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表裏一体の日本のおもてなし

表裏のない真心でもてなす

「おもてなし」の語

もてなすの形容詞「もてなし」に、
丁寧語「お」を付けた言葉です。
この「もてなし」の語源は、
モノを持って成し遂げる
の意味です。

ひらがなの「おもてなし」は、
表無し」或は「裏表なし
とも書き表わされます。

二つの人やモノの関係が、物事の
表と裏のように密接で切り離せない
【表裏一体】と解します。

また、日本人の特質とも言える、
内面(ウチヅラ)外面(ソトヅラ)にも
類似しているとも考えられます。

おもてなしの表裏の心は、
お客様をもてなす際の表の「モノ
と裏の「コト」を表わしています。

は、目に映る様々な形や言動、
リアルな「モノ」を指し、
は、目に見えない心
バーチャルな「コト=心」を指します。

言い換えるなら、
接するスタッフの心の裏に隠された
もてなす心、お客様を思い遣る心で
五配りの活動のもてなす接待をする
ことを大切する心身の活動です。

この「コト」は舞台で言えば、
「黒子の役割を果たす」心構えを言い、
サービス業であればお客様に接し
接客する際に、お客様へお世話や
気遣いを影の様にさり気なく行い、
何気なく接することを指します。

この表に見えない裏の心こそ、
おもてなし」に最も大切な心で
あると意識することが肝要です。

これは、飲食業ばかりではなく
全てのおもてなし・接客の作法・所作
接遇サービスの業種に当て嵌ります。

おもてなし」の「」と言われるリアルに
目に映る情報(笑顔、言葉遣い、お辞儀、
姿勢、態度など)態度を身に付けるには、
私達が先輩の背中を見て修得して来た
以前と異なり現在は多種多様なネットや
本などの情報や基本となる形?の概要は
ガイドライン・マニュアルで知得出来ます。
作法・所作はインストラクターと言われる方
が提供し、教育指導してくれます。

しかし、
もてなし・接客する個々人の個性
に合わせたおもてなしの裏「コト」に
ついての表現伝達に必要とされる
個々人の個性・感性に合わせた
心の持ち方や育て方」まで学ぶことは、
他人や情報からの知識や情報だけでは
どうしても得ることは出来ません。

おもてなしの場においては、
もてなす側、もなされる側の人、
は十人十色の感性を備えています。

型通りマニュアルだけでは様々な個性の
あるお客様の心にピッタリマッチした
心と心の通い合う「本物のおもてなし
の提供出来ません。

その様なお客様の個性に合わせた
おもてなしの仕方、接する人に合った
おもてなしの表現や伝達が、
大切なお客様の心を動かし、
感動、感銘や余韻を与えられるのです。

この厳しい時勢を乗り越えるためには、
この隠された裏の心「コト」=体験により
生まれる感情
を味わって頂くために、
大切なお客様に、表現伝達する
思いやりの心身の活動」や「感謝の心
の感じられるおもてなしの所作(気配り)、
の言動に務めることがポイントです。

優しい目線、柔和な表情で、
お客様を観察するのみでなく、
常にお客様の立場に立ち、
気遣いし、心を配りお客様の
何らかのアクションがある前に
いち早く察知し、それを素早く
様々なお世話やサービスを
提供をする心身の活動こそ、
貴方にしか出来ない素晴らしい
「真心のおもてなし
」です。

そのためには、
ちょっとした言葉の使い方や仕草、
僅かな表情、行動の変化から
お客様の心理を察する鋭い察知力、
洞察力を身に付けなければなりません。

例えば、お水を一気に飲まれたり、
料理の召上り方が早ければ、
一早く冷たいお水の提供が出来るよう
グラスに氷を入れて用意をしたり、
調理の方に依頼して次の料理を
早めにお出しする行為に心掛ける。
この様な影の黒子の役割をお客様の
目線になり、シッカリ果たすことです。

また、【感動」は言うまでもなく、
お客様が期待されている以上の
ことを感じた時に味わって頂けます。

故に、
行ったことに対し感動の見返りを求める
サービスは「おもてなし」ではありません。

お客様に「お陰様で、有難い」と思う
謙虚さと感謝の気持ちで裏の「コト」を
感じて頂ける「おもてなし」です。

豆知識
▶黒子は歌舞伎や日舞の舞台などで
 顔まで黒の布で覆った人を言います。
▶礼服(黒服)の黒は、相手に対し
 「表に出さない裏の心」と「礼」を表わし、
 白は汚れのない無垢な心と清潔感を
 表わしていると言われています。

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