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あなたのお悩みは、「読書力」が解決してくれるかもしれない

※この記事は、不登校支援サイト「ストップオーバー」に掲載された記事と同一です。

こんにちは、森岡です。

皆さんは、最近どんな本を読みましたか? 毎月何冊読んでいますか?
パッと答えられるほうが、今は少数かもしれません。
しかし、誰が悪いわけでもありません。単純に、今まで読書する習慣がなかったのです。

今回は、読書が習慣付いていないかたへ、齋藤孝先生の『読書力』(2002年出版,岩波新書)という本を紹介します。

この本は不登校になった頃、読書習慣のなかった私に強い影響を与えた、思い出の一冊です。同時に、児童書から一般書籍に移行するきっかけになった一冊でもあります。

『読書力』との出会い


私は小学生のころは絵本や児童書、『ハリーポッター』などのメジャーな作品だけを読んでいました。しかし、中学生に上がってからは授業と部活に追われ、本に触れる機会が減りました。

そんな時、この本がTV番組で紹介されていて、読書そのものに目を向けた本書に興味を惹かれて、母親に買ってもらいました。

なぜ読書したほうが「マシ」?


読書しないよりも、したほうが「マシ」だというのは理解できると思います。
しかし実際は、年齢が上がるたびに読書量は減り続けるのが一般的です。

こと子どもにおいても同じで、全国学校図書館協議会|調査・研究|「学校読書調査」の結果 (j-sla.or.jp)によると、中学生は月4冊前後読書をしますが、一方で高校生は月1.5冊程度、そもそも月に本を全く読まない割合が55%を超えるなど、読書離れがはっきりしてきます。

読書をすれば何が「マシ」になるのでしょうか。

何となく「賢くなれる」というイメージでは、中々読書しようと思えませんよね。実は私たちは、読書についてあまり深く考えていないのかもしれません。

「読書力」は何をもたらす?


では、齋藤先生が語る『読書力』は、何をもたらしてくれるのでしょうか?

本書によると、「教養があるということは、幅広い読書をし、総合的な判断を下すことができるようになる……」(50p) とあります。

例えば、私が最近読んだ本にジョージ・オーウェルの『動物農場』があります。

こちらは簡潔に言うと、人間に虐げられていた動物たちが、牧場から人間を追い出して思い思いに生きれる楽園を作ろうとするのですが、一部の私利私欲を働く動物によって、さらにひどい状態になってしまう……という話です。

小説には、社会情勢を物語に置き換えて描いているものが数多くあります。それ自体で歴史の勉強になります。それに先ほどの例で言えば、もし自分のいる部活やグループがこういう状態だったとしたら、何か課題を克服するときの助けになります。

齋藤先生は読書をすることで、思考力が身につくと語っています。

読書力は自分の経験だけでなく、本の著者から学んだ「他者の経験」を用いて考える力をもたらしてくれるのです。

どうやって「読書力」を身につけるのか?


詳しくは『読書力』を参照して欲しいのですが、中に書かれている手法を少し紹介しつつ、私が試してみた感想を書きます。

・文庫100冊を四年間で読む
だいたい月二冊読んでいけば、ちょうど達成できます。齋藤先生は全ての本を最後まで読み切ることを目標にせず、たとえ二割しか読んでいなくても、その本の要点(大事なポイント)を抑えられていれば読んだことにしてもいいと語っています。

もちろん、この「要点」をいかに効率よく抑えるか、というのが難しいと思います。

何冊も読むうちに、読書途中で「つまりこの本はこう言いたいんだな」と自然に理解できるとき、成長を感じて嬉しくなります。

・本に3色ボールペンで線を引く
赤は「すごく大事」、青は「まあ大事」、緑は「面白いと思った」箇所にボールペンで線を引きながら読む手法です。線をどこに引くのかを考えながら読むことで、本の内容をより深く理解しようとするので有用かと思います。

私は本に線を引くことに抵抗があったので、代わりに3色のふせんをページに貼り付けていました。

・書籍リストを参考にする
『読書力』には巻末に齋藤先生が選んだ書籍リストが付属しています。そのリストを頼りに読書するうちに、自然に一般書籍に手をつけるようになっていきました。今まで大人向けの本を読んでこなかった私にとっても読みやすい本が多いので、参考になりました。

・古本のススメ
全て新品で揃えることが望ましいものの、学生は自由に使えるお金に限りがあります。古本だと値段が安く気軽に手に取れるので、オススメです。

古今東西、様々な作品が並ぶ古書店に足を運んでみるのも楽しいですよ。読書を続けて詳しくなればなるほど、積み上げられた本が宝の山に思えてくるでしょう。

・読書記録をつけておく
-自分がどの本を読んだか記録するのはもちろん、評価やどこが面白かったかなどの感想を書き記すことで、読書体験を振り返るときに役立ちます。

読書メーターやブクログなどの、気軽に書けるアプリを使うのがオススメです。

始めたての頃は読むだけで精一杯だったり、読書に対して面倒くさくなることもあると思います。そういう時は無理せずに自分のペースで、まずは読書を「続ける」ことを目標にしましょう。読書力は続けることで必ず身につきますし、あなたの助けになってくれます。

『読書力』を読んで、実践することから始めよう!

今回もお読みいただきありがとうございました。
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