事務所内の怒鳴り声や悪口。聞こえるのが苦痛。どうすればいい?
はじめに
法曹向けメンタルヘルスケアサポートを行っているAmiです。今回は第2回目です。事務所の居心地が悪いときのストレスについて解説していきます!年末にかけて忙しくなっていく皆さんのお役に立てますと幸いです。
事例
Q1.どうしてストレスになるのか?
A1.他人に対する怒鳴り声や悪口を自分が言われているように感じるから
自分が怒られているわけではないけど、パートナーがアソシエイトを怒鳴りつけている。
自分が悪口を言われているわけではないけど、事務員がパートナーの悪口を言っている。
そういうとき、頭では「自分が言われているわけじゃないし」と分かっていても、事務所に居心地の悪さを感じますよね。
それもそのはずで、人の脳には、ただ観察しているだけのこともあたかも自分自身が体験しているかのように感じる機能が備わっているからです。この機能が備わっているおかげで、人は見ただけのものでも比較的簡単に模倣することができるのです。これを「ミラーニューロン」と言います。
しかし、今回の事例に挙げたような状況だと、このミラーニューロンがマイナスに働きます。人が悪く言われているのをあたかも自分が悪く言われているかのように感じさせるからです。
ミラーニューロンと感情の関係については、以下のHarvard Health Publishingの記事もご参照ください(該当箇所の和訳は末尾にあります)。
https://www.health.harvard.edu/blog/brain-science-to-improve-your-relationships-2018100414922
Q2.どんなストレス反応が出るか?
A2.涙が出たり、腹痛になったり様々
人が悪く言われているのを観察することで生じるストレスには様々なものがありますが、「自分が人から実際に悪く言われたとき」に生じる反応が生じると考えて差支えありません。
人によっては涙が出てくるし、お腹が痛くなる人もいます。頭が真っ白になる人もいれば、イライラし始める人もいます。本当に様々です。
Q3.ストレスへの対処方法は?
A3.その場を離れる、後でフォローする
このようなストレスがあるとせっかく事務所まで出向いているのにまったく仕事になりませんよね。
そういった場合は、その場を離れるか、テレワークに切り替えてそもそも事務所に行かない、怒鳴りつけられた人を後でそっとフォローする(こうすることで自分がフォローされたように感じるはずです)などが効果的な対処方法になります。
どれか一つでも試せそうなものがあれば、ぜひ試してみてくださいね。
終わりに
愚痴を言うことはストレス解消にもなるので完全に悪いことではないですが、愚痴や悪口をずっと聞かされる立場になるのは厳しいものがあります、、、怒鳴り声も同様にあまり聞かされる立場にはなりたくないものです(もちろん怒鳴られる相手にもなりたくないですね)。
まずはその場離れるなどの対応をしてみて、それでもどうしてもキツく感じることがあれば、同期や同じ事務所の弁護士等に相談してみてはいかがでしょうか?
もし事務所内で相談しづらい・相談先がなくて困っている時は、是非Amiのカウンセリングをご検討ください!弁護士会のメンタルヘルス研修での講師経験や弁護士業務に精通したカウンセラーが相談を受けます。個人でも事務所単位でもご利用可能です。
個人でのご利用
https://lawyer.ami-wellbeing.com/
事務所でのご利用
https://forfirm.ami-wellbeing.com/
また、Ami以外の相談先としては、所属弁護士会の相談窓口や知り合いから相談先の紹介を受けたり、弁護士会のカウンセリングを利用したりすることも考えられます。
1人で抱え込むよりも話すことでストレスの軽減を図る方が合理的で迅速な解決になるかもしれません。是非「他の方へ相談すること」を頭の片隅に置いておいてください。
年末から年明けにかけてストレスマネジメントの記事を連載していきますので、ご興味あれば引き続きお読みいただけますと幸いです。
参考:「Brain science to improve your relationships」(Srini Pillay, MD, Contributor, 『Harvard Health Blog』, October 4, 2018)関連箇所の和訳
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