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MINTでこれから本当に創り上げたいのは、生涯にかけて原動力になる「守られ自分を解き放つ場所」【振り返り編】

Project MINT創設者の一人、Tomoeです。
メルマガを立ち上げてあっという間に1年が経ちましたので、この機会にMINTを始めた振り返りと改めて原点を見つめ直し今湧き上がる想いを共有したいなと思います!

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植山智恵プロフィール
埼玉県の学校の先生一家に生まれ、津田塾大学卒業後、ソニーに入社。急速に市場や経済の環境が目まぐるしく変わっていったのに対し、教育現場での学び方は一向に変わっていないギャップに疑問を感じ始める。2015年渡米し、その問題意識を追求し始めることを決意。シリコンバレーで、ソニーの新規教育系スタートアップで米国市場進出、教育テクノロジー事情の調査に従事。これからの働く環境の中で立ち向かうスキルを養う先進的なミネルバ大学と出会い、自身も新しい学び方を体験したく、大学院のパイロット生として学び始める。2019年ミネルバ大学大学院修士課程を修了。個人が変革する可能性は、テクノロジーの進化以上に価値があると信じ、2019年日本に帰国してProject MINTを立上げる。”ひとりの輝きを信じ続ける” ことを自身のパーパスとし、一人ひとりの大人の才能の開花、共に創りあげるコミュニティに可能性を感じている。

これまでの総括とこれから

2020年3月にまだ構想段階だったProject MINTのパイロットプログラムを0期生5名で実施してから、あっという間でした。ミネルバ大学の教授のGloriaがCo-founderに参画も決まり、コーチとしてMINTで働いてくれる仲間を集め、Meaning, Ikigai, Network and Transform (MINT)として、パーパスを起点に学び働き自己革新し続ける大人を養成することを目指して、2020年10月に第1期プログラムを本格開始しました。2021年2月に第2期、6月に第3期を運営しています。これまでの1期~3期を通し、「これからの人生を自分起点で歩んでいきたい」「そのために必要なスキルや繋がりをMINTで得たい」という意欲に溢れた多世代の大人が参加してきてくれています。

新しいフェローを迎える度に、本当にいろいろな想いを持った大人と出会い、私自身も彼らと共に自己革新のジャーニーを走っていくことでたくさん学ばせてもらってます。でもProject MINTは、この10週間のプログラムを運営してきたからといってミッションが果たせたとは言えません。今ようやくスタート地点に立った、という段階でしょうか。今回の記事では、今のMINTがどんな地点にいてこれからどんなことを目指しているのか、イメージをお話ししたいなと思います。長くなってしまったので、前半の振り返り編とこれからのMINT編と分けて発信していきます。


自己革新は年齢問わず”コンフォートゾーンとの闘い”

これまでのフェローたちは、
IT企業経営者の方で成功されている方、誰もが知る大企業で働く方、今ときめくベンチャー企業や社会課題に取り組む意欲的な方など、20代から60代まで、様々な社会人が共に密な学び場を共有していきました。

ますます不確実になる社会の中で、これまでのやり方では通用しなくなったので新たに自分を見直し突破口を見つけたい、と危機感を感じて参加されるミドル世代の方だけでなく、20代前半でこれからの長い人生、自分の軸をしっかり持っていきたいと決意をし参加される方もいました。当初はミドル世代に特化したプログラムを考えていましたが20代からのニーズもあったので年齢問わず社会人を幅広く対象としたプログラムとしてスタートしました。

Project MINTの10週間の自己革新コースでは、1. Mind Hack(自分の内面と向き合う3週間) 2. Mastery of Wisdom(自分と社会の関係性を言語化する21世紀型アクティブラーニング)で構成され少人数グループで学んでいき、その間、毎週 3.Mentorship&coaching(専属コーチと毎週じっくり個別に内省)をしていきます。

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特に1. Mind Hackの期間では、これまでの自分の思考の癖や思い込みと向き合いながらもこれまでの自分を形成してきた奥底にある価値観に気づき、個人としてこれからどう生きていきたいのか、と向き合っていきます。
この時期は誰もがモヤモヤしたり、自分自身を理解し受容することに難しさを感じていきます。

