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マネー・MMT

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MMTのルーツは新左翼思想
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2021年10月の記事一覧

経済記事は眉唾だらけ

この経済評論家は色々な媒体で見掛けるので売れっ子のようだが、この記事からは通貨システムの根本を理解していないことが読み取れる。 これはその通りだが、 金利が上昇することは、国債の市場価格が下がることを意味するため、国債を大量保有する日銀には損失が発生する。時価評価せずに償還まで待ってごまかしたとしても、額面よりも高く買った国債については償還時の損失計上が避けられない。 続く部分が意味不明である。 この状態を不安視して銀行が日銀当座預金から資金を引き出せば、市中に大量の

「国債発行で70兆円のベーシックインカム」の実現可能性

突っ込みどころが多いが、最も重要な一点を取り上げる。 「MMT」では国債を発行することによる財政資金は雇用創出プログラムへと投じることが望ましいとされています。 しかし、私は日本においては国債によって、ベーシックインカムを導入することが理想的だと考えています。 毎月1人7万円を支給するとすると、必要な予算は年間100兆円。そのうち、ベーシックインカムに置き換えることで削減できる失業手当などを削っていけば、70兆円で実現可能です。 70兆円はコロナ禍の前の名目GDPの1/8

おカネは何もないところからパッと出てこない

反緊縮派にこの👇ような認識が広がっているようだが、これだけでは誤りとは言えないものの、重要なことに言及していないので極めてミスリーディングである。 銀行によるmoney creation(預金の発行)とは、相手の「資産」の価値に応じた金額の通貨を発行して貸す/買い取るもので、支払いには使えない低流動性の資産と支払いに使える高流動性の資産(通貨)の交換というのがその本質である。「資産」には借り手の将来の収入(からの返済)も含まれる。 From an economic vie

クルーグマンも貨幣乗数を否定

セントルイス連邦準備銀行が金融システムの仕組みに関する理解のアップデートの必要性について書いていたが、 貨幣乗数の無意味さ(→捨て去るべし)について、クルーグマンも同じ理解に到達していた。量的緩和が高インフレを招かないことも、現実の通貨システムの仕組みを知っていれば自明だった。

「原因はマネーの伸び率だ!!」?

反日銀・反財務省の情弱ホイホイの記事。 もちろん相関関係は因果関係を意味しないが、マネーの伸び率は政策的に操作可能なので、結果として名目経済成長率の低下を招いた可能性がある。つまり、こうした国際比較分析からいえるのは、日本の賃金が伸びなかったのはマネーの伸び率の低さによるものということだ。 マネー(monetary aggregates)の伸び率が政策的に操作可能であることも、名目経済成長率と高い相関も現在では否定されている。 冒頭に一部引用されているパウエル議長の発言

中野剛志の『矢野財務次官は何から何まで間違っている!』は間違いだらけ

中野剛志の根本的な誤りは、現行の通貨・財政制度の建付けを理解していないことにある。だから、素人には人気があっても、金融系の業界人には全く相手にされていない。 財政・通貨制度これ👇が中野が正しいと主張する財政・通貨制度の建付けで、市中→プール、通貨→水のアナロジーを用いると、国家は無尽蔵に水を創成してプールに注げるので、支出の財源にするために徴税や借入で取水する必要はない。ただし、注水し過ぎるとプールから水が溢れてしまう(高インフレになる)ので、適宜取水して水量を適正水準に保

「貨幣乗数」は捨てる

セントルイス連邦準備銀行が、2008年の世界金融危機(大不況)以降の金融システムのメカニズムについて解説している。 新たなフレームワークの特徴は、 ①巨額の中銀預金の存在 ②中銀預金への付利(IORB)が金融政策の主体のツール である。 経済に影響を及ぼすのは中央銀行が供給するマネーの量ではなく金利であることが重要で、貨幣乗数は実態に即したものではないので教科書からは外すことも推奨している。 We recommend that textbook authors an

利払費で財政破綻

「バラマキ批判と政府の連結BS」という記事が駄目なことはその通りだが、 この漫画家も素人相手に同じフィクションでお金を稼いでいるという点では同じ穴の狢である。 国債の利払費にはインフレリスクの対価/インフレによる損失(減価)の補填の意味がある。 中央銀行が市中の国債を買い占めれば利払いは国(政府)に還流するので財政負担は減る、というのはその通りだが、インフレ率が上昇してもそのようなことを続けることはこれ👇に他ならないので、現実的には続けられない。 ケインズ 説得論集ww

情弱向け統合政府のバランスシート

「思わず失笑」はこの図である。 こうしたバランスシートからみれば、銀行券が無利子無償還なので形式負債だが実質負債でないので、日本の財政が危機でないのは、会計の基本を知っていれば明らかだ。 中央銀行が国債を買う→中央銀行の負債のマネタリーベースを統合政府のバランスシートから「オフバランス化」する→財政が健全化する、という理屈だが、これが正しいのなら、財政支出を中央銀行のマネタリーベース供給で賄えば、いくら支出しても財政の健全性は保たれることになる。 これを実行したのがジン

中央銀行のエコノミストによるMMT批判

中央銀行関係者による包括的なMMT批判がようやく出てきた。 MMTは政治的マニフェストだという評価だが、 ◆政府が貨幣発行を管理 ◆就業保証プログラムによる失業ゼロの実現 ◆大規模公共事業(Green New Deal)による経済社会構造の改造 ◆政府によるミクロの価格統制 ◆利子の廃止 ◆民間の債務増は経済厚生にマイナス/政府の債務増はプラス などは、MMTが英語圏で勢力を増す新左翼を母体とする経済思想(社会主義の一派)であることを示している(→だから極左のAOCも支