲げたテーマの例の一部です。
これまで会社や組織の中の枠組みで成果を出すよう取り組んでいたフェローたちが、個人として、本当に自分が解決していきたい課題に目覚め、意識的に行動をしていきます。

フェローたちが取り組む課題のテーマは一見、それぞれ異なりバラバラのように見えますが、
その奥にある根本的な構造やメンタルモデルでは重なる部分が多く、それぞれがつながっています。

一人でも多くの大人が、世界のために自分が当事者として本当になんとかしたいCause(課題)のために意識的に良い方向へ向けた行動をしていったら。世界のこれまでの構造は少しでも変わっていくのでは、と信じています。レベル感や取り組みのペースは人それぞれではあるものの、この積み重ねはきっと意味をもたらしていくでしょう。
そこに私はMINTの可能性と存在意義を感じています。
(「ひとりの可能性を信じ、解き放つ」が私のパーパスです。)

そこで、卒業生がMINTを卒業後、インパクトデーで掲げたテーマの行動を継続していけるために、卒業後の選択コースとして、”Monlighting” という、各自のパーパスと共感する企業で複業し、卒業生が社会に還元する成功体験をしていく機会のマッチングを希望者に対して行っています。現在卒業生の7割がMoonlightingに取り組んでいます。

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(Moonlighting Partnerの企業たち。様々な領域の社会課題に取り組むプレイヤーたち。)

Moonliightingを通して、社会に還元する成功体験を積み、その自信を糧に、卒業生が会社、家族、友人たちのコミュニティのどこにいても、自分らしさ、彼らの意図を持ったポテンシャルを発揮し、それぞれのコミュニティ、そして社会へ還元して行ってもらいたい、そう願っています。

卒業生たちが、社会に還元していく行動を積み重ねていく。将来的に、このMINTとしてのコレクティブインパクトを育んでいきたいと思っています。

3年後を目標に、
Project MINT10週間の卒業生たちが取り組んで行ったこの課題で、共通の意識をもつ卒業生や有識者が繋がり、共にその課題について取り組み、課題解決に向けたプラットフォームを創っていけるような仕組みを構築していきたいと思っています。

そして5年後には、日本で構築したMINTのコミュニティ、インパクト創出のエコシステムを、アジアへ拡大していきたいと考えています。

このMINTのさらなる進化を生み出すムーブメントは、これから卒業生達と共に創り上げていきます。MINTがこれから本当に目指したい、卒業してからも生涯にかけて卒業生の原動力になる「守られ自分を解き放つ場所」のエコシステムを才能豊かな卒業生達と共に創り上げていくていくことを楽しみにしています。まだまだこの冒険ジャーニーは始まったばかりです!

共に、このムーブメントに参画してみたい、という大人の方、どなたでもお待ちしております!

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(卒業生、コーチなどMINTコミュニティメンバー達と。4月4日の第2期インパクトデーにて)

Fin.

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