自己内省では戸惑いや不安、湧き上がってくる感情と向き合いながら、クラスの仲間と対話をしながらモヤモヤを言語化していき、お互いに共感し合うことで、自分自身のことを受け入れることが少しずつでき共に向き合えるようになっていきます。

「これからどんな自分でありたいか」と向き合っていくことに、正解はないですしこればかりは、誰かが教えてくれるものではなく自分の中で腹落ちしたものでなければいけないからです。これを私たちは「健全な絶望感」と呼んでいます。誰かが言った答えに従うのではなく、答えは自分自身の中で見つけていかないといけないのです。この過程は孤独で、攻略法や先例がないことで不安を覚えますが、この絶望を一旦知り、それと健全に向き合っていく姿勢が大事だと私たちは考えます。これについて卒業生の一人が、MINTは、”これからの時代、どう生き抜けばいいのか、答えはなく自分で探すしかないことという「答え」を教えてくれた”、と言ってくれました。

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(コンフォートゾーンから、健全な絶望感と向き合いながら、グロースゾーンへと成長していくモデル)

この過程を共有する仲間たちは、年齢、バックグラウンドや価値観の差はあれども、同じようにそれぞれのコンフォーゾーンを「健全な絶望感」を持ちながら、超えていき内面的に成長していくグロースゾーンを目指していくことを共通言語としながら、仲間としてつながっていきます。一人ひとりの成長をお互いがサポートし合う、学び場が出来上がっています。

1期生集合写真

(1期フェローの写真)


プログラムを卒業するフェローたち

MINTの濃密な10週間のプログラムでは、フェローはある意味守られた環境でとことん自分らしさとその創造性を追求します。
10週間を終え、卒業したら終わりではありません。(MINTは卒業しない学校ですから!)

フェロー達はそこから生涯にかけて「健全な絶望感」を抱えていきながらも日常の中に、もともと所属していた組織やコミュニティ、家庭などのあらゆる場で、自分のパーパス起点の活動を意図的に取り入れ自然に周囲に還元していっていけるように行動していきます。


しかし、そうは言っても私たちが生きるいまの社会のほとんどの場では、組織単位でゴールが定められています。組織は生産性追求のために成果を求め、個のパーパスややりがい、幸福の追求よりも組織全体としての効率化を優先せざるを得ない状況があります。
卒業生の中には、本業先では、自分らしさは控えめに発揮しつつ業務をこなし続ける一方、MINTや別のコミュニティでは自分らしさやパーパスを体現して生き生きしている。このように場所によってある意味”仮面を使い分けている”(使い分けざるを得ない)こともあるかもしれません。

これについて良い、悪い、という価値判断ではありません。

この社会で生きていく中で、誰もがこのシステムの一員であることは変えることはできないので、場所によって自分の仮面の使い分けは誰もが直面する課題なのではと思います。

「個人のパーパスを起点に、ポテンシャルを発揮していくこと」と「組織は存続のため営利を追求していくこと」と、この相反する考え方が共生している今、
どうやって、このシステムの中で、フェローがプログラムを終えた後でも、あらゆる場で自分のパーパスを起点に行動して行けるのだろう?

Project MINTはこれから特にこの問いに対して、向き合っていかなくては、と感じています。

パーパス起点の生き方に転換した後に感じた疎外感

私自身、MINTを始めるだいぶ前ですが日本の大企業に8年間勤めていたんです。その時は、まだ複業だとか個のパーパス、Well-beingを生かした経営、と言ったことが今ほど浸透していなく、個は企業の組織の期待に応えより良い条件で勤務し続けることがよしとされてきました。私自身も当時は、「自分らしさ」は職場や働く過程で発揮できるものではないと思い込んでおり行動に移すまでにだいぶ時間がかかりました。

偶然にも環境の変化で家族が渡米するという転機が訪れ、私の場合は、これを機に自分の想いに忠実に行動してみよう、と会社を辞め、仕事を通して本当に自分がやりたいことに沿った自己表現のために一歩を踏み出すことができました。

