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日本のおもてなしは表無し(表裏一体)

おもてなしと言われる心身の活動には
日本独自の応対的おもてなしと、欧米
の対応的なサービスで客人のお世話を
意味するホスピタリティ(ホテル・病院)
の二つがあります。

その違いは、
私達平民も味わえる日本風のおもてなし
最高級ホテルだけが提供する平民では
とても手の届かない高価格で対応的な
欧米風接客サービス
を意味する欧米風
のおもてなし(ホスピタリティ)があります。

私見ですが、
近年国内に欧米資本の豪華ホテルが
増えているのは世界中に唯一無二の
日本風のおもてなしの魅力に共感し
それを取り入れた新たなサービスを
日本国内で展開するためではないか❓
と受け留めています。

日本国民の文化である「おもてなし」
<裏表なし>と言われます。
敢えて「裏表なし」と「表なし」の二つの
意味があると解します。

この表裏とは、お客様(客人)をもてなす
際の「モノ」と「コト」を意味しています。

その表はリアルに見える「モノ」を指し、
目に見える様々な商品(メニュー)や言動、
裏は「コト」を指しお客様に接しサービス
するスタッフの裏に隠れた思い遣る心で
応対することを表現しているのです。

即ちそれは、
眼に映るリアルなサービスやモノ(商品)
の裏に隠れているコト(作者の心)を意味
しているのです。


この「コト」は舞台で喩えると、
黒子の役割を果たす心構え」を言い、
お客様に接する際、その客人の個性
一早く察知推測(慮り)、お世話や気遣い
をさり気なく影の様に行い接客応対する
ことを指しています。

この表に見えない主人の裏の心こそ、
日本風のおもてなしに最も大切な心です。

これは、飲食業ばかりではなく全ての
接客・接遇サービス業種に当て嵌ります。

日本風のおもてなしの「表」と表現される
目に見えるもてなす側の所作=仕草は
(笑顔、言葉遣い、お辞儀、姿勢、態度)
は私達が先輩の背中を見て修得して来た
以前と違い現在は、多種多様な情報や
マニュアルをネットやコンサルタント、
インストラクターと言われ方が提供し、
指導したりしてくれます。

しかし、
顧客(=客人・お客様)と接客応対する
其々の個性に合わせた日本風おもてなし
の「コト」(心)の伝達や表現に必要とされる
個人に見合った「心の持ち方」までを学び
知ることは、他の人間や情報からの知識、
情報だけでは充分とは言えません。

もてなしの場においては、
もてなす側も客人(お客様)も十人十色です。

型通りマニュアルやガイドブックでは、
多種多様なお客様にピッタリマッチした、
心の通い合う和のおもてなしは出来ません。

多種多様なお客様の個性にピッタリ合った
おもてなしの仕方、もてなす人に合わせた
おもてなしの表現や伝達が大切なお客様の
心を動かし、感動、感銘や余韻を与えます。

今後厳しい高齢化社会を乗り越えるために、
この隠された裏の心「コト」(体験)を体感して
頂くために大切なお客様に表現伝達する
思い遣りの心を表す所作感謝の心の感じられる
温かな言行態度のおもてなしが重要です。

優しい目線、柔和な表情でお客様を
観察するのみならず常にお客様の立場
に立ち、気遣いし、お客様から何らか
のアクションがある前に様々なお世話や
サービス提供することこそあなただけに
出来る【本物のおもてなし】です。

そのために、
ちょっとした仕草や僅かな表情の変化
からお客様の心理を察する鋭い察知力
を身に付けなければなりません。

例えば、お水を一気に飲まれ料理の召上り方
が早ければ一早く冷たいお水の提供の出来る
ようグラスに氷を入れて用意をし、調理人に
依頼して次の料理を早めにお出しするとか、
この様な影の役割を何気ない気配り(配慮)の
意識と仕草でシッカリ果たすことです。

言うまでもなく、
感動はお客様が期待されている以上のこと
を感じた時に味わって頂けるのです。

故に、行ったことに対し感動の見返りを
求めるような接客はおもてなしとは言えません。

お客様に「お陰様で、有難い」と思う感謝の心
を表現伝達する所作を以って「もてなし」の
心身の活動が何より大切です。

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