しかしその後、私がぶち当たったのは、疎外感だったのです。
自分の想いに忠実でいたい、と行動に起こしてみたものの、私自身のミッションや想いに共感してもらえる人と出会えるのは難しかったのです。これまで1つの会社にだけ働いたことがあるだけの人脈やネットワークでは多様性に欠け、私がこれからやろうとしていることに対して、これまでの肩書のフィルターを通して見られるだけで完全に理解してくれた方には会えませんでした。次第に「私のこの想いってやっぱり変なのかな?価値がないのかな?間違っているのかな?」と不安になり、自信を失ってきました。

自分の軸を貫いていくということは、周囲から受け入れてもらったり認めてもらうことで実現するんだな、と当時を振り返ると改めて思います。矛盾しているようにも思いますが、所詮人間は独創的でありたいと思いつつも一人では生きられないのかもしれません。

そこで私がとった行動は、移住先のサンフランシスコで、関心のあるテーマで、似たような考えを持つ人たちのいるコミュニティに意図的にでむき、想いを語り合い、つながる、ということを積極的にすることでした。幸いにもサンフランシスコは、イノベーションを生み出す土地柄、基本的にネットワークイベントでは前向きに肯定し合う、というカルチャーが根付いていました。言葉や文化の壁はあったものの、「個を大切にする学びをもっと広めたい」という私のビジョンが、現地の教育関係者の方々に共感してもらい、どんどんその方達から人を紹介してもらったり、お仕事の案件をいただけるようになりました。嬉しかったのは色んな人から自分の話を聴いてもらえて受け入れられ、「自分は間違っていない」と思うことができたことでした。

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(個人のパーパスが推奨されていない組織にいる個人が、コミュニティレベルでの働きかけ”互いのパーパスの共感を通しサポートする”ことにより”自分のパーパスに沿った意図のある行動”が生み出され、”セルフマネジメントを通し個人のパーパスと合致する行動を選択し組織に促していける”ようになるループ図)

それにより、自己肯定感も高められた私は徐々に自信がついていき、自分のパーパスに沿った意図のある行動をとっていくようになり、セルフマネジメントをとりながら、関わる組織に対してもパーパスと合致する行動をとるようになり、(取引先などの)組織との関わり方も良好になっていきました。結果的に「誰かから分かってもらえた」ということは強力な原動力にもなっていったんです。


MINTは、「守られ自分を解き放つ場所」

時代も変わり、いま個の多様化と経済成長を両立させよう、という社会のパラダイムシフトは起ころうとしていることは多くの人が気づいていることだと思います。

あらゆる大人の個人をエンパワーすることをミッションに掲げるMINTでは、何ができるのか?

それは、この働き方の常識が変わろうとしている転換期で、フェロー達が目指す生き方、時には、まだ存在する従来型の働き方の考え方との矛盾についてともに分かち合い、向き合い、共感者が集まり繋がれる場なのではないかと感じています。

つまり、「あなたの生き方はこれで良い、時には組織に合わせることもあったっていい」とフェローたちの多面性やありのままを肯定すること。自分だけが違うのか、と疎外感を感じさせない、安全で守られた場が必要です。そして、その先に、自分のパーパスを存分に発揮し各々の分野を追求していける、失敗を恐れなくていいような自分のバリアーを解き放って行って前に進んでいける、「守られ自分を解き放つ場所」 を創り続けていくことなのだな、と感じています。

家族、友人たちなど様々なコミュニティで、フェローがパーパスを起点に意図のある選択をし効果的に関係性を構築し、全人性を発揮してほしい。究極的に目指したいのは、フェローがどの場に行っても自分らしく表現していることを自己決定している状態です。それが外からの外圧や恐れに反応してしまうことなく、それを俯瞰し受容しながらも、いずれは自然に自分起点の願いを体現して行って欲しい。

個人の意図ある行動を後押しし、それが組織へ伝染し、卒業生たちが社会の変化にしなやかに適応し社会に還元し歩んでいけるように今からMINTとしてできることがあると思っています。


<次編に続く>

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